生姜には独特の風味と辛さがあり、薬味や紅茶、飴にお菓子の食べ物に用いられたり、漢方などの薬にも利用されています。
昔から身体を温めて免疫力をあげる作用があるので、生姜が風邪予防に効果的というのは誰もがご存知のことでしょう。
では冷えが大敵と言われる妊婦さんは、生姜を食べて身体を温めても大丈夫なのでしょうか?
今回は、妊娠中の生姜について調べてみました。
ポイントは下記の5つです。
・そもそも生姜ってどんな食べ物?
・つわりに生姜がお勧めな理由とは…
・注意点1:妊娠中に食べても良い生姜の種類とは
・注意点2:どのくらいの量なら食べてもいいの?
・妊娠中にオススメの生姜の取り方
身体を温めるだけでなく美容にも効果的なので、非妊娠時に日頃から積極的に取っていた方も多いでしょう。
生姜は生や酢漬け、砂糖漬け、ドライジンジャーなど様々な食べ方がありますが、妊娠中にはどうやって食べるのが一番良いのでしょうか。
気をつけることはあるのでしょうか…
目次
そもそも生姜ってどんな食べ物?
ポカポカと身体を温めてくれたり風邪予防にも効果的な生姜は、実は妊娠中の強い味方となってくれる根菜です。
もちろん、妊娠中に食べても良い食材のひとつです。
普段は薬味や、魚や肉の臭い消し・殺菌効果として食卓に用いられていますが、生姜ってそもそもどんな食べ物なのでしょうか。
妊娠中に口にするものは、お腹の赤ちゃん成長にも影響する物なのでちょっと気になりますよね。
安心して食べられるよう、生姜について調べてみました。
漢方にも用いられている生姜
生姜は、はるか昔から薬効がある食材とされてきました。
漢方にも多く使用されていて、風邪薬や吐き気どめ、鎮痛薬などに含まれています。
はるか昔、イギリスでペストが流行った時に多くの人が亡くなったのですが、生姜を食べていた人は助かったそうです。
事態を重くみた当時の国王は、「ジンジャーブレッド」を作ろうと命じ、現在のように「ジンジャーブレッド」や「ジンジャークッキー」が広まったとされています。
今でも殺菌効果として使用されている生姜のパワーは昔から発揮されていたんですね。
「生」と「加熱」では効果が異なる!?
実は、生姜は生で食べるのと加熱した場合では、効果が異なるのをご存知でしょうか。
生で食べると、吐き気を抑えたり免疫力をアップさせる効果があります。
また、加熱をすると身体を温めてくれるので、冷え性を改善する働きがあるのです。
生姜に含まれる成分が熱を加えると変化するため、調理法によって効果が異なります。
妊娠中も、自身の症状に合わせて生姜を上手に取り入れてみると良いですね。
つわりに生姜がおすすめな理由とは…
生の生姜は、吐き気止め作用があるため妊娠中のつわりに効果的です。
「ジンゲロール」という辛味成分には、吐き気や免疫力をアップさせてくれる働きがあります。
妊娠初期特有の症状であるつわりは、妊婦さんにとって辛い症状のひとつですよね。
しかし、お腹の赤ちゃんが成長するある一定の期間までは続くとされているため、上手に付き合っていかなければなりません。
少しでも煩わしい症状から解放されるためにも、生姜の力を借りてみてはいかがでしょうか。
また、「ジンゲンロール」には、免疫力を上げる効果もあります。
妊娠中は、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるため自分の判断で薬を飲むことはできません。風邪を引いたからといって、いつもの薬を飲むことも簡単にはできないのです。
そうなる前に、風邪予防としてジンゲンロールを摂って免疫力を高めましょう。
関連記事:妊婦は免疫力が低下しやすい?低下の原因と妊娠中に免疫力を高める3つの方法
ジンゲンロールを摂るためにはどう食べたらいいの?
生の生姜に多く含まれる「ジンゲンロール」ですが、正直「なま」のままでは食べるのに抵抗がありますよね。
そこでオススメの食べ方を紹介します。
生の生姜をそのまま食べることに抵抗のない人は、すりおろして食べれば問題は無いですが、なかなか食べづらいですよね。
また、つわりの酷い時には余計に辛くなってしまうでしょう。
生姜だけを食べるのではなく、他の食べ物と合わせてみるのはいかがでしょうか?
