調理がしやすく味もよいので、たくさんの料理やお菓子、パンなどに含まれている卵。
たんぱく質やアミノ酸のバランスがとても良く、重要な栄養素のほとんどが含まれている優秀な食品です。
しかし、アレルゲンになりやすいとされる特定原材料7品目に含まれており、お母さんも初めて赤ちゃんに卵を食べさせるときには他の食べ物に比べると、特に慎重になります。
特定原材料とは、アレルギーになる患者の数が多く、また、アナフィラキシーショックなど、重篤な症状になってしまうケースがあるため、食品衛生法で表示義務が定められています。
アレルギーの発症が心配で、卵を赤ちゃんに食べさせることを遅らせるご家庭も多いようですが、栄養面や使いやすさを考えると、少しもったいない気もしますね。
実際に、赤ちゃんに卵を食べさせるときには、何に気を付けていけばいいのか色々な疑問が出てきます。
「赤ちゃんはいつから卵を食べてもいいの?」
「卵を食べさせるときに気を付けることはある?」
「卵を使ったおすすめの離乳食レシピが知りたい!」
卵は、他の食品に比べても注意すべきことや調理でも気を付けるべきことなどがたくさんあります。
何も知らないまま赤ちゃんに卵を食べさせてしまい、何か起きたときに本当に怖い思いをする可能性もあるので、食べさせる前に、詳しく知っておく必要があります。
今回は、赤ちゃんと卵について次の内容でご説明していきますね。
・赤ちゃんが卵を食べられる時期
・卵を食べさせるときの6つの注意点
・モグモグ期のおすすめレシピ
・カミカミ期のおすすめレシピ
・パクパク期のおすすめレシピ
・卵アレルギーの赤ちゃん向けのレシピ
離乳食の進め方で困っているお母さんや、アレルギーが心配でなかなか赤ちゃんに卵を食べさせられないお母さん、卵を使った離乳食レシピがマンネリ化しているお母さんたちの参考になれば嬉しいです。
目次
赤ちゃんは卵をいつから食べても大丈夫なの?
離乳食期の卵は、食中毒の予防のため、基本的に加熱したものを食べさせることが前提とされています。
生卵を食べられるのは、いつからという決まった年齢はないのですが、早い家庭では3歳から、遅い家庭では10歳頃からと、幅広いので、子どもの様子や卵の新鮮さなどを考慮した上で決めるとよいですね。
さて、本題にもどり、赤ちゃんは卵をいつから食べることができるのでしょうか?
実は卵は、黄身と卵白では食べさせて良いという時期が違います。
固ゆでされた卵黄は、離乳食中期のモグモグ期から、卵白は、離乳食後期のカミカミ期から食べさせると良いとされています。
時期が違う理由としては、卵白よりも卵黄のほうが、比較的アレルギーの症状が出にくいからです。
生卵の状態から、卵黄と卵白を分けて調理してしまうと、卵黄にごく少量の卵白がついてしまうことがあるので、できるだけ、まずは茹で卵にしてから、黄身と卵白を分けるようにしましょう。
離乳食におすすめのレシピや調理法もたくさんあるので、後ほどご紹介していきます。
赤ちゃんに卵を食べさせるときに気を付けてほしい6つのこと
しっかりと加熱すること
赤ちゃんや離乳食期、できれば幼児食期までは、卵を食べさせるときには加熱するようにしましょう。
その理由としては、食中毒の予防と、アレルギーの発症を抑えるためです。
食中毒の原因となるサルモネラ菌などが混在していることがあるので、中までしっかりと火を通す必要があります。
また、卵のアレルゲンとなるオボムコイドは、加熱することで約90%は無活性化させることができます。
しかし、完全になくなるわけではないので、加熱したからといっても注意は必要ですね。
また、マヨネーズには生卵が使用されているものが多いので、成分表を確認するようにしてください。
マヨネーズを使った離乳食を作るときには、加熱することを忘れないようにしましょう。
アレルギーの心配
卵はアレルゲンになりやすい特定原材料の食品です。
卵アレルギーの赤ちゃんも多く、症状のレベルは軽いものから重いものまであります。
症状としては、蕁麻疹、口の周りの赤みやかゆみ・腫れ、ゼイゼイという呼吸などの呼吸器の異常、腹痛や嘔吐、下痢、ひどい場合は呼吸困難にも繋がります。
