新生児の嘔吐は母乳の飲みすぎが原因?隠れている病気と嘔吐した時の対処法

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赤ちゃんが生まれてホッとしたのもつかの間。

赤ちゃんにおっぱいを飲ませた直後、おっぱいをゲボッと吐き戻してびっくりした、という人も多いと思います。

私も新生児の赤ちゃんがこんなに吐くなんて思ってもいなかったので、

「こんなに戻して大丈夫なの?」

「新生児の赤ちゃんって吐くものなの?」

「何か原因があるの?」

「吐いてしまって栄養は足りてる?」

「吐いた分飲ませてあげたほうがいい?」

というようなことが一気にぐるぐると頭の中を回ったことを覚えています。

新生児の赤ちゃんが嘔吐してしまうのは、実はよくあること。

主な原因は次の3つといわれています。

  1. 胃から逆流しやすい
  2. ゲップと一緒に出てしまう
  3. ミルクやおっぱいの飲みすぎ

新生児の赤ちゃんの嘔吐は、ほとんどが心配のないものです。

しかし中には要注意なことが隠れていることも!

新生児の赤ちゃんの嘔吐について詳しく調べてみました。

もし赤ちゃんが嘔吐をしてもあわてずに、赤ちゃんの様子をしっかりチェックしてくださいね!

目次

新生児の嘔吐3つの主な原因

冒頭でも紹介しましたが、新生児の赤ちゃんが嘔吐してしまうのは、

  1. 胃から逆流しやすい
  2. ゲップと一緒に出てしまう
  3. ミルクやおっぱいの飲みすぎ

という3つが挙げられます。

新生児の嘔吐のほとんどは、この3つが原因です。

ここではこの3つの原因について詳しく見ていきましょう。

胃から逆流しやすい

一つ目の原因は、赤ちゃんの胃と食道の形状にあります。

新生児の赤ちゃんは、まだ体のつくりは大人と一緒ではありません。

大人の胃はとっくり状で、食べたものを胃の中にため込むことができます。

しかし新生児の赤ちゃんの胃は直線状で、たくさん胃の中に溜めておくことはできません。

それに加えて食道と胃の弁が未発達のため、ちょっとした傾きや刺激でミルクやおっぱいが逆流してしまうのです。

新生児の赤ちゃんは、もともと吐き戻しやすい胃の形状をしているというわけです。

空気を飲み込みゲップと一緒に出てしまう

新生児の赤ちゃんは、まだミルクやおっぱいを飲むのも上手ではありません。

母乳の場合は乳首を上手に咥えられずに、空気をたくさん飲み込んでしまうことも珍しくありません。

ミルクの場合は、母乳よりももともと空気を飲み込みやすいといわれています。

それに加えて乳首の大きさや形があっていなければ、さらに空気を飲み込むことに。

飲み込んだ空気の量が多ければ多いほど、空気と一緒にミルクやおっぱいを吐き出してしまうことも増えてしまいます。

ミルクや母乳の飲みすぎ

ミルクや母乳の飲みすぎも、新生児の赤ちゃんの嘔吐の原因のひとつです。

これには私もびっくりしました。

子どもが生まれるまでは、

「赤ちゃんはお腹がいっぱいになれば飲まなくなる」

「自分が飲める分を知っている」

と思っていたからです。

新生児の赤ちゃんは、お腹がいっぱいと感じる満腹中枢も未発達。

特におっぱいの場合、飲んだ量が明確ではありませんよね。

そのため赤ちゃんが乳首を離すまで飲ませていると、飲ませすぎになってしまい嘔吐をしてしまうことも。

ミルクやおっぱいを飲みすぎてしまうと、不要な分を吐き出してしまうようです。

新生児の嘔吐のほとんどは心配ない

前の項目で紹介したように、新生児の嘔吐のほとんどは心配のいらないものです。

普段から、

・授乳後の赤ちゃんの様子
・体重の増加

などを把握しておくことが大切です

嘔吐をしても元気なら問題なし!

赤ちゃんが授乳後に嘔吐をしても、それまでと変わらずに元気な様子なら問題ありません。

授乳後寝ながら嘔吐をした場合でも、起きたあとにいつも通りの様子なら問題ないでしょう。

・嘔吐の量
・嘔吐物の色
・赤ちゃんの顔色
・目つき
・その後の嘔吐の回数

など、普段から授乳後の赤ちゃんの様子をしっかりチェックしておきましょう。

嘔吐しても体重が増えていれば問題なし!

