生理の前に子宮がチクチク痛むように感じることはありませんか?
妊娠を望んでいる方の場合「妊娠初期症状かも!」と心躍るかもしれません。
しかし生理前に子宮が痛む=妊娠初期症状ではないんです。
そもそも「これが妊娠初期症状!」というものはないんですよね。
この記事では、妊娠初期症状のように感じる生理前の痛みや体の不調、その原因と対処法をまとめました。
・生理前に子宮が痛む原因は、PSM・便秘・子宮の病気・ホルモンバランスの変化
・対処法は体を温める・軽い運動・バランスの良い食事・妊娠検査薬・基礎体温の5つ
少しでも早く妊娠の可能性を知りたい!と思うのはみんな同じ。
でも、子宮のチクチクは意外な症状の予兆かもしれません。
ひとつずつ原因などを見ていきましょう。
目次
生理前に子宮がチクチク痛む代表的な原因
妊娠しているかどうかは、妊娠検査薬を使えば分かります。
しかし、正確な判定はどんなに早くても生理予定日~生理予定日の一週間後。
妊娠を待ち望む方は一日でも早く妊娠を知りたい!と思いますよね。
そこで気になるのが妊娠初期症状というもの。
インターネット上などでは「妊娠前に感じた初期症状」が色々と掲載されています。
しかし、残念ながら「これが妊娠初期症状だ!」という症状はありません。
妊娠していても、していなくても、生理予定日が近くなると体内のホルモンバランスが変わります。
この変化のせいで、頭痛や腹痛、胃腸の不調、胸焼け、食欲不振、強い食欲、倦怠感、イライラ、気分が落ち込むといった症状が出ます。
症状は人によって様々で、どんな症状が出てもおかしくないというのが正直なところ。
妊娠していてお腹の辺りがチクチク痛む人がいれば、生理が近くなってチクチク痛む人もいます。
妊娠を心待ちにしている方は、生理前のちょっとした体の変化に敏感です。
しかし、生理前に子宮が痛む時は次のような可能性があるので注意してくださいね。
PSM
PSM(月経前症候群)という言葉を聞いたことがありますか?
いわゆる「生理前にイライラする」というもので、生理前のホルモンバランスが変わる時期に精神的・肉体的にマイナスに感じる体調変化や体・気持ちの不快感をいいます。
月経が始まると軽くなったり治まるのが特徴で、ストレスを軽減したり、十分な休息を取ることで軽くなることもあれば、薬を飲んで症状を抑えることも。
PSMの症状のひとつに、子宮のあたりがチクチク痛むというものがあります。
生理前になる度に症状が出るようであれば、PSMの可能性が高いです。
産婦人科で相談するといいですよ。
(参考:月経前症候群|日本産科婦人科学会)
便秘
女性に多い悩みのひとつに便秘があります。
この便秘によるお腹の張りや痛みを「子宮の痛み」と思ってしまうことも。
生理前になるとホルモンバランスが崩れ、胃腸の調子が低下したり、強い食欲で暴飲暴食状態になったり、体がむくんで水分コントロールがうまくいかなくなったりします。
その結果、便秘になることも。
軽い運動や食事の内容改善、水分摂取などで便秘が解消されると、子宮の周辺の痛みもなくなることがよくあります。
普段から便通チェックを行い、生理前は特に注意してくださいね。
子宮筋腫や子宮内膜症
特別に注意が必要なのは、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科系の病気です。
これらは不妊や流産の原因にもなるので、妊娠を望んでいる方は要注意!
<子宮筋腫>
子宮筋腫は良性の腫瘍で、一度に子宮内に複数できることが多いもの。
筋腫を切除するのが一般的ですが、子宮を温存する方法の場合は一度の手術で全部の筋腫を取り除けず、数年後に再発することも。
月経の量が非常に多かったり、月経痛が強かったり、月経以外の出血や痛みが特徴。
<子宮内膜症とは>
子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。
(参考・引用元:病気を知ろう:婦人科の病気|日本産科婦人科学会)
どちらも、月経前の体調変化や月経痛が激しかったり、月経の量が非常に多いなどの特徴があります。
子宮がチクチク痛む感じは、妊娠ではなく子宮の異常を知らせるサインかも!
自分の経血の量が人より多いのか。
自分の月経が普通なのか。
なかなか分かりにくいのですが、月経に関する不安や心配、困りごとが多い方は、一度産婦人科でチェックしてもらうといいですよ。
ホルモンバランスが変わっている
生理前は女性ホルモンの量が変わってバランスも崩れる時期。
これは妊娠していても、していなくても同じで、体調を崩しやすい状態に変わりありません。
子宮がチクチク痛む感じも、妊娠したことによるホルモンバランスの変化のケースもあれば、生理前に分泌されるホルモンの影響のことも。
まぎらわしい!と感じるかもしれませんが、生理前はどんな症状でも起こりうる時期。
どんな体調変化も妊娠初期症状と思えばそうですし、生理前の症状であるとも言えるのです。
子宮がチクチク痛む時の5つの対処法
なんとも判然としない生理前の症状にイライラしたり、不快な思いをすることがありますよね。
そんな時は、次の5つの対処法を試してみてください。
体を温める
妊娠していても、していなくても、これは常に気を付けたいこと!
