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「朱」という漢字について
字画数:六画
音読み:しゅ
訓読み:す
「朱」の意味や由来や成り立ちと特徴
「朱」は、木の真ん中に横線を一本入れた絵から生まれた漢字です。
木を切ることを表していることから、色そのものを指すというよりは切ったばかりの木の切り口の「鮮やかさ」の意味合いが強いとされています。
「朱」は派手過ぎず、目に鮮やかでありながらも落ち着きがあるため、古代より神聖な色とされてきました。
神社の鳥居などの着色に用いられているのはこのためです。
見た目的には「赤」の方が色としては断然強いイメージがありますが、「赤」の赤さは血を連想させるため避けられてきたのでしょう。
実際に血のことであってもそのまま用いては不吉になるので「朱」と言い換えたこともありました。
「朱に染まる」がそれにあたります。
合戦のさなかに敵を討ち、返り血を浴びた時にはそのように表現しました。
これには敵を討ち果たしたというめでたさも含まれていたのかもしれません。
或いは、次は自分が討たれないようにとゲンを担いだのかもしれませんね。
他には、子供の書道の練習で文字を直す時にも朱墨を、契約書や公文書などの大切な書類の押印にも朱肉を用います。
神聖な色であると同時に、私達の生活の中でも「朱」は特別な色とされてきました。
それは、これから先も変わることはないのでしょう。
「朱」は「あか」以外の意味は持ちません。けれども、様々な使い方をされてきました。
先程も書いたように「朱に染まる」、書道の文字を直す時には「朱を入れる」と言います。
そして、ことわざの中にもあります。「朱に交われば赤くなる」です。
これは「人は環境や関わる人物によって大きな影響を受けてしまう」という意味です。
だから、よい環境に身を置いてよい人物と付き合いなさいということです。
これは親が子供に教えることわざだと思われるでしょうが、実は大人にこそ必要だということを多くの人は知りません。
大人は知恵があるから悪い人とわかれば付き合わない、しかし子供はまだ善悪の判断ができないから楽しければ悪い方にも簡単に流されてしまうと思われがちですが、子供の付き合いは淡白なものです。
虫の好かない奴だとわかれば簡単に離れます。
けれども、離れられないのは大人の付き合いなのです。
会社の上司や同僚との付き合い、または取引先との付き合い。利害が絡んでいるから嫌な人だとわかっていても離れられないのです。
「いや、そんなことはわかっている。
だからそういう嫌な奴とは距離をあけて付き合っている」と言うでしょう。
ですが、それができないことを表しているのがこのことわざなのです。
うまく距離をとっているつもりでも、気がつけば自分が嫌だと思っている人と同じ行動をしていた・・・。
他人に指摘されて初めて気づくのです。
他人と距離をあけて付き合うことは簡単なことではありません。
よほど自分を厳しく律しなければなりません。
ですから、この「朱に交われば赤くなる」を座右に銘にしている人は多いのです。
「朱」を使った熟語
皆朱
意味: 朱を含ませて赤く塗った漆塗りの器。
朱文
意味: 字の周りを彫って、字をそのまま残す印の彫り方。
丹朱
意味: 赤色の鉱物からなる赤い色。
朱書
意味:赤色で文字を書くこと。
朱印状
意味: 朱印が押された公文書。
朱文金
意味: 金魚の品種、出目金とフナを交配させたもの。
朱印地
意味: 朱印状によって所領が認められた寺社。
二朱判金
意味:天保二朱金のこと。
実際は金より銀の含有量が多いことから天保二朱銀と呼ばれる。
朱子学派
意味:中国南宋の朱子に代表される人々の学説。
「朱」の説明の仕方
電話や役所の受付などで名前を伝える際、どういう漢字を書くのか聞かれる時があります。
その場合、どのように説明すればよいのか悩みますよね。
ここではその例を紹介したいと思います。
例えば、あなたの名前が朱美(あけみ)だとします。
・「あけみのあけは、朱肉の朱です」
これは簡単ですね。
「朱」はいろんな言葉に使われています。
自分が説明しやすいように例をいくつか考えておくとよいですね。
「朱」を使った名前の有名人・芸能人
山口 朱美さん(女優、声優)
津村 朱美さん(女優、演技コーチ、インプロラーニングコーチ)
神 朱音さん(女優、タレント)
利根川 朱里さん(女優)
宮沢 朱明さん(明治から大正期の俳人)
坂本 朱拙さん(江戸時代中期の俳人)
鈴木 朱雀さん(明治から昭和期の日本画家、挿絵画家)
須田 朱八郎さん(大正から昭和期の医師)
野見山 朱鳥さん(昭和期の俳人)
マッハ文朱さん(女優、タレント、歌手)
「朱」を使った名付け候補
朱美礼(すみれ)
奈都朱(なつみ)
朱里奈(じゅりな)
朱音(あかね)
紗朱(さあや)
朱莉(あかり)
朱澄(あすみ)
朱美子(みみこ)
都朱胡(とみこ)
朱穂(みほ)
彩朱(あやみ)
朱里(みさと)
朱子(あやこ)
此ノ朱(このみ)
朱紗子(みさこ)
埜乃朱(ののみ)
朱葉(あやは)
朱弥(あや)
朱奈(あかな)
守朱(まみ)
稀朱恵(きみえ)
塑乃朱(そのみ)
朱鈴子(すずこ)
朱玖(みく)
朱季(みき)
まとめ
「朱」は、赤い色を表していることから、一字入れるだけで華やかな名前になります。
それでいて派手さなく、落ち着いた気品のある美しさです。
可愛いというよりは、知的な大人っぽさを感じさせます。
また、「朱」は神聖な色とされていますので、名前が護符の代わりとなります。
何事もなく幸せで健やかな成長を願って。