心配のいらない嘔吐の場合、嘔吐をしていても体重は順調に増えていきます。

赤ちゃんの体重の増加は個人差がありますが、

・0~3ヶ月・・・1日に25~30gもしくは1ヶ月に750~900g程度
・3~6ヶ月・・・1日に15~20gもしくは1ヶ月に450~600g程度
・6~12か月・・・1日に10~15gもしくは1ヶ月に300~450g程度

が目安となります。

毎日コンスタンスに増えている必要はありませんが、1週間単位で順調に増えているかチェックをすることはとても大切なことです。

新生児の嘔吐、こんな時は要注意

ここまで新生児の嘔吐のほとんどは心配いらないと紹介してきました。

しかしすべての嘔吐が問題ないというわけではないことも、きちんと知っておくことが大切です。

新生児の赤ちゃんが嘔吐した時に、次のような症状がある場合は注意が必要です。

・噴水のように吐く
・おしっこが出ない
・熱がある
・下痢をしている
・体重が増えない
・吐いたものが黄色や茶色い
・お腹が張っている

これらの症状が見られる場合は、何か病気が隠れているかもしれません。

早めに医師の診断を受けることをおすすめします。

急性胃腸炎

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有名なところだと、『ノロウイルス』や『ロタウイルス』がありますね。

最近では『アデノウイルス』も赤ちゃんや幼児に見られるお腹の風邪として知られています。

冬から春にかけて大流行するイメージですが、娘の小学校では冬だけでなく梅雨の季節に流行することも。

流行性の急性胃腸炎は、新生児の赤ちゃんにも感染します。

・突然の嘔吐
・下痢
・腹痛
・発熱

などが主な症状ですが、新生児の赤ちゃんは下痢の見分けがしにくいことも。

急性胃腸炎か見極めるポイントとしては、

・授乳後でなくても嘔吐が見られる
・白っぽい便が出ている
・うんちの回数が多い
・機嫌が悪い
・ミルクやおっぱいを欲しがらない

などがよく見られる症状です。

赤ちゃんは症状を伝えることができません。

嘔吐や下痢を繰り返すと脱水症状を引き起こすことも。

気になる症状がある場合は、なるべく早く小児科を受診しましょう。

ミルクアレルギー

ミルクアレルギーが新生児の赤ちゃんの嘔吐の原因となることもあります。

これはミルクに含まれるたんぱく質に反応するためです。

生後1週間ほどでわかるケースが多く、生後3か月までに判明するケースがほとんどです。

・ミルクを飲んだ後に必ず嘔吐する
・ミルクをやめると症状が落ち着く
・下痢
・血便
・湿疹

上記の症状がある場合は、ミルクアレルギーの可能性があります。

ミルクアレルギー専用のミルクに変えることで、嘔吐などの症状はなくなります。

ミルクアレルギーの場合、1歳以降に引きずることはほとんどなく、1歳までに乳製品の摂取もできるようになることが多いとされています。

胃軸捻転症

・おならをよくする
・ゲップをするのが苦手
・寝かせると機嫌が悪くなることが多い
・お腹が張っている

胃軸捻転症は、嘔吐と併せて上記のような特徴が出ることが多いです。

よくおならをするな、と思っていたら胃軸捻転症だったということも珍しくありません。

しかしこの症状は新生児の赤ちゃんにはよくみられるもの。

体重が順調に増えていれば経過観察で問題ありません。

授乳の量を減らし回数を増やすなどで改善することもあるようです。

先天性の病気

黄色や緑など、新生児の赤ちゃんの嘔吐物の色がおかしい場合、先天性の病気が隠れていることもあります。

<小腸閉塞>

・嘔吐物に黄色が混じっている
・胎便が24時間以内に出なかった
・うんちの色が薄灰色や薄緑色

<腸回転異常症>

・激しく吐く
・お腹が張っている
・血便が出ることがある
・急にミルクやおっぱいを飲まなくなる

<ヒルシュスプルング病>

・激しく吐く
・重い便秘
・お腹が張っている
・お腹の痛み(機嫌が悪い、激しく泣く)

<直腸肛門奇形>

・嘔吐の量が多い
・便がうまく排泄できない
・生まれてすぐ見た目でわかる肛門の奇形や肛門が閉鎖している

噴水吐乳肥厚性幽門狭窄症

胃の出口付近にある『幽門』という部分が厚くなり、ミルクやおっぱいが通りにくいことが原因です。

十二指腸にうまくミルクやおっぱいが運ばれずに胃に溜まり、それが大量の嘔吐となってしまいます。

・噴水のように大量に吐く
・体重が増えないもしくは減る
・うんちの量が減る
・吐いた後お腹がすいた様子を見せる

生後2~3か月に判明することが多く、初産の男の子に多いという結果もあるようです。

この病気の場合、十分な栄養を取ることができないため、早期発見・早期治療が大切になります。

赤ちゃんが鼻から嘔吐!?

新生児の赤ちゃんは、口からだけでなく鼻からも嘔吐物が出ることもあります。

これを見た時も私は驚いてしまいました。

「何かの病気?」

と心配に。乳首を咥えたままむせ返るような咳と同時に鼻から嘔吐。

びっくりしますよね。

新生児の赤ちゃんが鼻から嘔吐をしても大丈夫!

