「そろそろ離乳食を…」と考えている時に、「野菜ジュースなら赤ちゃんも飲みやすくてビタミンなどの栄養も満点でバッチリでは!?」と思っていませんか?
実は、赤ちゃんに野菜ジュースを与えることによってリスクが発生する可能性があるため、いろいろと注意が必要なんですよ。
そこで今記事では、赤ちゃんに野菜ジュースを何か月から与えても大丈夫なのか、また野菜ジュースを与える際の注意点やうんちの色などについて詳しく解説しています。
4つのおすすめ手作り野菜ジュースのレシピも紹介していますよ。
- にんじんとりんごのジュース
- にんじんとみかんのジュース
- ほうれん草とバナナのスムージー
- モロヘイヤとバナナのスムージー
赤ちゃんに野菜ジュースを与えたいとお考えのママさんは、ぜひこちらの記事を最後までチェックしてくださいね。
目次
赤ちゃん用の野菜ジュースってどんなものなの?
ドラッグストアなどに赤ちゃん用の野菜ジュースが販売されています。
赤ちゃん用の野菜ジュースと大人が飲む野菜ジュースってどんな違いがあるのでしょうか?
赤ちゃん用と大人用の野菜ジュースの違い
大きな違いは、味と原材料にあります。
大人向けの野菜ジュースは赤ちゃん用のものに比べて甘味が強いため、そのまま赤ちゃんに飲ませると甘さを覚えてしまって、以後甘味の強い飲み物しか受け付けなくなることに。
乳幼児期に味の濃いものを与えてはいけないというのは、3歳までにさまざまなものを食べたり飲んだりすることによって徐々に味覚が培われ、完成するためです。
また、赤ちゃんの塩分摂りすぎは死亡リスクあり?乳児の塩分目安量と3つの注意点 の記事でも伝えたように、赤ちゃんは腎機能が未熟なので塩分の多量摂取は危険です。
赤ちゃん用野菜ジュースには食塩が入っていませんが、大人向けの野菜ジュースの中には原材料に食塩が入っているものもあるんです。
この他、大人向けの野菜ジュースには香料などの添加物が含まれているものも。
赤ちゃん用野菜ジュースには添加物は入っていないので、この点も大きな違いといえるでしょう。
赤ちゃん用の野菜ジュースは何か月からなら大丈夫?
赤ちゃん用の野菜ジュースは、5・6ヵ月の赤ちゃんから可というものもありますが、ほとんどが6ヵ月からとなっています。
これは、離乳食をスタートする時期にあたります。
したがって、離乳食が始まっていれば飲んでも大丈夫でしょう。
ただし、赤ちゃんに野菜ジュースを与えることについてはいくつか懸念材料も。
与える際には、必ず次の項で解説する注意点に気をつけましょう。
赤ちゃんに野菜ジュースを飲ませるときの6つの注意点 ~毎日与えてもOK?リスクは?
「赤ちゃんに栄養を取ってもらいたい」と思って、野菜ジュースを与えるママさんは多いことでしょう。
しかし、まだまだ身体が未熟な赤ちゃんに野菜ジュースを与えると、さまざまなリスクがあるということも知っておきましょう。
赤ちゃんに野菜ジュースを飲ませる時の注意点があります。
1.カロテン血症や肝機能障害に?!肥満にも注意!
野菜ジュースがいいと思って毎日飲ませていたら、赤ちゃんの肌の色が黄色くなって心配したという先輩ママさんも。
これは、野菜ジュースに含まれるカロテンの過剰摂取によるカロテン血症の症状です。
私も幼少期にミカンをたくさん食べていたら、手のひらが黄色くなり、医師に診てもらった経験があります。
白目が変色していなければ黄疸ではないので心配はいりません。
摂取を控えると、肌の色は元に戻ります。
しかし、カロテンの過剰摂取によって肝臓に負担がかかるため肝機能障害、また下痢などを発症するリスクがあります。
また、糖質が入っているため与えすぎると肥満の原因にもなります。
毎日与えることは避けましょう。
2.なるべく薄めて与えよう!
