生理が予定日になっても始まらず「あれ、もしかして妊娠したかも?」と感じ始める妊娠超初期の時期。
妊娠しているかどうかはっきりしていないとは言え、もしも妊娠していた場合を考えて、大切なお腹の赤ちゃんを守るために気をつけるべきことがあれば、知っておきたいですよね。
妊娠超初期の時期に気をつけるべきことについて、「食事で気をつけること6つ」と「その他の行動(仕事や運動、生活習慣)で気をつけること8つ」の2つに分けて、計14個紹介します。
つわりはまだ始まらない人も多く、妊娠の実感が少ない妊娠超初期ですが、赤ちゃんの体の各器官が形成されていく、とてもデリケートで重要な時期です。
早い段階から食事や生活習慣を見直して、お腹の赤ちゃんにとって一番良い生活に切り替えていきましょう。
目次
妊娠超初期の食事で気をつけること6選 ~ アルコール以外にも注意すべき食べ物はある!
生理予定日が数日~1週間ほど過ぎて、妊娠に気がつき始める人が多いのが妊娠4週目頃までにあたる妊娠超初期です。
まだお腹のふくらみなど感じないこの時期、赤ちゃんへの影響が一番気になるのは、自分の食べるものなのではないでしょうか。
妊娠の兆候に気がついたら、妊娠超初期のうちから気をつけておいたほうが良い食事のポイントを6つ紹介します。
1. アルコール(お酒)はやめる
妊娠中のママがアルコールを摂取すると、胎児の低体重や顔面奇形、神経障害を引き起こす可能性があります。
これを「胎児性アルコール症候群」と言い、妊娠初期の時期から、また、少量の飲酒でも起こる可能性があるとされています。
したがって、妊娠したら完全にお酒はやめるのが基本で、厚生労働省のサイトでも妊婦の禁酒について告知されています。
参考
2. カフェインを含む飲み物を控える
妊娠中のママがカフェインを摂りすぎると、出生児が低体重となり、将来健康リスクが高くなるとされています。
アルコールと違い、全く摂取してはいけないものではありませんが、摂りすぎには注意しなくてはいけません。
カフェインは、コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに多く含まれています。
世界保健機関(WHO)によると、妊婦はコーヒーなら一日に3~4杯までに制限をしたほうが良いとされています。
参考
厚生労働省 健康・医療 『食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
3. リステリア菌食中毒の原因食品を控える
妊娠中はリステリア菌に感染しやすくなっており、感染するとお腹の赤ちゃんに影響を及ぼす場合があります。
リステリア菌の食中毒の原因となりうる食品としては、ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン、肉や魚のパテなどがあります。
リステリア菌食中毒は他の食中毒菌と同様、加熱処理で予防することができます。
冷蔵庫内で保存しても菌は増殖しますので、生で食べる場合は十分注意するようにしましょう。
参考
厚生労働省「これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと」
4. 水銀を含む魚を食べ過ぎない
魚は妊娠中の栄養補給にとって重要なものですが、水銀を多く含む魚を過剰摂取することで、お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性があると言われています。
水銀を多く含む魚には、クロマグロ(本マグロ)やメバチ(メバチマグロ)、キンメダイ、クロムツ、マカジキなどがあります。
これらの魚は、1度に大量に食べたり、毎日食べ続けたりすることがないように注意して、妊娠中は摂取量を控えるようにしましょう。
参考
厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」
5. ビタミンAを含む食材を食べ過ぎない
ビタミンAは重要な栄養素で、不足することにより視覚障害など健康障害を起こすことも知られていますが、一般的な日本人の食生活で不足することは少ないとされています。
反対に、ビタミンAを含む食材を過剰摂取することで、腹痛やめまい、嘔吐、関節痛、皮膚乾燥、催奇形性、骨粗しょう症などを引き起こすとされています。
特に妊娠3ヶ月以内の妊娠初期の女性は、胎児への影響を考えてビタミンAを過剰摂取しないよう注意が必要です。
ビタミンAは、レバーやうなぎ、にんじん、ほうれん草などに多く含まれます。
参考
食品安全委員会 / 食の安全ダイヤルに寄せられた質問等について / Ⅱ-Q59.
6. 葉酸を含む食材を積極的に食べる、できればサプリメントでも葉酸を摂取する
1~5までは控えたほうが良い食材でしたが、最後の葉酸は積極的に食べたほうが良い栄養素になります。
妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることが明らかになっています。
葉酸は、ほうれん草などの葉物の野菜や、柑橘類、レバー、豆類などに多く含まれます。
葉酸は、水溶性ビタミンであるため調理によって損失しやすく、食事から摂り入れづらいとも言われています。
そこで日本でも、2000年に厚生労働省から、妊娠の可能性がある女性は食事からの葉酸摂取に加えて、サプリメント等から1日400μgの葉酸を摂取するよう通知が出されました。
妊娠に気がついたら、食事とできればサプリメントも併用して葉酸を積極的に摂取することが重要です。
参考
厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
妊娠超初期の行動で気をつけること8選 ~ 仕事や運動、生活習慣で見直すべき点は?