どうしても、卵アレルギーが心配である場合は、かかりつけの医者と相談の上、食物経口負荷試験やアレルギーの検査を受けるなどしてから食べさせていくとよいですね。
卵アレルギーは、卵を食べた後15分くらいで症状が出ることが多いのですが、中には半日後や翌日に症状が現れる場合もあります。
赤ちゃんに初めて卵を食べさせるときには、午前中に一口(スプーンの半分くらいから)を、食べさせて、1日程、赤ちゃんの様子をよく見ておくようにしてください。
できれば、病院が空いている平日が良いでしょう。
赤ちゃんの体や様子がいつもと違うようであれば、症状が悪化する前に、早めに相談するようにしてください。
赤ちゃんには多い卵アレルギーですが、成長とともに消化機能や免疫機能がしっかりとしてくるので、小学校に入るくらいになると、アレルギーを改善して、症状が出なくなることもあります。
赤ちゃんの時にアレルギーが出たからと言って、一生そのままではないことも考えられるので、離乳食など気を付けながら様子をみていくようにしましょう。
卵アレルギーの症状が強い赤ちゃんの中には、お母さんが卵を食べた後に飲んだ母乳で、アレルギーの症状がでる赤ちゃんもいるようです。
授乳期にも注意が必要ですね。
市販のおやつやお惣菜、外食時などに注意すること
卵は、多くの料理やお菓子、パンや調味料などに使われているので、卵アレルギーがある赤ちゃんや、まだ赤ちゃんに卵を食べさせたことがないのであれば注意が必要です。
卵は特定原材料のひとつなので、基本的には外袋などに表示の義務があります。
市販のものを購入するときには、表示をしっかりと確認するようにしましょう。
しかし、時にはファストフードなどの外食や親せきなどの家でごちそうになるときなど、卵が使われているかどうか、目で見ても分からないものもあります。
外食時などは、事前に卵アレルギーがあることを相手方に伝えておいた方が安心ですね。
予防接種は注意が必要
あまり知られていませんが、予防接種の際の問診で「卵アレルギーの有無」を問われることがあります。
インフルエンザワクチンや麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチンには、実は鶏卵が使用されています。
もちろん、とても微量に含まれているので、卵アレルギーがある人でも、問題なく摂取できることが多いようです。
しかし、念のため、1日程は予防接種を受けた赤ちゃんや子どもたちの様子をみておく必要はあります。
病院によっては、皮内テストをしてから、予防接種をすることもあるので、もし卵アレルギーが心配であれば、先に医師に相談しておくとよいでしょう。
また、場合によっては予防接種を行えないこともあるので、覚えておきましょう。
卵アレルギーが出た赤ちゃんへの対応は?
初めて卵アレルギーが出た赤ちゃんは、早めにかかりつけ医に連れていき、相談するようにしてください。
しかし、その後も、卵アレルギーによる症状が出る可能性もあり、お母さんも怖い思いをして、毎日気を張り詰めなければならないので大変です。
アナフィラキシーショックなどが起きた場合はどう対応すればよいのでしょうか。
そんなときのために、「エピペン」というアドレナリン自己注射があります。
保険も適用され、病院にて処方されます。
赤ちゃんだけでなく、卵アレルギーの子どもたちは、ランドセルなどに入れていつも持ち歩くようにしていることが多いようです。
これは、アナフィラキシーショックを緩和する薬で、アレルギーの治療のためではありませんが、万が一に備えて、赤ちゃんが卵を食べてアレルギー反応があったときには、常備しておくと安心ですね。
毎日、卵を食べさせないようにする
離乳食期の赤ちゃんは、毎日同じ食べ物を食べ続けることで、まれに、その食品に対してアレルギー反応を起こしてしまうこともあります。
卵に多く含まれているたんぱく質は、豆腐や納豆、肉類、魚類からも摂ることができるので、バランスよく食べさせるように心がけるようにしましょう。
初めて赤ちゃんに卵を食べさせるときには、1日目に一口だけの黄身を食べさせて、2,3日あけてから、赤ちゃんの様子をみて、また食べさせてみるとよいですね。
