出産施設はどうやって選んだらいいの?失敗しない6つのポイント

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妊娠がわかったら、次に行いたいのは出産する病産院を選ぶこと。一生の記憶に残る大事なお産ですから、失敗はしたくありませんよね。

でも、初めてのお産だったらどこの病院がいいのか、どんなお産の仕方があるのかも分からない状態。初めての妊娠だけでも不安なのに、どうすればいいのか分からないというのは、あなただけではありません。

まず、あなたに必要なのは次のことです。

  • 出産施設の種類と特徴を知る。自宅近くの出産施設がどの種類に当てはまるのかインターネットの情報で調べてみましょう。
  • どんなお産方法があるのかを知り、どの方法でお産をしたいのか考えてみましょう。妊娠の途中で予定は変えられます。
  • 両親学級などのサービスや自宅からの距離など、6つのポイントから病産院選びをしましょう。

最近ではインターネットの情報で下調べが簡単にできます。人気の病産院はすぐに予約がいっぱいになってしまうこともありますので、早めに決めて診察に一度行ってみましょう。

目次

出産施設の種類と特徴を知っておこう

総合病院・大学病院

産科のほか、他の診療科目が多く、入院ベッド数は100床以上あります。NICU(新生児集中治療室)などの施設が充実しているので、多胎妊娠や前置胎盤、逆子など高リスクの妊婦さんが安心して出産することができます。

希望の出産方法や母子同室などを実施していなかったり、立ち会い出産ができなかったりと、制限が多い場合もあります。

来院患者数も多いため、診療の待ち時間も長くなりがちですし、途中で主治医が変わるということも。個人産院のようなきめ細やかなサービスは期待できない場合があります。

産科専門病院

お産を専門に扱う入院ベッド数20床以上の病院。妊娠・出産専門の医師と助産師、看護師が常駐しています。小児科や内科を併設しているところもありますし、NICUなどの施設が充実しているところも。

妊娠中や出産時のトラブルにもスムーズに対応してくれますが、40歳以上の初産などハイリスクの妊婦さんを受け入れていない場合があります。ベビーマッサージや育児サークルを実施するなど産後支援が魅力的な施設もあります。

希望する出産方法ができない場合やサービスにもそれぞれ特色がありますので、事前に確認しましょう。

個人産院・クリニック

産婦人科医が個人で開業している診療所でベッド数は19床以下。基本的に一人の医師が診察を行うため、担当医が変わるということはありません。

無痛分娩やフリースタイル分娩を選べたり、家族が一緒に泊まれるなど、それぞれの診療所で個性があります。

重度の妊娠高血圧症や糖尿病などの持病がある人は受け入れていないところも。無痛分娩など希望する出産方法を実施していない場合もあります。

帝王切開に対応しておらず、緊急の場合は近くの総合病院に搬送になることもあります。

助産院

助産師資格を持つ人が開業している出産施設で入院ベッド数は9床以下。多くの場合、一軒家のような施設でアットホームな雰囲気の中で出産できるのが魅力です。

畳の上で自由な姿勢で出産できますが、会陰切開、吸引分娩などの医療行為は一切できませんので、分娩で異常が起こった場合には提携している病産院へ搬送されることになります。

妊娠経過が順調で、正常分娩の可能性の高い妊婦さんに限られます。

自宅出産

産後すぐに自宅で過ごせることから、自宅出産を選択するママもいます。この場合、陣痛が始まったら助産師さんに来てもらい、介助してもらいます。

上のお子さんがいる経産婦さんが家族とお産を迎えたいと、この出産方法を選ぶことが多いようですが、何かあった場合には病院に搬送する必要があるため、母子ともに健康であることが大前提です。

分娩施設のない婦人科

婦人科のみのクリニックで妊婦検診を行っているところがあります。出産できる施設と提携していることがありますので、相談してきましょう。里帰り出産の時に利用するママもいます。

 

お産の方法を知っておこう

分娩台で出産

子宮口が全開大になるまで陣痛室や病室で過ごし、分娩室に移動して出産します。分娩台に乗ったら、足を開脚して固定、分娩台の両サイドにあるグリップを掴んで下半身に力を入れ、出産します。

仰向けの状態なので医師が赤ちゃんを取り上げやすく、会陰切開するときや産後の縫合を行うなどの時に安全に処理しやすいなどのメリットがあります。

陣痛と分娩、回復を同じ部屋で行えるLDRがある施設もあります。どこの病産院にでもある設備ではありませんので、問い合わせてみましょう。

フリースタイル分娩(アクティブバース)

分娩台は使わずに、産婦さんが一番楽だと思われるスタイルで生む方法です。バランスボールを使ったり、座っていきんだり、助産師の介助のもと、お産が進行します。助産院で行われるのもこの方法。助産院を選ぶ時は、医療機関と連携が取れているところ、熟練した助産師さんがいるところを選びましょう。

水中出産

お湯につかると筋肉がほぐれて血行がよくなり、リラックスして出産できます。海外から入ってきた出産方法で、元々は陣痛を和らげるために行われていました。実施している医療機関は多くはありませんので、問い合わせてみましょう。

無痛分娩

お腹の赤ちゃんに影響のない麻酔をかけて、お産の痛みを取って出産を行う方法。体力が自信のない場合や痛みに弱い人、心臓に持病がある人などに主に使われています。麻酔薬を背中の脊柱の硬膜外という場所に注入して陣痛を取り除く方法が主流です。

