私立小学校の受験は全国で見るとメジャーなものではありませんが、都心部では私立小学校を選択するご家庭もたくさんいらっしゃいます。
身近にある公立小学校ではなく、わざわざ遠い私立小学校に通わせるのには理由があります。
それは、私立小学校のメリットから理解することができるでしょう。
公立小学校にももちろんたくさんのメリットがあります。
しかし、ご家庭の教育方針や学校のカラーなどを考えて、選択肢を広げることも考えてみませんか?
「私立小学校と公立小学校の違いとは?」
「私立小学校を選ぶメリットやデメリットを知りたい。」
「人気の高い私立小学校について詳しく知りたい。」
など、公立小学校か私立小学校に通わせるか悩み始めたご家族は、様々な疑問や不安が出てきます。
今回は、公立小学校か私立小学校のどちらにするか迷っていいらっしゃるご家庭向けに、2つの小学校の特色や違い、また私立小学校のメリットとデメリットについてご紹介します。
・公立小学校と私立小学校の違い
・私立小学校のメリット
・私立小学校のデメリット
・2018年人気の私立小学校ランキング
私立小学校を選ぶ前に、まずは大まかな内容から把握し、そして各私立小学校の特色を知るために、これからの子どもたちの将来の進む道について悩んでいるご家族の参考になればと思います。
目次
公立小学校と私立小学校の特色や違いとは
公立学校とは、一般的に初等教育や中等教育段階において、無料の教育を行う学校のことをいいます。
税金によって運営されており、地方自治体が設立した学校や国立学校などが含まれます。
反対に私立学校とは、公立学校に該当しないすべての学校とされています。
私立学校の多くは学校法人が設置している学校です。
そのため、学費や入学費などすべての費用は通わせる過程の負担となります。
市立(しりつ)と区別するために、「わたくしりつ」と呼ばれることもありますね。
公立は公の学校なので、基本的に年齢対象であればだれでも入学ができますが、私立は入学前に受験や面接などの入学試験がある場合がほとんどです。
また、公立小学校の教員は国や自治体の職員であり、定期的(3~5年ごと)に異動があります。
異動によることで学校やクラスのカラーも変わってきます。
それに比べて私立小学校は法人が雇っている形になるので、他の小学校への異動がありません。
固定された教員による指導が続きます。
私立小学校は、次の年はどの担任になるか見当がつきますが、公立はだれが担任になるか分かりませんね。
最近では公立小学校でも食育や英語教育などに特化した教育をされている学校も増えてきていますが、基本的には文部科学省の定める教育方針に沿った教育を行います。
私立小学校は、学校により算数に力を入れた学校や、中学受験を見通した教育をされている学校、キリスト教など宗教の教育をされている学校、運動面に力を入れている学校など様々な特色があります。
このように、公立小学校と私立小学校では、学費・教員の異動・運営者・教育方針などが大きく違います。
私立小学校を選ぶメリットとは?
私立小学校を選ぶご家庭には次のようなメリットを感じて入学させています。
メリットやデメリットを参考に、各ご家庭の状況や子どもの気持ちなども踏まえて、小学校選びの参考にしてみてください。
教師の異動がない
公立の教員はすべての教科を網羅し、授業の準備などを行います。
また学年や学校の異動があるため、その学年やその教科に集中した教育を行うことは難しいのです。
その反面、私立小学校の教員は異動がありません。
学年や担当の教科を専門として指導している学校も多くあり、そういう面から教師も優秀です。
また、異動がないので、子どもたちも慣れ親しんだ先生と学校で会うことができますし、学校のカラーも大幅に変わることはなく、安定した学習環境となっています。
中学、高校、大学受験をせずに進学できる可能性がある
私立小学校によっては、エスカレーター式で上がれる小学校もあります。
小学校や中学校は公立に通っており、高校から途中入学のように受験をするとなると、小さな頃から積み上げてきた土台にも違いがありますね。
小学校受験が大変なものかもしれませんが、それ以降の受験は流れによって入学させることができます。
そのため、子どもにかかるプレッシャーや不安などの負担が少なく、また小学校から大学まで、同じ友だちと長くともに成長しあうことができるのです。
小学校によっても違い、中学校に上がる際には受験を必要としている私立中学校もあります。
選ぶ予定の私立小学校は、卒業後の進路などどのようになっているのか、事前に調査しておくとよいですね。
グローバル教育やICT教育など特色ある教育をしている
公立小学校でも少しずつ取り入られていますが、それよりも昔から私立小学校では特色ある教育をしている学校が多くあります。
例えば、グローバル教育や英語教育に力をいれた小学校、探求学習を多く行う小学校、体操など運動が充実した小学校、ICTを活かした教育をする小学校など様々です。
子どもをどのような教育のもとで育てていきたいのかという親の考えや、子どもの性格や興味・関心と比較して、希望する私立小学校の教育方針に合っているのか、特色が強い小学校は特によく調べておく必要があるでしょう。
親や子どもの家庭環境や教育方針が似ている
公立小学校は様々な家庭の子どもが入学してきます。
いろいろな職種の父母、様々な教育をされてきた子どもたちがいるので、揉まれて育つとも言われます。
しかし、中には言葉遣いが悪い、行儀の悪い、乱暴であるような子どもたちもいます。
どこにでもいて、小学生なので本人に悪気はないのかもしれません。
でも、その中に自分の子どもを置かせるのは嫌だ、教育方針と違うと考える保護者の方もいます。
私立小学校に通わせると、学費や教育方針などの関係から、似たような境遇の子どもたちが集まりやすいようです。
そのため、勉学に力を入れている学校では周りの子どもたちと競争しあうことができ伸びますし、スポーツに力を入れている学校でも同じようなことが言えるのです。
保護者会などでお会いするお父さんやお母さんも、似た職種の方もいるので、話しもしやすく分かりあいやすいという利点があります。
私立小学校を受験するか悩ませるデメリットとは?