中には、卵が嫌いで食べない赤ちゃんもいます。
その時には形や見た目、味付けなどを変えて、また離乳食のメニューに加えてあげてください。
色々なレシピがあるので、月齢別にご紹介していきます♪
モグモグ期(生後7~8ヶ月頃)のおすすめレシピ
さつまいもと卵のおやき
<材料>
・5~7倍粥 40g
・さつまいも 15g
・卵黄 2分の1個
・バター 少々
・片栗粉 小さじ2分の1
<作り方>
1.さつまいもは皮をむき、小さめにきってやわらかくなるまでゆで、すりつぶしておきます。
2.お粥とさつまいも、卵黄、片栗粉をよく混ぜ合わせます。
3.バターをひいたフライパンに、2の生地をスプーンで落としていきます。
4.両面に軽く焼き目がついたら出来上がりです。
やわらかフレンチトースト
<材料>
・食パン 2分の1枚
・卵黄 2分の1個分
・ミルク 大さじ2
・粉チーズ 小さじ2分の1
<作り方>
1.卵黄と調乳したミルク、粉チーズを混ぜ合わせます。
2.食パンの耳は取り除き、1㎝ほどの角切りにします。
3.1の液に、パンを浸して、30分ほど冷蔵庫で休めます。
4.薄くバターをひいたフライパンで焼いたラ出来上がりです。
豆腐とささみの卵炒め
<材料>
・鶏ささみ 15g
・豆腐(絹がおすすめ) 45g
・卵黄 2分の1個
・しょうゆ 2滴
・青のり 少量
<作り方>
1.鶏ささみは湯通しして、フォークなどを使って小さくほぐしておきます。
2.フライパンに、卵黄とささみ、豆腐をいれて、細かく潰しながら混ぜて炒めます。
3.卵にしっかり火が通ったら、醤油を垂らして青のりをふり、よく混ぜたら完成です。
卵デビューにはこれ!卵黄がゆ
<材料>
・ご飯 子ども茶碗半分
・だし汁 200ml
・茹で卵の卵黄 1個分
・醤油 小さじ3分の1
<作り方>
1.だし汁とご飯を鍋に入れて、ご飯がやわらかくなるまで煮ます。
2.卵は茹で卵にしてから、卵黄部分を取り出します。
3.1に卵黄を崩しながらいれて、よく混ぜ合わせます。
4.醤油で味を整えたら完成です。
カミカミ期(生後9~11ヶ月頃)のおすすめレシピ
卵入りミルク粥
<材料>
・ご飯 大さじ2
・卵 1個
・フォローアップミルク 100cc
<作り方>
1.鍋に100mlの水をいれて沸騰し、フォローアップミルクの粉末を入れて混ぜます。
2.よくかき混ぜたら、ご飯を投入し、さらにひと煮立ちさせましょう。
3.少しご飯がやわらかくなってきたところで、溶き卵を加えて、良く混ぜます。
4.卵にしっかりと火が通ったら出来上がりです。
簡単にできる茶碗蒸し
<材料>
・卵 2分の1個
・だし汁 60㏄
・食塩 少々
<作り方>
1.卵を溶きほぐして、茶こしなどをつかって裏ごしします。
2.だし汁を1に加えて伸ばしていき、塩を少々いれます。
3.カップなどの耐熱容器に入れて、電子レンジ200wで10分加熱します。
4.粗熱がとれたら出来上がりです。
さつまいもの蒸しパン
<材料>
・さつまいも 30g
・プレーンヨーグルト 小さじ3
・ホットケーキミックス 50g
・粉ミルクを溶いたもの 50ml
・卵黄 1個分
<作り方>
1.さつまいもの皮をむいて、小さくきり、やわらかくなるまで茹でます。
2.ボウルに、すべての材料をいれて、よく混ぜ合わせます。
3.シリコンカップや耐熱容器に生地を流し込み、200wの電子レンジで3分加熱します。
4.500wに切り替え、さらに1分加熱します。
5.爪楊枝などでさして、中まで火が通っていたら出来上がりです。
卵ボーロ
<材料>
・卵黄 1個分
・砂糖 10g
・粉ミルク 8g
・片栗粉 60g
<作り方>
1.卵黄に砂糖をいれて、よく混ぜ合わせます。
2.1に粉ミルクも混ぜて、さらによく混ぜ合わせます。
3.2に片栗粉を入れて混ぜ合わせたらひとまとめにします。
4.棒状に伸ばして、包丁でカットし、丸めてシートをしいた天板に乗せていきます。
5.180度に予熱したオーブンで10分焼いたら出来上がりです。
パクパク期(1歳~1歳半頃)のおすすめレシピ
炒り卵
<材料>
・卵黄 1個分(アレルギーのない赤ちゃんには卵白もOK)
・豆腐 40g
・粉末だし 少々
