赤ちゃんが生まれて、ひとつひとつの小さな変化や動きが気になるお母さんも多いでしょう。
初産の場合は、母乳が出ないことも多く、赤ちゃんの体重が増えているのか心配ですよね。
お産の後は、約5日~1週間ほど入院できるので、助産師さんと相談しながら、
赤ちゃんの様子もしっかりとみていくことができますが、退院後はそうはいきません。
1ヶ月検診までの間の、赤ちゃんのお世話や体重管理などの不安を抱えて退院することがほとんどです。
赤ちゃんの健康管理の目安のひとつである「体重」ですが、新生児期は減る時期があります。
まずは、新生児の赤ちゃんの体重の流れについてしっかりと把握し、安心して育児をしていきたいですね。
「新生児の体重減少率って何?」
「新生児期に体重が減るのはどうしてなの?」
「自宅でもできる体重測定方法や体重減少率の計算方法を知りたい!」
赤ちゃんの体重の増減についてのこのような悩みや疑問を、今回は解消していきましょう。
・体重減少率とは
・体重が減少する原因
・新生児体重減少率と生理的体重減少について
・新生児体重減少率の計算方法と基準値
・体重の減少がない場合、体重が増えない場合の対応
・低出生体重児や巨大児の場合
いろいろな赤ちゃんの場合を想定して、それぞれの新生児体重減少率について詳しくご説明していきます。
また、体重が減る原因や計算の方法なども分かりやすくご紹介していきますね♪
赤ちゃんの体重の増減が気になって不安なお母さんたちの参考になれば嬉しいです。
目次
新生児の体重減少率って何?
生後すぐ~1週間ほどの新生児期には、赤ちゃんの体重が減ることがあります。
体重が増えるどころか、減っていくので、ミルクやおっぱいの量が足りないのかと心配になります。
しかし、これは生理的な現象であり、ミルク育児や母乳育児に関わらずみられます。
一般的には、生後2~5日の間に、出生体重の10%未満の割合で体重が減少します。
この割合のことを、新生児体重減少率と呼んでいます。
その後、順調にミルクや母乳を飲み続けることで、1週間後くらいには、出生時の体重に戻るのです。
3,000gで生まれた赤ちゃんは2,700~2,850gくらいまで減るような状態です。
不思議な現象ですが、どの赤ちゃんにも起こりうることなので、安心して大丈夫です。
生後1週間の間に赤ちゃんの体重が減少する原因は?
赤ちゃんの体重が減少するのには理由があります。
まずひとつは、赤ちゃんがまだ上手におっぱいやミルクを飲む力がないということです。
これは、回数を増やしていくと、だんだんと上手になっていくので、
授乳やミルクの回数をたくさん作りましょう。
また、排せつ物や汗をかくので、体外に出ていく水分量のほうが飲む量より多くなることがあります。
1週間くらい経つと、赤ちゃんも上手に飲めるようになってくるので、体重も安定して増えていきます。
もうひとつの原因は、体がむくんでいることがあり、水分量が減っていくことが考えられます。
水分量を減らすことでむくみがとれて、少しすっきりとした顔立ちになることもあります。
体重が減少する原因としては、この2つのことが考えられています。
新生児体重減少率と生理的体重減少率とは?
参考書や育児書、インターネットでの記事を読んでいると、新生児体重減少率という言葉と、
生理的体重減少率という言葉の2種類が出てきます。
どっちがどういう意味なのか、違いがあるのかと疑問になりますね。
実は医学上、どちらも同じ意味なので、イコールで結んで考えていきましょう。
今回は、新生児体重減少率と示していますが、生理的体重減少率のことでもあります。
新生児体重減少率を計算する方法と基準値
新生児の体重減少率は、自分でも計算することができます。
正常の目安など基準値もあるので、体重が気になる場合には、毎日計測して計算してみましょう。
計算式は下記のとおりです。
『(出生時の体重―現在の体重)÷出生時の体重×100=生理的体重減少率(%)』
例えば、出生時の体重が3,000gで、現在の体重が2,800gだったとすると、上の式に当てはめて、
『(3,000-2,800)÷3,000×100=6.7%』となります。
目安になる基準値としては、2~8%ほどです。
赤ちゃんによって個人差がありますが、基準値が10%を超えることがあれば、
ミルクや母乳をほとんど飲めていない、病気の可能性などがあるので、助産師やかかりつけの産婦人科に、
一度相談してみるとよいでしょう。
赤ちゃんの体重の減少がない場合や、体重が増えない場合の対応は?
生理的体重減少と呼ばれるので、すべての赤ちゃんに起きる現象なのかと思われるかもしれません。
しかし、個人差があり、あまり体重が減らない赤ちゃんもいます。
もし、赤ちゃんの体重が減らない場合に考えられる原因としては、
赤ちゃんが排せつ物を上手に出すことができていない、皮膚からの水分の蒸発がうまくいっていないなど、
問題があることもあります。
また、生理的体重減少が起こってから、5日以上たって、体重が少しも増えない場合は、
以下のような原因が考えられます。
赤ちゃんのおっぱいを吸う力が弱い、母乳が出ていない、ミルクの回数が適切ではない、
赤ちゃんが嘔吐や下痢をおこしている、先天疾患の可能性があることも考えられます。
体重減少が落ち着くと、1日当たり30gずつ赤ちゃんの体重が増えていくので目安にしてみてください。
新生児の体重減少で、減少がない場合も、体重が増えない場合においても、
1ヶ月検診を待つよりかは、看護師に相談するか一度産婦人科に相談にいってみるとよいでしょう。
低出生体重の赤ちゃんや巨大児の場合
低出生体重児とは、出生時の体重が2,500g未満で生まれた赤ちゃんの事です。
また、巨大児とは、出生時の体重が4,000gを超えて生まれた赤ちゃんの事です。
どちらも健康にすくすくと育っていける体重です。
この2つの場合でも、生理的体重減少は起こります。
低出生体重児の場合は、さらに体重が減少するので、入院などして慎重に経緯をみていきます。
巨大児においても、体重減少率の目安ほどの体重の減少がみられます。
どちらの場合も、一度計算式に体重をいれて、割合で体重の減り具合を確認しましょう。
まとめ
新生児の体重減少率は、赤ちゃんの出生時の体重にかかわらず、その赤ちゃんでも計算式にいれて、
体重減少率を調べることができるので、実際に気になる人は試してみましょう。
体重の減少率や、減少の時期は、赤ちゃんによって個人差があります。
そのため、心配になるお母さんも多いと思いますが、産婦人科や小児科に相談しながら、
赤ちゃんの様子や体重の経過を観察してきましょう。