学費が高い
私立学校なので、入学費用、学費、制服代、教材費など様々なお金が必要となってきます。
奨学金制度もありますが、中学、高校、大学と考えるととても大きな額になります。
年間の授業料だけで見ても、高い小学校では年に95万円前後かかります。
これが6年間続き、さらに交通費や給食費など他にもかかる費用を考えると、相当な負担です。
その他、学校債や寄付金という名目で、任意で学費とは別に支払うこともあります。
希望する小学校のホームページですべての費用を確認することは難しいのですが、年間でどれくらいかかるのか、またそれ以外にも必要になる費用を事前に、学校側に聞いておくようにしましょう。
通学に時間がかかる
公立小学校は、家の近くの小学校に通うので、徒歩や自転車で通うことができます。
私立小学校の場合は、希望する小学校が近くにあれば良いのですが、大抵の場合、バスや電車、車での通学となります。
そのため、家の身近に子どもがいないという不安が保護者にはありますし、子どもも通学の時間が大変になってしまうことも。
通学用のバスがあれば安心ですが、通勤ラッシュ時の電車に乗せるとなると、心配ですよね。
私立小学校を選ぶときには、通学の面からもしっかりと考慮してみてください。
保護者会など学校の集まりが多い
すべての私立小学校ではないのですが、学校側から講演会の参加や製作の手伝いなど、保護者に対して参加をしてほしいということが多いようです。
公立小学校は、共働きの夫婦も多いので、保護者が参加する行事は少なめです。
私立小学校は専業主婦の方も多く、また学校側も講演会など教育に関する説明をしたいため、保護者会などが多く、お母さんやお父さんの負担になることがあります。
宿題や課題が多い
公立小学校は、みんなができる宿題や課題を出し、教育も下の子のレベルに合わせて進めていきます。
私立小学校は逆のところも多く、上の子をもっと伸ばすという方針をもっています。
そのため、宿題や課題もとても多く、小学校から帰ってお友だちの家に遊びに行くことや、息抜きをすること、塾に通うことなどが難しいという意見も多くあります。
勉強するということが子どもにとって嬉しい事であり楽しい事であるのならばよいのですが、勉強が苦手で外で遊びたい、ゆっくり学習したいという子どもにはストレスになります。
子どもの興味や関心、性格などを5歳までのうちに把握し、私立小学校選びに活かせるとよいです。
人気の私立小学校ランキング3
プレジデント社が発行している「小学校受験大百科2018」による、人気の私立小学校ランキングをご紹介します。
1位 慶應義塾横浜初等部
安政5年から始まった慶應義塾。
小学校では、遠距離通学の児童生徒に配慮し、登校時間は50分の幅がとってあります。
自由に活動できる時間もあり、グランドで遊んだり図書館で自由に本を読んだりすることもできます。
また、放課後の時間には、英語や計算の検定試験や、音楽・理科実験などの自由参加もあり、子どもの好奇心にそった教育を行っています。
また、ウィンブルドンの生徒と交換留学制度もあり、貴重な体験をすることができます。
詳しくはこちらの公式HPから。
2位 慶應義塾幼稚園舎
大きな特色として、担任の先生が6年間持ち上がり制になっています。
クラス替えもないので、6年間同じクラスの仲間と先生と成長していく教育です。
教育内容は担任によるものが多く、クラスによって教科書が違うということもあります。
6年間ずっと同じ先生から指導されるというわけではなく、教科別に専任の先生がいるので、専門の先生による指導を受けることができます。
施設も充実しており、博物館のようなサイエンスミュージアムや、2学年が一緒に給食を食べられる広い食堂、大きな図書室、遊園地と呼ばれる遊具の多いグラウンドなどがあります。
こちらも希望者は国際交流を行うことができます。
詳しくはこちらの公式ホームページから。
3位 東洋英和女学院小学部
女子校であり、男子生徒はいません。
また、キリスト教教育を取り入れています。
特にご家庭がキリスト教である必要はありません。
教育標語は「敬神奉仕」です。
指導教科の中には「聖書科」が入っており、特色があります。
給食は、全校児童で一緒に広い食堂で食べる伝統があり、幼稚園が隣接しています。
さらに中高部とも連携をとり、一貫した教育をしており、子どもたちも成長しやすい環境です。
平和な未来をつくるため国際教育も充実しています。
詳しくはこちらの公式ホームページから。
まとめ
私立小学校を選ぶ理由は様々ですが、メリットや各小学校の特色を見てみると、その理由が分かってきますね。
学費や通学などデメリットはありますが、ご家庭の状況に応じで対応できるのであれば、選択肢の幅が広い私立小学校を選んでみてもよいでしょう。