・牛乳 小さじ1
・にんじんや玉ねぎなど冷蔵庫にある野菜 適量
・サラダ油 少々
<作り方>
1.ボウルに卵黄のみを落とし、豆腐をいれてフォークで潰しながら混ぜます。
2.粉末だしと牛乳を混ぜ合わせておきます。
3.にんじんや玉ねぎなどの野菜をみじん切りにします。
4.サラダ油をひいたフライパンで、野菜を炒め、玉ねぎが透き通ってきたら、1と2も入れます。
5.全体に火が通ったら出来上がりです。
おやつに♪簡単手作りプリン
<材料>
・卵の黄身 1個分
・調乳した粉ミルク 50ml
<作り方>
1.粉ミルクを分量通りに調乳しましょう。
2.1に卵黄を加えて、優しく綺麗なプリン色になるまで混ぜていきます。
3.耐熱容器に入れて、アルミホイルで蓋をしましょう。
4.鍋に容器の3分の2が浸かるくらい水をいれて、沸騰させ、弱火にしてから容器を入れます。
5.鍋に蓋をして8分ほど茹でたら出来上がりです。
バナナパンプディング
<材料>
・食パン 2分の1個
・卵黄 2分の1個分
・粉ミルク 小さじ2
・水 大さじ1
・バナナ 3分の1本
・バナナスライス 4枚
<作り方>
1.耐熱容器に耳を取り除いた食パンを小さくちぎっていれます。
2.潰したバナナと卵黄、粉ミルク、水をよく混ぜ合わせます。
3.耐熱容器のパンの上に流し込みます。
4.最後にスライスしたバナナを上にのせて、オーブントースターで15分ほど焼いたら出来上がりです。
野菜入りオムレツ
<材料>
・にんじん 10g
・玉ねぎ 10g
・ほうれん草 5g
・卵 2分の1個
<作り方>
1.にんじんと玉ねぎはみじん切りにして、ほうれん草はゆでてから細かく切ります。
2.にんじんと玉ねぎもやわらかくなるまで茹でます。(レンジで加熱しても大丈夫です。)
3.耐熱容器ににんじんと玉ねぎ、ほうれん草、溶き卵をいれて、軽く混ぜ合わせます。
4.ラップはかけずに、電子レンジで500w1分加熱します。
5.卵にしっかりと火が通っていたら出来上がりです。
鉄分補給に!ひじきの卵焼き
<材料>
・卵 1個
・乾燥ひじき 小さじ1
・青のり ひとつまみ
・和風だし 大さじ1
<作り方>
1.ひじきを水でもどしてみじん切りにします。
2.ボウルに卵を割り入れて、ひじきと青のり、だしをいれてよく混ぜ合わせます。
3.熱したフライパンに油を薄くひいて、卵焼きを作りったら出来上がりです。
卵アレルギーがある、またアレルギーが心配な赤ちゃん向けのおすすめレシピ
卵アレルギーがある赤ちゃんでも、卵無しで食べられる料理もたくさん出てきています。
ぜひ参考にしてみてください。
簡単にできる卵無しクッキー
<材料>
・薄力粉 120g
・砂糖 40g
・マーガリン(バター風味が美味しいです) 60g
<作り方>
1.ビニール袋を2重に重ねて、内側に薄力粉と砂糖を入れて口を閉じ、よく振っておきます。
2.1にマーガリンもいれて、袋のまま、よくこねます。
3.粉っぽさがなくなってきたら、袋のまま、袋の大きさいっぱいに麺棒を使って伸ばしていきます。
4.袋をやぶり、生地をだして、好きな形に型抜きします。
5.170度に予熱したオーブンで17分ほど焼いたら完成です。
卵無しパンケーキ
<材料>
・水 大さじ1
・小麦粉 大さじ1.5
・きなこ 大さじ2分の1
・粉ミルク 大さじ2分の1
・ベーキングパウダー 小さじ4分の1
<作り方>
1.ボウルに、小麦粉・きなこ・粉ミルク・ベーキングパウダーをいれて混ぜ合わせます。
2.1に水を加えてさっくりと混ぜます。
3.テフロン加工のフライパンに、スプーンで流し込み焼き色がついたら裏返します。
4.蓋をして2分加熱したら出来上がりです。
まとめ
離乳食時期の卵、特に初めて食べさせるときには、お母さんたちも緊張することが多いようです。
気を張り詰めすぎないことも大切ですが、卵を食べさせた日は、赤ちゃんの様子をみておくと安心ですね。
また、赤ちゃんの時期に、卵アレルギーになってしまったからと言って、
全く改善の余地がないわけではないので、医師や専門家に相談の上、離乳食を進めてください。
卵を使った離乳食レシピもたくさんあるので、試しに作ってみてくださいね♪