妊娠中、つわりがひどい時だからこそ、好きなものを食べたいですよね。
だからと言って、赤ちゃんに悪影響があるものは避けたいのが母親心です。
そんな中で好物だという人も多い「お寿司」はどうなのでしょうか。
『妊婦はお寿司を食べても大丈夫なの?』
『つわり中に生ものを食べるときに気を付けることは?』
など、妊婦さんなら食生活は一番気になるところです。
今記事では、つわり中の妊婦さんがお寿司を食べる上で気をつけなければいけないことがまとめてありますので、是非最後までお読みください。
目次
つわり中は、好きなものを食べて乗り切ろう!
つわりは、非常に個人差が大きいものです。
妊婦さんならほとんどの人が経験することではありますが、症状も程度も人それぞれ。
とにかく食べ物を受け付けず嘔吐を繰り返す人もいれば、食べないと気持ちわるくなって過食気味になってもしまう人もいます。
同じつわりでも症状は180度違ってくるのです。
食欲が変化するだけでなく、つわりは次のような特徴があります。
・妊娠2か月程度から感じ始める。
・4か月頃にはおさまる人が多い。
・においに敏感になる。
・胃部不快感がある。
・よだれの分泌が増える。
・ひどいものを妊娠悪阻(おそ)という。
・車酔いは船酔いのような感じがする。
症状を挙げたらきりがありませんが、妊娠初期の体調不良全般を「つわり」と呼びます。
私がもらった医師からのアドバイス
わたしもつわりがひどかったので、初めての検診でお医者さんに相談しました。
「気持ちが悪くてあまり食事がすすまないのですが。」
すると先生から、
「何でもよいから、食べられるものを口にしてください。」
とのアドバイスが返ってきました。
妊娠中だと、赤ちゃんのためにバランスのよい食事をしなければと必死になっていたので、意外な返答でした。
もちろん、食べられるなら色々な食材をいただくのがベストなのでしょうが、気持ち悪くて食べられないのですから
「好きなものを、好きなだけ食べよう!」と気持ちを切り替えました。
妊娠中にお寿司を食べても大丈夫?
ですが、やっぱり気になるのが、胎児への影響です。
当時、つわりがひどかった時期に食べられたのが以下のものでした。
・すっぱいもの
・フルーツ
・冷たいもの
・冷えたごはん
・汁物
・海藻
そして、お寿司を無性に食べたくなったのを覚えています。
「酢飯が食べたい!」
と冷たい酢飯を作って、毎日酢飯を食べていました。
もちろん、その上にまぐろやサーモンをのっけたいところでしたが、予備知識として「生ものは危険」という思いもありました。
妊娠中の生ものは危険…ホントだった!
何となく生ものはいけないのでは…という考えは実際正しいものでした。
マタニティ教室で、次のような注意点が書かれたパンフレットをもらったのです。
・妊娠中はリステリア菌に感染しやすくなる。
・トキソプラズマにかかると胎児の発育に影響がある。
・生ものは避け、衛生管理に気を付けること。
(『産前産後のヘルスケアシリーズ』社会保険出版社)
このように、妊娠中の食中毒や感染症について大きく警告してありました。
つわりの時期は特に注意!
そして、つわりが起こる妊娠初期の食中毒はさらに怖いことを教えられました。
妊娠初期は流産が最も起こりやすい時期です。
全体の妊娠10~15%がつわりのひどい妊娠初期に起こります。
この時期の流産は、ほとんどが受精卵の染色体異常によるものです。
ですが、初期に食中毒を起こし、母体の体調がすぐれなければ、流産した場合に自分を責めてしまうかもしれません。
「大切な時期に食中毒を起こした自分がいけないんだ…。」
と、自分を責める材料になってしまうことも。
また、妊娠15週までは赤ちゃんの大切な臓器ができるころです。
お母さんの血液を通して色んなものが運ばれる時期でもあり、赤ちゃんが最も影響をうけやすい時期だとされています。
この時期は、お母さんが服用した薬や、一種のウイルスや細菌感染が悪影響を与えることがわかっています。
アニサキスによる食中毒の危険!
魚介類は良質なたんぱく質が含まれているため、妊娠中も積極的にとりたい食材ですが、食中毒が怖い食材でもあります。
最近では、「アニキサス」という寄生虫の危険も叫ばれています。
寄生しやすい魚として
・サケ
・サバ
・アジ
・イカ
・タラ
が挙げられます。
加熱が不十分なまま食べると感染する恐れがあります。
感染すると、激しい腹痛や嘔吐、下痢などを引き起こします。
新鮮な魚であっても、やはり生食は危険です。
関連記事:妊婦は白子を食べちゃダメ?妊娠中の白子の栄養素や効果とアニサキスの危険性や影響
それでも、つわり中にお寿司が食べたい!