妊娠をすると、それまで当たり前にしていた行動でも、お腹の赤ちゃんにとっては悪影響を及ぼしかねないこともあります。
妊娠に気がつき始めた妊娠超初期の時期に、食事以外の仕事や運動、生活習慣で気をつけるべきことを8つ紹介します。
1. たばこをやめる、受動喫煙にも注意する
たばこは赤ちゃんの成長を妨げ、また流産や早産、死産のリスクを高める原因になると言われています。
たばこに含まれるニコチンは、子宮胎盤循環血液量を減少させてしまい、また一酸化炭素は、胎児を低酸素状態にする働きがあります。
これらの影響により、喫煙する妊婦は、非喫煙の妊婦と比べて、子どもの出生体重が200g少なく、低出生体重児が生まれる頻度や、流産、早産、死産の頻度が高くなるということです。
妊娠したら自ら禁煙するのはもちろんのこと、身近な人にも禁煙に協力してもらい、受動喫煙にも注意するようにしましょう。
参考
2. 薬は自己判断で飲まない
市販の薬の中には、妊娠中に飲むと胎児に影響を及ぼす可能性のあるものもあります。
妊娠超初期の時期は、人によっては頭痛や鼻炎、微熱など風邪とよく似た症状が出るため、鎮痛剤や風邪薬を飲みがちですが、妊娠の可能性がある場合は、念のため自己判断で薬を飲むのは避けたほうが良いです。
薬を飲みたい場合は、妊娠していても胎児に影響のない薬かどうか、医師や薬剤師に確認をしてから飲むようにしましょう。
3. 病院でX線検査をする場合は、あらかじめ妊娠の可能性を伝える
健康診断などで受ける場合があるX線検査について、妊娠の可能性がある場合は念のため医師にその旨を伝えるようにしましょう。
X線を1枚撮る程度なら問題がないとされていますが、何枚も撮影したり、長時間かけて撮影する場合は胎児への影響を考えて注意が必要なためです。
4. 激しいスポーツは控える
妊娠超初期は、赤ちゃんの体の各器官を急速に作っているデリケートな時期であり、またママの体調も不安定になりがちです。
ママの運動など行動によって流産をすることはめったにないとされていますが、初期のうちは、体に負担のかかる激しい運動は控えるほうが良いとされています。
ストレス発散や健康維持のために、軽い運動やストレッチなどを体調が良ければ行うと良いでしょう。
妊娠16週以降の安定期に入り、医師の許可が下りればマタニティヨガやスイミングなどの運動を始めることができます。
5. 仕事は無理をしない
妊娠超初期~妊娠初期は、体調が不安定になりがちです。
無理をして働くと、体にストレスがかかり赤ちゃんにも悪影響ですし、切迫流産などの危険に陥る場合もあります。
早い段階で職場の人に妊娠を伝えるのには抵抗があるかもしれませんが、体を第一で考えて無理はせずに、つらいときは周囲に協力を求めるようにしましょう。
6. 性交は体調を見て慎重に行う
妊娠中の性交がお腹の赤ちゃんに影響を及ぼすことはまれなことと言われています。
しかし特に妊娠超初期~妊娠初期は、膣内の出血がしやすいデリケートな時期のため、無理な性交は禁物です。
性交をする場合は体調と相談して慎重に行うようにし、体調が優れない場合は控えるようにしましょう。
7. 車や自転車の運転はできれば控える
妊娠超初期~妊娠初期は、基礎体温の高温期が続く時期であることや、お腹の赤ちゃんの成長にママの体の力が注がれているため、注意力が散漫になったり、めまいが起きやすくなったりすると言われています。
車や自転車の運転で思わぬ事故を招かぬよう注意し、できれば自分で運転するのは控えるようにするのが懸命です。
8. 感染症にかからないよう注意する
妊娠中に風疹やリンゴ病など一部の感染症にかかると、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があると言われています。
また、インフルエンザに感染すると、お腹の赤ちゃんへの影響はありませんが、妊婦は重症化する恐れがあると言います。
妊娠に気がついたら、感染症にかからないように人の多い場所へ出かける際はマスクをつけるなど注意するようにしましょう。
参考
妊娠超初期から食事や生活習慣を見直して、お腹の赤ちゃんにとって良い生活を送ろう!
妊娠をすると、それまでと違い食べるのを控えたほうが良いものや、注意すべき行動、生活習慣などがたくさんあります。
妊娠超初期は、まだつわりが始まらない人も多く、本当に妊娠しているのかはっきりしない時期ではありますが、その時期から赤ちゃんの大切な体の器官形成は始まっています。
妊娠初期だからこそ気をつけるべきこともありますので、まだ早い段階だからと言って油断せずに、禁酒や禁煙はもちろん、食生活を改善し体調管理により気を配るようにしましょう。
規則正しい生活を心がけ、お腹の赤ちゃんと送るかけがえのないマタニティライフの始まりを、楽しむことができると良いですね。