今日はもう料理を作る気がしない…という時に役立ってくれるのが『缶詰』
特に魚の缶詰は骨まで柔らかくなっていて、栄養をまるごと摂取できる優れもの!
中でもサバ缶には低価格でDHAやEPAが豊富に含まれていて、いう事なし!
そんなサバ缶を赤ちゃんはいつから食べることができるのでしょうか。
2つの注意点とおすすめレシピをご紹介します。
この記事のポイントは次の4つです。
- 赤ちゃんは何歳からサバ缶を食べられるのか
- 食べさせる時の2つの注意点
- サバのアレルギー症状と中毒症状
- おすすめレシピ
それでは順にみていきましょう♪ぜひ参考にしてくださいね!
目次
サバ缶とは…
私たちの家庭に身近にあるサバ缶ですが、一体どのように作られていて、どんな種類があるのでしょうか?
製法
缶詰の製造方法は、簡単に説明すると以下の通りです。
新鮮な魚の頭や内臓を取り出す→洗浄→調理→缶詰に入れる
缶詰がすごいのは、密閉してあることで細菌を入れず、長期保存を可能にしているところ。
つまり殺菌剤も保存料も使われていない、無添加で安全なものといえます。
220gのサバ缶の中には、およそ30㎝もの大きなサバ1匹が入っているとされています。
見た目にはそんなに多くは見えませんが、頭や内臓を取り除いた可食部分だけにすると、意外にもたくさんの量が入っているんです。
しかも調理の手間が省かれていて、水煮はアレンジがしやすく、料理のレパートリーも広がります。
生産量・種類
サバ缶はいわしやさんまと同様に、生産量が多く一般家庭でも親しまれています。
また日本だけでなく、東南アジア諸国などの世界各国に輸出もされているポピュラーな製品です。
主生産地は青森、岩手、宮城、茨城、千葉、長崎など。
その製品の種類は様々!
一般的な鯖の味噌煮や水煮、味付け煮以外にも、トマト煮、カレー煮、香ばし焼きなど。
お酒のおつまみとして使われたり、リッチなものでは1缶500円もするものも。
保存方法
缶詰の保存は25°以下の風通しが良いところが好ましいとされています。
冷凍保存は風味が落ちたり、缶詰が破損する恐れがあるので絶対にしてはいけません。
賞味期限以内だったら美味しく食べられますが、開けてしまった場合は生の魚と同じようにすぐに食べきりましょう。
どうしても食べきれない場合は再度火を通して、濃いめに味付けをします。
そうすると冷蔵庫で2〜3日は食べられます。
赤ちゃんはいつからサバ缶を食べられる?
赤ちゃんがサバ缶を食べられるのはカミカミ期(9~11ヶ月)後半から少量ずつ。
原料であるサバはアレルギー症状や中毒症状が出やすいので注意しましょう。
ピーナッツなどのように重症化したり、卵や牛乳のようにアレルギーの割合が多いというわけではありませんが、厚生労働省の食品表示法で表示の推奨がされている食品の1つです。
「鯖の生き腐れ」という言葉があるように、サバの鮮度は落ちやすいもの。
その点サバ缶は鮮度の心配がいらないので、お母さんは助かりますね!