そんな人は、生ものを避けてお寿司を楽しむようにしてください。
例えば、こんなものがあります。
・シーチキンのマヨネーズあえ軍艦
・鮭のほぐし身の手巻き
・いなり寿司
・五目寿司
・かにかま寿司
生ものでなくても、お寿司の雰囲気は味わえますよね。
わたしも妊娠中は、回転ずしの生ものでないシリーズを楽しみました。
普段は食べないようなサラダ軍艦などを食べてみると、意外に美味しくて新たな発見ができますよ。
意外と知らない!スモークサーモンの危険!
生ものでない食材でお寿司を楽しんでいたのは、つわりの時期。
そのうちに食べたいものを食べたいと強く思うようになっていました。
そこで手を出そうとしたのが下記のものです。
・スモークサーモン
・しめ鯖
・ローストビーフ
これらは生ものなのでしょうか。
食べても安全なのでしょうか。
答えはノーです。
これらは加熱が不十分な食品、加工品です。
生ものと同等の食中毒リスクがあるので十分に注意しましょう。
生もの以外にも気を付けたい食材
上記に挙げたもの以外にも気を付けるべき食材があります。
・ナチュラルチーズ
・生ハム
・パテ
・シーフードサラダ
(『産前産後のヘルスケアシリーズ』社会保険出版社)
ポイントは、未加熱・未殺菌のものに気を付けることです。
燻製・酢漬け等の加工肉は加熱が不十分となっています。
また、未殺菌の乳にも気をつけたいところ。
生乳で作ったソフトクリームやチーズにも注意しましょう。
ナチュラルチーズについては、過去記事『妊婦はナチュラルチーズを食べちゃダメ?影響と安全チーズ5つの栄養素』にて詳しく紹介しています。
生野菜もよく洗ってから食べるようにしてください。
最近の回転すし店ではバラエティに富んだ種類のものが多くあるので、お寿司を食べるときはこれらの点にも気をつけるようにしましょう。
魚を食べるときは?
お寿司を食べるときに生魚は避けることとお伝えしましたが、では、生でなければ魚を食べてもいいのでしょうか。
実は加熱をしていても食べる量に気をつけたい魚があります。
魚は自然界に存在する微量の水銀をとりこんでおり、普通の大人が食べる分には問題ないのですが、お腹に赤ちゃんがいる場合は悪影響を及ぼしてしまうのです。
魚全般が危険なのではなく、食物連鎖の頂点にいるマグロや、クジラなどは週に何度も食べるのはやめましょう。
水銀を多く含む魚は、
・キンメダイ
・メカジキ
・クロマグロ
・メバチマグロ
・マッコウクジラ
・キダイ
・ミナミマグロ
・ユメカサゴ
などです。
一方、特に注意が必要のない魚は、
・キハダ
・メジマグロ
・サケ
・アジ
・サバ
などです。
マグロは種類によっては食べられるものもあるので、どうしても食べたい場合は加熱できる調理法で食べると良いですね。
赤ちゃんのためにちょっと我慢!
つわりの時期だけでなく、妊娠中は生ものを食べないのがベターです。
中には、「わたしお寿司食べまくってたけど、健康な赤ちゃんを産んだよ。」という先輩ママもいるでしょう。
勿論、そういった方々がほとんどだと思います。
しかし、生食が危険であることを知った上で、万が一食中毒を起こし、赤ちゃんに影響があった場合は、自分以外だれが責任をとってくれるのでしょうか。
『避けられるリスクは避ける。』
これが鉄則だと思います。
わたしは、妊娠中は大好きなお寿司を我慢しました。
そのお蔭か、出産後に好きなものを食べられる喜びも強く、食材選びの意識も上がりました。
つわりだけでなく、妊娠中は我慢することが多いですが、赤ちゃんと自分の健康のために前向きに乗り切りましょう。
まとめ
今回は、つわりと妊娠中のお寿司について解説してきました。
伝えたかったのは、次の4つです。
・つわりは、好きな食べ物で乗り切ること。
・でも、つわり時期の生ものは特に注意が必要なこと。
・お寿司は、アニキサスの危険もはらんでいること。
・生もの以外にも未殺菌、未加熱の食材が危険なこと。
我慢すれば、その後の喜びは大きいものです。
赤ちゃんをその手に抱くまでの辛抱です。
生食の危険性や食中毒については、生まれた後も大切な知識です。
この記事が、つわりに悩み、お寿司を食べてよいのか悩んでいる妊婦さんのお役に立てば嬉しいです。