目次
「州」という漢字について
字画数:6画
音読み:しゅ、しゅう
訓読み:す
名乗りの場合には、「くに」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うことができますよ。
川の流れに囲まれた土地である「なかす」をかたどった漢字
「州」という漢字は「川」という漢字の間に点々が付けられた文字です。
皆さんの中には「この点々は一体何なのだろう?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
実は、この点々は、川の流れに囲まれた土地である「なかす」を表しているのです。
このことから、「州」という漢字は「なかす」という意味を持つ漢字となりました。
昔は飛行機やヘリコプターなどの乗り物は無かったのに、上空から見たように「なかす」の様子を描いているのは不思議ですよね。
もしかしたら、中国には高い山がたくさんあるので、山の上から見た「なかす」を描いたのかもしれませんね。
川の流れに負けない強さをわが子に
皆さんは中州のでき方をご存知でしょうか?
中学時代に理科の授業で勉強したことをなんとなく覚えているという人もいるでしょう。
実は、中州ができる要因はいくつかあります。
住宅地にある川はまっすぐに整備されていることが多いためにイメージしにくい人もいるかもしれませんが、川というものは基本的に曲がりくねっています。
その曲がりくねっている部分の水の流れは外側が速く、内側が緩やかになっているものです。
そのため、流れが速い外側では土砂が削られ、逆に流れが緩やかな内側には土砂が積もっていきます。
おそらくここまでは理科の実験でもよく取り上げられるということで覚えている人もいるでしょう。
しかし、問題はここからです。
ただ外側の土砂が削られ、内側に土砂が積もっていくだけでは中州はできません。
外側の土砂が削りに削られ、内側に土砂が積もりに積もっていくと、川が描くカーブがだんだん急に。
そんなときに川の上流に大雨が降ると、流れに乗って更に勢いが増した水は急カーブを曲がりきることができずに新しい道を作って流れ始めます。
こうして川が二股に分かれる部分ができ、「なかす」が形成されるのです。
「なかす」ができるまで気が遠くなるような時間がかかることはお分かりいただけたでしょう。
もう1つ、「なかす」ができるまでの過程として考えられているものがあります。
それは、川の上流から押し流されてきた大きな岩が川の真ん中に留まり、その岩の下流側に土砂が堆積して「なかす」ができるというものです。
1つの大きな岩の踏ん張りがあったからこそ「なかす」ができたというこの説は、なかなかドラマチックではありませんか?
普段川遊びの場として親しまれる「なかす」は、長い長い時間を経て形成されたものであり、流れに負けなかった岩があったからだと考えると、「州」という字を見る目が変わりますよね。
皆さんも「州」という字が持つ「悠久の時」や「岩の力強さ」といったイメージを大切にして、素敵な名前を考えてあげてみてはいかがでしょうか。
国を超えたワールドワイドな人物になることを願って
「なかす」といえば川遊びにもってこいの場所というイメージですが、更に長い時を経て大きくなった中州には村や町、時には国が形成されることもあります。
このことから、「州」という字は「行政区画」を表す漢字として使われるようにもなりました。
よく知られる使われ方としては、オハイオ州やカリフォルニア州、マサチューセッツ州といったアメリカ合衆国の行政区分でしょう。
このように、「州」という漢字は現代では国に次ぐ行政区分というイメージが強いですよね。
しかし、ヨーロッパ州やオセアニア州のように、国を超えた地域を表す際にも「州」という漢字は使われます。
このことから、「ワールドワイドな人になってほしい」という願いを込めて「州」という字を名付けてあげるのも素敵ですね。
「州」を使った熟語
州邦…国、州。
中州…世界の中央にある国。もしくは、土砂などが堆積して川の中にできる島状の場所。
趙州先鉢…仏道修行における大切なことは、普段の生活のように無駄なことはせず、日々勤めに励むべきだということ。
「州」を使った芸能人、有名人の名前
勝俣 州和さん
「州」という字を人に説明するときは?
基本的に「九州の『しゅう』」という説明で通じます。
しかし、それでも伝わるかが不安であるという場合には、「欧州の『しゅう』」「中州の『す』」という説明の仕方を覚えておけば間違いないでしょう。
「州」を使った名づけ候補
州(しゅう)
秋州(あきくに)
海州(かいしゅう)
勝州(かつくに)
清州(きよくに)
州和(くにかず)
州典(くにのり)
黒州(くろす)
沙州(さしゅう)
州一(しゅういち)
州吾(しゅうご)
州治(しゅうじ)
州生(しゅうせい)
州人(しゅうと)
大州(だいす)
まとめ
「なかす」を意味する「州」は、「なかす」が形成されるまでの長い長い時間や1つの岩の踏ん張りを感じさせる趣のある漢字です。
また、国を超えた地域を感じさせることから、世界に羽ばたく人になってほしいという願いを込めるのにもピッタリな漢字であると言えるでしょう。
皆さんも「州」という漢字を使ってわが子に似合う素敵な名前を考えてあげてくださいね。