関連記事⇒赤ちゃんの離乳食でサバはいつから食べて大丈夫?5つの注意点とおすすめ鯖レシピ
赤ちゃんにサバ缶を与える時の2つの注意点
赤ちゃんに鯖缶を与える時には、以下2つの点に注意しましょう。
1つめは、与える時は少量にすること。
前項でも説明したように、サバはアレルギー症状や中毒症状が出やすい魚です。
一度サバを与えた事があっても、初めて缶詰を与える時は少量にして様子を見てください。
サバ缶に限らず、初めて与える食品は病院が開いている平日の午前中がいいでしょう。
アレルギー症状や中毒症状が出た時、すぐに病院に行けるよう備えておきましょう。
サバ缶は非常に便利ですが、生の物より塩分が多く含まれています。
厚生労働省によると、赤ちゃんがカミカミ期(9~11ヶ月)に摂取できる1日の塩分量は1.5g。
パクパク期(1歳〜1歳6ヶ月)に摂取できる1日の塩分量は4.0g未満。
1食に置き換えると、カミカミ期(9~11ヶ月)は0.5g、パクパク期(1歳〜1歳6ヶ月)は1.3g程度。
一番塩分の少ない水煮缶も、水ではなく塩水で湯でてあるので注意してください。
例えば、マルハニチロのホームページには一缶の食塩相当量が書いてあります。
鯖の味噌煮の場合は一缶190gあたり2.5g。煮付けの場合も同様です。
鯖の水煮の場合は一缶190gあたり1.9g。
サバ缶の食塩相当量は製品によって異なるので、食べられる量はその都度変わってしまいます。
製品に書かれている塩分相当量を確認してください。
ナトリウム量で書かれていた場合は、下記の計算式で算出するか、自動で算出してくれる便利なサイトを利用してください。
【計算式】ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
【自動算サイト】ナトリウムを食塩量(塩分)換算する方法【簡単に!】-無塩ドットコム
2つめは、サバ缶を多様しないこと。
上記で説明したように、サバ缶は塩分濃度が高いもの。
何度も使ってしまうと、赤ちゃんが濃い味付けに慣れてしまいます。
子供の頃から濃い味付けに慣れてしまうと、将来的に若い頃から生活習慣病を発症してしまう恐れがあります。
また赤ちゃんの消化器官は未発達なので、塩分を上手に処理しきれません。
場合によっては、下痢などを引き起こしてしまう可能性がありますので、多用しないように注意しましょう。
関連記事⇒赤ちゃんの塩分摂りすぎは死亡リスクあり?乳児の塩分目安量と3つの注意点
アレルギー反応が出たら!
食物アレルギーの症状、対処法、治療法を簡単にまとめました。
症状
食べたあと1〜2時間、遅くても4時間以内に症状が出ます。
食べた後はいつもと様子が違っていないか、顔などを見て、よく観察しましょう。
以下、アレルギー症状の一例です。
- 目の症状…白目が赤くなる、瞼が腫れる、涙が止まらなくなる、痒くなる
- 鼻の症状…くしゃみ、鼻水、鼻がつまる
- 口や喉の症状…口の中や喉の違和感、腫れ、イガイガする、喉が痒い
- 皮膚症状…かゆみ、むくみ、じんましん、皮膚が赤くなる、湿疹、かぶれ
- 呼吸症状…息苦しくなる、過呼吸になる、締め付けられたようになる、犬の鳴き声のような咳が出る、咳き込む、声がかすれる
- 消化器症状…腹痛、不快感、下痢、嘔吐
通常アレルギー症状は上記のうちのひとつが起こりますが、複数の症状が出てくることもあります。
場合によっては呼吸困難などが生じる、アナフィラキシーショックが引き起こされます。
意識が朦朧とし、呼びかけても応答しないなど、大変危険な状態です。
またアレルギーは、調理状態や食べた人の体調によっても症状が変化します。
極度の疲労や、風邪をひいていると症状は重症化しやすいです。
赤ちゃんに新しい食材を与える時は、機嫌のいい元気な時にしましょう。
対処法
アナフィラキシー症状が起きた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
アナフィラキシーショックを起こす可能性があり、対応が遅れると死に至る可能性もあります。
急を要さない、かぶれや湿疹で軽症の場合は、様子を見て病院にいきましょう。
治療法
家庭での素人判断で、アレルギー物質を特定して除去食を行うということは、絶対にやめましょう。
アレルギーの除去食で、「牛肉アレルギーの人は牛乳が飲めない」や「卵アレルギーの人は鶏肉が食べられない」などの勘違いをされることがあります。
