妊娠初期の悪阻を過ぎ安定期に入ると食欲が増す傾向にあります。
お腹の赤ちゃんの分まで栄養をつけなくちゃ!と思って食べすぎてしまうとあっという間に体重が増加してしまいます。
体重をコントロールする必要が出てきますが、今話題の糖質制限を妊娠中に行っても問題ないのでしょうか?
そこで今回は、妊娠中に糖質制限をしても良いのか、お腹の赤ちゃんへの2つの危険性や妊娠中の最適な体重管理法についてご紹介します。
- 妊娠中に糖質制限をしても良いの?
- 糖質制限って何?
- お腹の赤ちゃんへの危険性1:脳の成長への影響
- お腹の赤ちゃんへの危険性2:低出生体重児
- 妊娠中の最適な体重管理法とは…
昔は、お腹の赤ちゃんのためにも沢山食べなさい!と言われていました。
しかし、最近では体重が増加をすると妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクを高めてしまうので食べすぎないようお医者さんから指導されます。
お腹の赤ちゃんと母体の健康のための最適な体重管理とはどのようなものでしょうか。
妊娠中の体重コントロールの参考にしてみて下さいね。
目次
妊娠中に糖質制限をしてもいいの?
結論から言うと妊娠中に糖質制限を行ってはいけません。
もちろん、妊娠中のダイエットはもっての外です。
お腹の赤ちゃんへ質の良い栄養が送れなかったり、必要な栄養素が取れなくなり妊婦さんの身体にも影響を及ぼします。
もし、食べすぎてしまって体重が増加してしまった場合は、カロリーを抑えた食事を取ったり散歩やストレッチを行って代謝を良くするようにしましょう。
糖質制限って何?
そもそも糖質制限とはどういうものなのでしょうか。
そもそも、糖質制限は糖尿病患者の方への体質改善や減量を目的とした食事療法として取り入れられていました。
糖質を抑えるだけで簡単に体重が落とせると話題になり、ダイエットのひとつとして人気となりました。
糖質とは…
三大栄養素のひとつとして知られる「糖質」ですが、糖質はどんなものでしょうか。簡単に言うと炭水化物から食物繊維を除いた物が糖質です。
糖質は、人間に必須な栄養素で活動するためのエネルギー源になります。
糖質が不足すると疲れやすくなったり筋肉が落ちて体調不良になる場合があります。
糖質制限のメカニズム
糖質を摂ると血糖値が上がります。
すい臓からインスリンが分泌され上昇した血糖値を正常に保つようコントロールをしますが一方で、エネルギーとして消費出来なかった血糖を中性脂肪に変えてしまう働きもあります。
インスリンは、糖質を摂れば摂る程分泌量も多くなります。
糖質を制限することでインスリンの分泌量が減り体内の中性脂肪を蓄積するのを防げる効果があります。
ケトン体って何?
人は、体内の糖分が不足すると脂肪を燃焼しエネルギーとして使用します。
肝臓ではケトン体を作り出し人間の多くの組織のエネルギー源となります。
昔は、ケトン体は身体に悪影響を与えるとされていましたが近年では、ブドウ糖に代わる脳のエネルギー源になるとされています。
お腹の赤ちゃんへの危険性1:脳の成長への影響
糖質を抑えてしまうとお腹の赤ちゃんの成長に影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。
糖質はお腹の赤ちゃんの脳の成長に欠かせない栄養素です。
糖質制限をしてしまうと赤ちゃんに糖分が送られなくなるので脳の発達に悪影響を及ぼします。
妊娠中に糖質を摂りすぎると体重が増加して妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクを高まりお腹の赤ちゃんにも影響が出てしまいますし、摂らなすぎると赤ちゃんの脳の発育に影響します。
妊娠中は、糖質を適度に摂取する必要があるのです。
お腹の赤ちゃんへの危険性2:低出生体重児
ママが糖質制限を行うとお腹の赤ちゃんへ良質な栄養が送られなくなり低出生体重児や発育不全のリスクが生じます。
早産で生まれた赤ちゃんは体重が軽く小さいので、体温調節機能が未熟で感染症に掛かりやすかったり様々なトラブルや病気を引き起こしやすくなります。
感染症から守るためにも暫くは保育器に入ったり肺呼吸が上手に出来ない場合は人工呼吸器を装着します。
お腹の赤ちゃんの健康のためにも妊娠中は糖質制限はせずしっかりと食べて栄養を摂るようにしましょう。
妊娠中の最適な体重管理法とは…
妊娠中に体重が増えてしまうと病気のリスクだけでなく、お産が長引き難産になってしまう傾向もあるので臨月までしっかりと体重管理を行うことが必要です。
では、妊娠中に体重が増えてしまった場合はどうすると効果的なのでしょうか。
栄養バランスの良い食事
体重が増えてしまったからと言って食べる事をやめてしまうとお腹の赤ちゃんへ栄養を送れなくなってしまいます。
思う存分に食べることをやめ、量より質を心掛けて栄養バランスの良い食事を取るようにしましょう。
3食をしっかりと取ることは重要ですし、お腹が空いてしまってどうしても食べたい時やおやつには食物繊維やビタミン、鉄の妊娠中に必要な栄養素がタップリ入ったドライフルーツがお勧めです。
又、ジャンクフードや揚げ物のカロリーの高いものは避けるようにしましょう。
散歩
直ぐにできる手軽な運動は散歩です。
安定期に入ったらまず20分から30分位歩くことから始めてみましょう。
歩くことで血行が促進され代謝が良くなります。
散歩途中にお腹が張ったり体調が悪くなってしまったら中止するようにして下さい。
マタニティヨガやマタニティスイミング
安定期に入ったら専門家の指導の元でマタニティヨガやスイミングを始めてみるのも良いでしょう。
肩こりや腰痛、浮腫み改善にも効果が期待できます。
まとめ
妊娠中の体重管理は非常に重要です。
しかし、いくら体重が増えてしまったと言っても極端なダイエットはしないようにして下さい。
糖質制限は糖尿病の方の食事療法のひとつですので自己判断で行うのは大変危険です。
妊娠中は、栄養バランスの良い食事と適宜運動をして身体を動かすことが安産への近道ですし、又お腹の赤ちゃんと母体への健康に繋がります。