自然な陣痛が来てから麻酔をする場合と、事前に出産予定日を決めて子宮口を柔らかくする処置や陣痛促進剤を使いながら麻酔する場合があります。

無痛分娩は、麻酔を扱える産婦人科医や専属の麻酔医がいなければできませんので、実施している医療機関は限られます。事前に問い合わせることが必要です。

呼吸法や瞑想を用いた方法

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「ヒッヒッフー」という独特の呼吸法を基本にした「ラマーズ法」、イメージトレーニングで陣痛を痛みとして捉えず、出産のエネルギーに変えていく「ソフロロジー法」、中国の気功をヒントに発案された「リーブ法」など様々な出産方法を取り入れている病産院があります。希望するお産の方法を取り入れている病産院をインターネットなどで調べてみましょう。

 

出産施設を選ぶ6つのポイント

出産施設の種類と特徴、出産方法が大体把握できたところで、病産院を選んでいきましょう。

どれだけ自分の希望通りのお産ができる病院が見つかっても、自宅から車で1時間以上かかるとなると、通院も陣痛が来たときも移動が大変です。

一方で、どれだけ近くて安心できる大病院であっても、出産した後に母子同室で、どれだけ大変な出産の後で疲れていても赤ちゃんを見てもらえなくて辛い、など経験してから後悔するということがないように選びたいものです。

この6つのポイントは必ずチェックして、全部当てはまらないにしても、希望になるべく沿うような病産院選びをしましょう。

1. 自分が望む出産ができるか

無痛分娩、アクティブバースなど、自分が希望する出産スタイルでお産ができるか確かめましょう。

家族の立ち会いや、赤ちゃんが生まれてすぐに抱っこできるカンガルーケア、会陰切開や浣腸、剃毛をするかなど細かいところまで希望する事柄を「バースプラン」に書けるようにシートを準備してくれている病産院もあります。なければ自分で書き留めて、病産院で相談してみましょう。

対応できない事柄についても、理由を説明してもらえれば納得できることも多いものです。

2. 母乳育児・母子同室など希望する育児ができるか

お産は無事に終わったものの、母子同室ではなく、3時間おきの授乳時間にしか赤ちゃんに会えない病産院もありますし、どれだけ眠くて辛くても、母乳を出すためにママが赤ちゃんのお世話をしなくてはいけないというところもあります。

お産が終わったあとの4~7日間過ごすわけですから、この病産院の方針は知っておきましょう。出産の方法ばかりを考えていて、その後の赤ちゃんのお世話に関する病院の方針は意外と抜けがち。後悔しないためにも、気になることは確認しましょう。

3. 自宅からの距離

妊娠中は何度も妊婦検診に通います。臨月には毎週通わなくてはいけませんから、自宅から通いやすいか、近いところかというのは重要です。

妊娠中に異常が起きたときにもすぐに行けなければ不安ですし、陣痛が来たときにもすぐに移動できるところに病産院があれば安心ですね。

とは言っても、近くに信頼できる出産施設があるとは限りません。1時間以内に行けない場所にある場合は、陣痛が来たときの入院方法を相談しておきましょう。

4. 両親学級などのサービスは充実しているか

両親学級やマタニティエクササイズなどのサービスがあると妊娠生活も楽しめますね。産後にアロマテラピーがあったり、フランス料理が最終日の夕食に出たりするなど、最近では充実したサービスを提供する出産施設が増えてきました。

母親学級やベビーマッサージの講習会などでママ同士の交流が生まれるのは嬉しいところ。どんなサービスがあるのか調べてみましょう。

5. クチコミ、評判を聞いてみる

近所にあるから、知り合いが行っていたからという理由で安易に決めてしまうと、後悔することにもなりかねません。

マタニティ雑誌やインターネットなどで、希望に合いそうな病産院を探して、クチコミ評価などを参考にしてもいいでしょう。一番確実なのは、そこで出産した知り合いがいれば、スタッフのことや雰囲気など、雑誌などの情報では分からないようなことを詳しく聞くといいでしょう。

6. かかりつけ医からの紹介

高年出産や健康に不安がある場合などは、かかりつけ医に相談してみましょう。医師であれば、その地域での医療関係者のパイプがありますから、ハイリスク出産に対応できる病院などを知っていることも多いでしょう。持病がある場合には、紹介状を書いてもらうといいでしょう。

 

まとめ

赤ちゃんの命を迎える瞬間をどんな風に過ごせるかは、お産する出産施設の個性によって変わります。アットホームに家族に囲まれてお産をしたいのか、大病院で安全第一で生みたいのか、生まれたあとも一緒に過ごしたいのか、自分の体をケアしたいのか、などなど考えることは山のようにあります。

合わなければ転院できるとは言っても、なかなか勇気がいることですから、なるべく最初に自分の希望をはっきりと持って病産院選びをしておきたいもの。

自分の大まかな希望に合った出産ができそうな出産施設が見つかったら、自分のやりたいこと、やりたくないことをリストにまとめて相談していくといいでしょう。すべてが叶えられるわけではありませんが、相談することは、病産院の方針や医師の考えなどを知る良いきっかけにもなります。

希望に沿った出産施設で、快適な出産、入院生活が送れるように、情報収集を始めましょう。