アレルギー食物の特定は、専門医でさえ非常に難しいもの。
検査や問診を受け、医師の診断のもと必要最小限の除去食を行いましょう。
場合によっては薬を使ったり、先生によっては治療を延期するなど、治療法も様々です。
乳幼児はアレルギー症状が出やすいもの。
アレルギー症状が発生した内の90%は、小学生になる前に治っています。
なのでアレルギー食品があっても焦らず、専門医のもと治療を行いましょう。
関連記事⇒赤ちゃんにアレルギー症状がでたらどうする?乳児のアレルギーの原因と6つの予防策
サバによるヒスタミン中毒の可能性
サバのアレルギー持ちではないのに、食べた後に蕁麻疹が出たり、顔が赤くなることはありませんか。
もしかしたら食物アレルギーではなく『ヒスタミンの中毒症状』の可能性があります。
症状
ヒスタミンの中毒症状にはどんなものがあるのでしょうか。
特徴として、ヒスタミンの中毒症状は食後10〜30分、遅くても1〜3時間で発症します。
症状としては以下のようなものが起こります。
- 顔が赤くなる
- 蕁麻疹が出る
- 痒くなる
- 腹痛
- 下痢
- 頭痛
- 嘔吐
- めまい
- 動悸など
また、稀な症状としては以下のようなものが起こる場合があります。
- 熱が出る
- 汗が出る
- 呼吸困難
- 意識不明
- 気管支痙攣
- 血圧低下
- 視力喪失など
どの症状も、食物アレルギーの反応によく似ていて間違われやすいです。
しかし重症な場合でも、今までヒスタミンによる死亡事例はありません。
3〜36時間以内(平均14時間)で症状は消失します。
大体は軽症の場合が多く、症状が消失したあとも、12時間以内に回復が見込まれます。
ヒスタミン中毒の恐ろしいところはサバアレルギーあるなしにかかわらず、誰にでも起こる可能性があるというところです。
そもそもヒスタミンて?
ヒスタミンは生物の体内で生成される物質です。
海中にいたり、ブリ、マグロ、イワシなどのサバ科の赤魚の体内で特に多く作られます。
人がヒスタミンを一定以上摂取すると中毒症状が出てしまいます。
日本中毒センターによると、摂取した食品中に含まれるヒスタミンの量で以下のように症状が分かれるそうです
軽症:8〜40mg
中等症:40mg以上
重症:100mg以上
また、ヒスタミンの致死量は厳密に分かっていません。
ヒスタミンは熱に強く、冷蔵庫内でも増殖を続けます。
凍らせれば増殖は抑えられますが、一度発生したものを減らすことはできません。
なのでサバ缶に限らず干物でも燻製でも中毒は起きます。
対処と治療法
緊急を要する場合は、すぐに救急車を呼ぶか病院に向かいましょう。
可能ならば水を多く飲ませるなどして嘔吐させてください。
しかしヒスタミンの症状は食後すぐに発症するので、嘔吐による効果はあまり認められていません。
そのため無理はしないようにしてください。
病院では治療法として、抗ヒスタミン剤を投与します。
必要ならば胃の洗浄も行うとのこと。
サバ缶を使った、おすすめレシピ!
赤ちゃんがサバ缶を食べられるようになる離乳食後期のカミカミ期(生後9カ月~11カ月)には、下記のレシピがおすすめです。
サバ缶のみぞれ煮
<材料>
サバ缶…15g
大根おろし…大さじ2
和風だし…大さじ3
<作り方>
1.サバ缶は皿に取り出し、粗くほぐす。
2.鍋に和風だしを煮立てて、1のサバと大根おろしを加えてさっと煮る。
サバ缶とナスのトマト煮
<材料>
サバ缶トマト煮…50g
ナス…12g
野菜スープ…大さじ2
<作り方>
1.サバ缶トマト煮を皿にあけ、サバを粗くほぐす。
2.ナスの皮をむいて5mm角に切り、水につけてアクを取り、水気をきる。
3.鍋に野菜スープを入れて中火にかけ、煮立ったら2のナスを入れ柔らかくなったら1を加えて、サッと煮る。
以上で完成です。
ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
赤ちゃんとサバ缶について、いかがでしたでしょうか。
赤ちゃんはサバ缶を少量、カミカミ期(9〜11ヶ月)から食べられます。
原料のサバはアレルギー反応とヒスタミン中毒を引き起こす可能性があり、サバ缶は生のサバより塩分濃度が高いので、ほんの少量ずつ与えるといいでしょう。
また、気になるときは使用前に熱湯をかけるなどして塩抜きをすると良いでしょう。
サバ缶は便利でリーズナブルですが、赤ちゃんには程よく与えるようにしてくださいね。