【生の生姜と一緒に食べるオススメの食材】
- 豆腐
- ヨーグルト
- スープ
- うどん
- スムージー
- 炭酸水
スライスした生姜をお湯に入れ、はちみつやお砂糖を入れて飲む「生姜湯」も飲みやすいのでオススメですよ。
注意点1:妊娠中に食べても良い生姜の種類
妊娠中に生姜を食べても大丈夫なのですが、気をつけなければならないことが2点あります。
1つ目は、生姜の種類です。
生姜には、「生」と、蒸して「乾燥」させた生姜があります。
特に注意しなければならないのは、蒸して「乾燥」させた生姜です。
生姜を乾燥させる前に、蒸して加熱を施すとジンゲンロールの一部分が「ショウガオール」という成分に変化します。
「ショウガオール」は、身体を温めてくれる効果があるため冷えが大敵の妊婦さんに効果的です。
蒸して栄養価を高めた後に「乾燥」させることによって栄養が凝縮され、生のものよりも栄養価がアップするのです。
栄養が豊富ならば、一見乾燥した生姜の方が良いのではないかと思われがちですよね。
しかし残念ながら、乾燥生姜を食べ過ぎるとお腹を下す可能性が高くなります。
お腹の赤ちゃんの健康を損なうことは無いのですが、ママのお腹の調子が悪くなっても無闇に薬を飲むことはできません。
冷えを解消させるために乾燥生姜を食べ過ぎてお腹を下してしまっては、本末転倒ですよね。
注意点2:どのくらいの量なら食べてもいいのか
日本の場合、妊娠中の生(なま)の生姜の摂取量に特に制限はありません。
通常の食事で摂取すれば問題はないとされていますが、先にも紹介したように乾燥した生姜は腹痛の原因となるため、大量に摂らないようにしましょう。
とはいえ、具体的な量は定められていません。
一袋を一日で全て食べたり、毎食乾燥生姜というのは問題です。
口直し程度に食べるのが良いでしょう。
妊娠中にオススメの生姜の取り方
では、妊娠中にはどのように生姜を食べたら良いのでしょうか。
「生」だと免疫力を上げてくれたり、つわりに効果が期待できます。「加熱する」と身体を温めてくれる作用があります。
それぞれの効能を生かしたオススメの取り方を紹介しますね。
「生の生姜」は、摩り下ろして他の食材と食べ合わせると辛みが抑えられて食べやすくなります。
つわり中は、お豆腐やヨーグルトと合わせると口の中がサッパリとするのでオススメですよ。
「加熱した生姜」は、ジンジャーシロップがオススメです!
作り方を紹介します。
自家製ジンジャーシロップの作り方
【材料】
- 生姜1パック
- きび砂糖 500g
- レモン汁 大さじ3
【作り方】
- 生姜をよく洗い、水気を切りスライス状にカットします。皮はそのまま使うので取り除かないで下さい。
- スライスした生姜にきび砂糖を入れ30分置いておきます。
- 水分が出てきたら水分ごとお鍋へ移し、中火にかけます。フツフツしてきたら弱火で40分ほど煮込みます。アクが出てくるので取り除いて下さい。
- 火を消してレモン汁を入れ全体に絡めます。
- 殺菌瓶に入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で保管します。
生姜を取り除いて乾燥させたり、そのまま一緒に食べても良いでしょう。
炭酸水やお湯で割ると飲みやすいですよ。
また、スパイシーさが欲しかったらシナモンを一緒に入れて煮込むのもオススメです。
関連記事:妊娠中にシナモンを食べても大丈夫?妊婦のシナモンの危険性と2つの注意点
まとめ
生姜は爽やかで独特な風味と辛さがあるため、口の中が気持ち悪くなってしまうつわり期間中にはオススメです。
もちろん、妊娠中に食べても問題はありません。
しかし、乾燥した生姜は、栄養価が凝縮されているため腹痛や下痢の原因にも。
食べ過ぎには注意し、口直し程度に留めて置いてくださいね。
また、生姜は多くの漢方にも使用されています。
「生姜だし、漢方だから大丈夫!」と決めつけて自己判断で飲んでしまうと、体調不良を引き起こす場合があります。
たとえ、漢方であっても妊娠中は主治医に指示を仰いだり相談をすることが大切です。
お腹の赤ちゃんとママの健康をしっかりと考え、適切に正しく生姜を摂取して下さいね。