赤ちゃんが鼻から嘔吐してしまうのは、

  1. ゲップが上手にできない
  2. 勢いよく飲む
  3. ミルクやおっぱいの飲みすぎ

この3つが主な原因です。

ゲップが上手にできない

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赤ちゃんにミルクやおっぱいを飲ませたあとにゲップをさせますよね。

赤ちゃんもある程度大きくなってくると、ミルクやおっぱいを飲んだ後に自分でゲップをすることもあります。

しかし新生児のうちは縦に抱っこして背中を優しくトントンすることで、ゲップが出やすくなります。

これは赤ちゃんがゲップを上手にできないから、大人がサポートしてあげているんです。

上手にゲップができないうえ、大量の空気を出さなければいけない時に、鼻からもミルクやおっぱいが出てしまうことも珍しくありません。

勢いよく飲む

私の娘の場合は、このパターンが多かったように感じます。

お腹がすいているとかなりの勢いでゴクゴクとおっぱいを飲んでいました。

こういう時に限ってむせ返り、鼻からも嘔吐していたように感じます。

大人でも勢いよく飲んでしまうと、むせて鼻から飲み物が出ることもあります。

赤ちゃんもこれと同じなんですね。

ミルクや母乳の飲みすぎ

新生児の赤ちゃんが嘔吐する原因と同じで、ミルクや母乳の飲みすぎは鼻から嘔吐する原因となります。

大人になると嘔吐するときは口から吐こうとしますが、赤ちゃんはそういった意識が少ないです。

胃から押し戻されたミルクは、出口である口と鼻に向かうため、鼻からも出てしまうというわけです。

嘔吐物の色や赤ちゃんの様子をチェック!

鼻から嘔吐をした場合も、あせらずに対応することが大切です。

前の項目で紹介したように、

・嘔吐物の色
・赤ちゃんの様子

をしっかりチェックしましょう。いつもと変わらない様子であれば、ほとんど問題ないでしょう。

赤ちゃんが嘔吐した時の対処法

新生児なのに嘔吐の回数が多かったりたくさん吐いたりすると、心配になってしまいますよね。

実際に赤ちゃんが嘔吐してしまった場合、どのような対処をしたらいいのでしょう。

少量で元気なら様子を見る

先にも紹介したように、

・嘔吐物の量が少ない
・吐いたあとも元気がある
・嘔吐物の色に変化はない

などであれば、生理的現象の嘔吐であるといえます。

体重も順調に増えているようなら、吐いていることはあまり気にせずに、様子を見るようにしましょう。

大量に吐いたときは?

よく、

「赤ちゃんが大量に吐いたら受診を」

などと言いますが、『大量』の基準がわからないという人もいると思います。

私も赤ちゃんの嘔吐はどのくらいからが大量なのかがわかりませんでした。

次のような時は、迷わずに受診しましょう。

・1mほどの高さまで噴水のように嘔吐をした
・1回に飲むミルクの量よりも多い量を嘔吐した

しかしこれはあくまで目安。

量が少ないと感じても、赤ちゃんの様子がおかしかったらすぐに受診するようにしましょう。

新生児の嘔吐はいつまで続く?

生まれたばかりのころは頻繁に嘔吐することが多いですが、

「この嘔吐はいつまで続くんだろう」

と不安になる人も多いのではないでしょうか。

ある程度赤ちゃんが成長すれば、吐き戻しの回数も減っていくといいます。

生後3ヶ月になれば落ち着く子が多い

いわゆる『新生児』と呼ばれる生後1か月ころは、嘔吐の回数も多くなりがち。

生後3か月ほどになると、赤ちゃんはミルクやおっぱいを飲むのも上手になりますし、満腹を感じる赤ちゃんもいます。

生後3か月ほどから嘔吐の回数が減り始め、生後6か月頃には完全に落ち着くというパターンの子が多いよう。

中には1歳頃まで吐き戻しをする赤ちゃんもいますが、回数はグッと減っています。

嘔吐した後ミルクや母乳を足す必要は?

成長とともに嘔吐の回数も減るといいますが、よく嘔吐をしていると

「栄養は足りているの?」

と心配になりますよね。

「吐いた分足したほうがいいのでは?」

と思う人もいるかもしれませんが、基本的には足さなくてもOK。

ミルクやおっぱいの量が多すぎて吐いていることが多いため、これ以上足してしまうとまたおう吐してしまうかもしれません。

・欲しがるしぐさをしてもすぐに与えない
・授乳間隔を2時間~3時間ほどにする

などを試すと、飲みすぎによる嘔吐の負のスパイラルから抜け出すこともできますよ。

まとめ

新生児が嘔吐する主な原因は、

・胃の形状
・ゲップと一緒に出てしまう
・ミルクやおっぱいの飲みすぎ

の3つです。嘔吐したあとも機嫌がよく、しばらくするとお腹を空かせる様子があれば、心配する必要はないでしょう。

嘔吐の量が多かったり色がおかしかったりする場合は、病気が隠れていることもあります。

気がかりなことがある場合は、かかりつけの小児科に相談することをおすすめします。

私の娘は頻繁に吐くことはなかったものの、たまに戻すとあたふたしたことを覚えています。

正しい知識を前もって知っておくことで、赤ちゃんの嘔吐にも正しい判断ができますね。