離乳食において、イモ類はおかずとしてだけでなく、主食に置き換えることもできる便利な食材です。
イモ類は、炭水化物や他の主食からは摂りにくいビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。
そんな栄養豊富なイモ類は、赤ちゃんが食べるにはどうなのでしょうか?
そこで今回は、里芋について。
記事のポイントは3つです。
・赤ちゃんは里芋をいつから食べて大丈夫?
・赤ちゃんが里芋を食べるときの注意点
・離乳食におすすめな里芋レシピ
それでは解説していきます。
参考にしてみてください。
目次
赤ちゃんはいつから里芋を食べて大丈夫?
栄養豊富と言われる里芋ですが、実際はどうなのか?
まずは、里芋をはじめとしたイモ類の栄養素を見てみましょう。
可食部100g中 エネルギー たんぱく質 炭水化物 カリウム 食物繊維 ㎉ ℊ ℊ ㎎ ℊ 里芋 58 1.5 13.1 640 2.3 さつまいも 134 1.2 31.9 480 2.2 じゃがいも 76 1.6 17.6 410 1.3 白米 168 2.5 37.1 29 0.3
里芋は、イモ類の中では低カロリーで、食物繊維やカリウムが特に豊富であることが分かります。
このように栄養豊富な里芋ですが、赤ちゃんが食べられるようになるのは離乳食中期以降です。
そう言えるのには理由があります。
里芋は、仮性アレルゲンと呼ばれるアセチルコリンという物質を含んでいるからです。
仮性アレルゲンとは、食品に含まれている化学物質のことで、アレルギー様の症状を引き起こす可能性があります。
里芋に含まれるアセチルコリンだけでなく、サバやマグロなどに含まれるヒスタミン、パイナップルやキウイなどに含まれるセロトニン、熟成チーズやアボカドなどに含まれるチラミンなどが代表的な仮性アレルゲンとされています。
症状としては一般的な食物アレルギーと同様ですが、強い症状が出ることは少なく、1時間程で消失することが多いのが特徴です。
このような症状は、あく抜きをすることや多量に食べ過ぎないこと、空腹時の摂取を控えることなどで予防することができます。
重篤なアレルギー症状ではありませんが、赤ちゃんの安全を考えると、食べ始めるのは色々な食事に慣れてきた中期以降に少量ずつ進めていくと良いでしょう。
赤ちゃんが里芋を食べるときの2つの注意点
赤ちゃんが安心しておいしく里芋を食べるために、気をつけてほしいポイントが2つあります。
それでは1つずつ見ていきましょう。
アレルギー様症状に注意する
上記にあったアセチルコリンによる仮性アレルゲン。
里芋で出やすい症状としては、口の周りがかゆくなったり、湿疹が出たりすることです。
初めて食べさせるときや、食べる量を増やしたときにはこのような症状が出ていないかよく確認してあげるようにしましょう。
下処理、加熱具合に注意する
里芋でもう一つ注意が必要なのは、シュウ酸カルシウムです。
シュウ酸カルシウムは、里芋や長芋などに多く含まれている針状の結晶です。
里芋や長芋などは皮をむくときや、食べた時に口の周りがチクチクかゆくなることがありますよね。
シュウ酸カルシウムは、その原因となっていることが多い物質です。
これは調理時に特に起こりやすい現象ですが、加熱が不十分なまま食べたり、赤ちゃんがこの刺激に敏感な場合は症状が出る可能性があります。
シュウ酸カルシウムは酸や熱に弱い性質があるので、調理の際にはしっかり加熱するようにしましょう。
赤ちゃんが手づかみで食べる時期には食べ方にも注意が必要です。
お母さんが調理時に手がかゆくなった場合には、酢や塩で手を洗うのがおすすめです。
さらに、かゆくなりにくい剥き方としては、茹でたりレンジなどで加熱してから剥くか、皮ごと洗って皮を乾燥させてから剥く、酢水につけながら剥く方法などがあります。
離乳食におすすめな里芋レシピ
ここで、離乳食各期に合わせた里芋レシピを紹介します!
里芋と鮭のクリーム煮(中期)
材料
・里芋 100g
・サケ 90g
・にんじん 50g
・キャベツ 50g
・たまねぎ 50g
・粉ミルク 150ml
・だし汁 150ml
作り方
①鮭を焼き、骨をとって細かくほぐす
②里芋をきれいに洗って柔らくなるまで茹でる
③皮をむいて、フォークなどで潰す
④野菜を食べやすい大きさに切る
⑤だし汁に④を入れ、柔らかくなるまで煮込む
⑥野菜が柔らかくなったら鮭も加えて煮立たせる
⑦⑥に③と調整したミルクを加えてひと煮立ちしたら完成
里芋とそぼろ煮(後期)
材料
・里芋 50g
・にんじん 10g
・しいたけ 10g
・鶏ひき肉 10g
・だし汁 100ml
作り方
①野菜を食べやすい大きさに切り、だし汁で煮込む
②野菜が柔らかくなったら鶏ひき肉を加え、ひと煮立ちしたら完成
離乳食が進んでくると、大人用から味付け前に取り分けることもできますね。
ぜひメニューに取り入れてみてください!
まとめ
里芋は、イモ類の中では低カロリーで食物繊維やカリウムを豊富に含んでいますが、赤ちゃんが食べられるようになるのは離乳食中期以降です。
里芋は、仮性アレルゲンと呼ばれるアセチルコリンという化学物質を含んでおり、アレルギー様の症状を引き起こす可能性があるので、食べ始めには注意が必要です。
少量ずつ食べ始め、口周りの湿疹やかゆがっていないか確認しながら食べるようにしましょう。
また、里芋はシュウ酸カルシウムという針状の結晶成分も多く含んでおり、皮をむいた時などのかゆみを引き起こす原因となっています。
この成分は酸や熱に弱いため、赤ちゃんが食べるときには特によく加熱するようにし、調理時にお母さんがかゆくなったら、酢や塩で手を洗うといいでしょう。
煮物などは大人用からのとりわけもしやすいので、ぜひ里芋メニューを試してみてください。