体を温めると全身の血行が良くなり、体の隅々まで酸素や栄養分が行き渡ります。
そのため、筋肉や内臓が機能を存分に発揮できたり、老廃物や疲労物質の代謝が促進されたり、酵素の働きも活発に。
自律神経の働きも改善されるので、全身の不調が緩和されますよ。
体調がよくない時は、温かい物を飲んだり食べたりして体を中から温めると同時に、肌を露出しないようにしたり、服装を工夫して体温が逃げないようにしましょう。
軽い運動で血行を良くし、便秘対策
生理前は倦怠感や精神的な不快感で動きたくない方も多いかも知れません。
しかし、軽いウォーキングやサイクリングなど、ちょっとした運動でOKです。
無理のない範囲で体を動かしてみましょう。
そうすると血行がよくなり、全身の筋肉が動く上に、胃腸も刺激されます。
体のだるさや重さ、便秘の解消に繋がることがありますよ。
バランスのよい食事で栄養補給と便秘予防
若い女性に多いのが、美容目的で食事を制限し、ダイエットをすること。
この制限によってミネラル類やビタミン類、タンパク質などが不足し、欠乏症のような状態に陥っていることがあります。
この場合、食事制限を止めてバランスのよい食事を取ると体の不調が改善されることが!
生理がある女性の場合、ほぼ毎月、大量の鉄分などを経血と共に失っています。
失った分はしっかり食事などで補わなければ体調不良が続くのは当然のこと!
バランスのよい食事は栄養失調を予防するのと同時に、便秘の解消にも繋がります。
どんな食事をすればいいのか分からない方は、農林水産省や厚生労働省が発表している食事バランスガイドを参考にしてみてください。
しっかり食べて、体調不良の原因を減らしましょう。
(参考:食事バランスガイド|農林水産省)
妊娠の心当たりがある場合は、妊娠検査薬を準備しよう
生理前の体調不良が続き、妊娠の心当たりがある方は妊娠検査薬を準備しましょう。
妊娠検査薬は薬局やドラッグストアで簡単に購入できます。
多くの場合、検査薬はスティックタイプ。
先端に尿をかけ、平らな場所に約1分間放置することで妊娠しているか、していないか結果が出ます。
妊娠すると妊娠を維持するための特有のホルモンが分泌されるようになります。
これは、妊娠後、日が経てば経つほど量が増え、尿中に混ざるようになります。
尿の中に含まれているホルモンが一定量以上になると、妊娠検査薬が反応。
妊娠が分かるという仕組みです。
よくフライングで検査をしたり、丸一日経った後の検査薬の判定を見て「陽性になった!」というような方がいます。
しかし、それは信用できない結果!
必ず、説明書通りの使い方で検査をし、判断するようにしてだくさいね。
生理予定日の一週間後から使える妊娠検査薬は、ドラッグストアなどの陳列棚に他の商品と同じように並べられています。
どうしても早く結果を知りたい場合は、薬剤師がいる薬局へ行きましょう。
薬剤師に依頼すると、生理予定日から使える妊娠検査薬が購入できます。
ただし、取り扱っている薬局が少ないので手に入らないこともあります。
ご自身の都合に合わせて購入してみてくださいね。
普段から基礎体温を付ける習慣を
女性の体はホルモンの影響を受けて色々な変化をしています。
その変化のひとつに基礎体温の変化があります。
女性の基礎体温は、高い時期と低い時期が交互にやってきます。
3か月分くらいの基礎体温をグラフにしておくと、周期的な変化が目に見えるようになり、先の変化も予想できるようになりますよ。
「低温期から高温期に変わる時期だから、排卵がありそう」
「そろそろ高温期が終わる時期だから生理が始まりそう」
「生理予定日が過ぎているのに体温が高いままで生理が来ていないから妊娠かも?」
「先月と全然違う基礎体温変化が続いていて、排卵日も予測不能。生理が不順になりそう」
このように、基礎体温の変動から体の状態を推測できます。
もし、生理前で子宮がチクチク痛む場合でも、基礎体温を付けていれば「高温期が続いているので、妊娠の可能性あり」「高温期が終わっているから生理がくる」など、より正確に判断可能!
基礎体温を測定するのは時間が掛かりますし、結果を毎日忘れずメモするのは大変です。
しかし、今は数秒で基礎体温(予測値)が出るものもあれば、アプリで簡単に結果を管理できるものも!
体の状態を把握するためにも基礎体温を付けておくといいですよ。
子宮の痛みに惑わされないで
生理の前はホルモンバランスが変化する時期なので、精神的にも肉体的にも調子が変わってしまうもの。
生理前に子宮がチクチク痛むような感覚は、妊娠に関係なく起こりうることで、妊娠初期症状ではありません。
妊娠を期待している方は、妊娠初期症状を知りたくて敏感になっており、体調変化に一喜一憂しがち。
ですが、胃腸の不調だったり、子宮の病気の可能性もありますので、冷静に判断してくださいね。
子宮の痛みには、体を温めたり、軽い運動をしたり、食事のよいバランスで対応してください。
そして妊娠検査薬を準備し、基礎体温をつける習慣も検討してみてくださいね。