精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)ときいて「なにそれ?」と思った方、多いのではないでしょうか。
私も知り合いにこの病気の方がいなかったら今も知らなかったかもしれません。
ポピュラーではないこの病は、赤ちゃんを希望している人にとってとても怖い存在です。
その理由は、精索静脈瘤は精巣の病気で男性不妊の原因のひとつだからです。
知り合いの夫婦で不妊治療を3年も続けても妊娠に至らず、旦那さんも検査してみたら精索静脈瘤だったということがありました。
そのご家庭は病気の治療をして無事赤ちゃんが誕生したのですが、「もし病気に気付いていなかったら子供はできなかったかも。気づいてよかった」と、可愛い我が子を抱きながら旦那さんが感慨深くおっしゃっていました。
旦那さんもまさか自分が不妊の原因になるとは想像もしていなかったようで、発見したときはとても驚いていたそうです。
もし不妊の原因として精索静脈瘤のことを知っていたら、もう少し早い段階で治療ができたことでしょう。
この病気のことをたくさんの人に知ってもらうことは不妊で悩む人の数も減ることになるはずです。
この記事ではそんな男性不妊の原因にもなる精索静脈瘤について詳しく紹介します。
ポイントは7つです。
・精索静脈瘤ってどういう病気なの?
・どんな症状が起こるの?
・不妊の原因になるって本当?
・放置しているとどうなるの?
・手術が必要なときって?
・治療方法はどういうものがあるの?
・予防策は温めないことって本当?
最後まで記事を読んでいただければ、不妊の原因のひとつとして精索静脈瘤の知識を持つことができるはずです。
ぜひ、参考にしてくださいね。
目次
精索静脈瘤ってどういう病気なの?
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は、男性の病気です。
精巣から心臓に戻っていく静脈の血液が逆流して異常に肥大し、精巣の萎縮や精子異常を引き起こします。
男性の15%が発症するとされており、不妊患者の約50%がこの病にかかっているようです。
よほどひどくならない限り自覚症状がないので、気づきにくいのが特徴。
不妊治療を行っているのになかなか子供ができない場合は精索静脈瘤を疑ってみたほうがいいかもしれません。
検査してみたら精索静脈瘤だったというケースもままあります。
どんな症状が起こるの?
軽度の場合は傷みなど特にありません。
悪化すると陰嚢部分の重圧感や不快感、鈍い痛み、陰嚢の上部にミミズ腫れやうっ血などが起こります。
不妊の原因になるって本当?
本当です。
なかなか赤ちゃんができない場合は、女性だけではなく男性も検査をしてみましょう。
精索静脈瘤は治療や手術をすれば約7割の確率で精子の改善が見られます。
ただし、精子が睾丸で作られるのは数か月かかります。
改善には半年ほどかかるので、不妊治療で赤ちゃんができないのでしたら、早めにこの検査をすることをおすすめします。
放置しているとどうなるの?
傷みがないので放置しがちですが、そのままにしておくと数々のリスクがあります。
まず、精子の状態がよくない状態が続くため男性不妊の原因になります。
次に、男性ホルモンが低下するので更年期障害が起こる可能性が高まります。
ホルモンバランスが崩れるのは女性だけではなく男性も起こりえることであり、なおかつさまざまなリスクを発症するというわけです。
手術が必要なときって?
必ずしも手術が必要ではありません。
子供の誕生を希望していたり、激しい痛みがある人は治療や手術を行います。
精索静脈瘤は症状により3つの段階に分かれます。
もっとも軽いグレード1は、立位腹圧負荷で触って確認できる程度。
グレード2は立った状態でさわって確認できる。グレード3は見ただけで確認できるものです。
外科手術をすすめられるケースはグレード2、3になります。
治療方法はどういうものがあるの?
グレード1は漢方薬やサプリメントなどで改善を促します。
自覚症状もなく日常生活に影響はありませんが、精子に悪影響を及ぼすことはあるのでこの段階でも不妊の原因にはなります。
子供を希望しているのでしたら治療をして改善をしましょう。
グレード2、3は手術が一番の改善への近道になります。
ただしどの治療も改善まで最低半年はかかりますので、発見は早いほうが良いにこしたことはありません。
不妊が1年以上続いたら、この病気を疑ってみましょう。
予防策は温めないことって本当?
精巣は熱に弱いので、温めないようにするのが予防の第一歩になります。
座り仕事の多い職業、デザイナーやアニメーター、プログラマーやエンジニア、経理や事務など、長時間座っている人などは特に注意が必要です。
小まめに休憩を取り、最低でも1時間に1度は立ち上がって少し身体を動かすなどして精巣のうっ血を改善しましょう。
血のめぐりをよくすることが、精索静脈瘤にならないために必要だと覚えておくといいですね。
治療が不妊を改善する第一歩です。
赤ちゃんがなかなかできないご夫婦は、一度検査をしてみましょう。
特に座り仕事が多い旦那さんで不妊がある人は、精索静脈瘤の可能性が高いはず。
不妊治療は莫大なお金がかかるうえに、精神的にも体力的にも辛いものです。
可能性がある原因を早く見つけることで、その辛さも和らぐもしくは改善できることがあります。
自分は違うは危険な考えです。
不妊男性の半分が羅漢する病。
早期発見、早期治療が我が子に合える近道です。