赤ちゃん用の野菜ジュースは大人用に比べて甘さが抑えられているとはいえ、お乳やミルクしか飲んでいない赤ちゃんにとってはかなり甘く感じるもの。
実際に、赤ちゃんに野菜ジュースを飲ませるようになってから、麦茶などを飲みたがらなくなったという先輩ママさんの声もあるようです。
そのため、特に離乳食を開始した6ヵ月ぐらいの時期は、白湯で薄めて与えてください。
最初は3倍ぐらいにまで薄めましょう。
それから月齢に合わせて、赤ちゃんの具合をみながら、だんだん濃度を上げていくようにしてくださいね。
3.虫歯にならないよう飲んだら必ず口腔ケアをする
市販の野菜ジュースは「砂糖不使用」とうたっているので、虫歯になりにくいと思っていませんか?
砂糖は入っていなくても糖質が含まれているので、与えた後そのままにしておくと当然虫歯にかかりやすくなります。
ジュースによる虫歯リスクは非常に高いので、赤ちゃんが野菜ジュースを飲んだ後はお口の中のケアをしっかりしてあげましょう。
4.アレルギーに気をつけよう!
市販の野菜ジュースには、赤ちゃんのアレルゲンとなる材料が含まれている可能性があります。
アレルギー物質がわかっている時は、必ず原材料などの表示を確認しましょう。
初めて与える食材が入っているときは、赤ちゃんの様子をよく見ながら、薄めたものを少しずつ与えるようにしてください。
もしも赤ちゃんの具合が悪くなったら、与えるのをやめて、医師に相談しましょう。
5.乳児ボツリヌス症に要注意!
(画像出典元:国立感染症研究所)
赤ちゃんにはちみつを与えると非常にリスクがあるということは知られていますよね。
これは、乳児ボツリヌス症を発症するためです。
乳児ボツリヌス症とは、ボツリヌス菌の芽胞に汚染された食べ物を消化器管が未熟な赤ちゃんが摂取することによって、腸の中で菌が増殖して毒素が発生すること。
便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる、といった症状が出現し、まれに亡くなることもあります。
(参考元:厚生労働省)
2017年にも、赤ちゃんにはちみつ入りのジュースを飲ませて、生後6か月の男の子が死亡した事例があります。
手作りで野菜ジュースを作る際、甘味づけにはちみつを使うのは絶対にやめましょう。
しかし、この乳児ボツリヌス症は、はちみつだけが原因ではありません。
発症をひき起こすボツリヌス菌芽胞は土壌やあらゆるところに存在するため、汚染された野菜や果物、肉、魚などの摂取で発症こともあるんです。
つまり、無農薬有機野菜であろうと、ボツリヌス菌芽胞に汚染されている可能性があるということです。
さらに、高温で加熱してもこの芽胞は死滅しないという特性も。
したがって、赤ちゃんに手作りの野菜ジュースを与えることは、かなりリスクがあるということを知っておいてくださいね。
6.赤ちゃんには生の野菜を使わない
赤ちゃんは消化器官が未熟なので、生野菜を使ったジュースを摂取すると胃や腸への刺激が強く、嘔吐や下痢をひき起こす可能性があります。
そのため、赤ちゃん用に野菜ジュースを手作りするときは、野菜を加熱してから使うようにしましょう。
関連記事:赤ちゃんの離乳食で冷凍野菜はいつから食べられる?上手に与える3つのポイント
赤ちゃんが野菜ジュースを飲むと下痢になるってホント?うんちの色は?
赤ちゃんに野菜ジュースを飲ませて下痢になることも少なくないようです。
下痢になる原因と、うんちの色について解説していきます。
野菜ジュースでなぜ赤ちゃんは下痢するの?
先述のとおり、赤ちゃんは腸などの消化器官がまだ発達していません。
そのため、野菜ジュースをそのまま与えたり薄め方が不充分だったりすると、果汁や糖分などの成分が原因で下痢を発症することも。
冷えた野菜ジュースを与えたり、白湯ではなく冷水で薄めた場合も、赤ちゃんは下痢になってしまいます。
さらに、野菜ジュースの多量摂取からカロテン血症になると、下痢をひき起こすことがあります。
下痢になったら、症状がおさまるまでは野菜ジュースを与えるのを控えてください。
また、赤ちゃんには必ず白湯で充分に薄めた常温の野菜ジュースを与えましょう。
それでも下痢になるようなら、医師に相談してくださいね。
野菜ジュースを飲んだら赤ちゃんのうんちは何色になるの?
ママとしては赤ちゃんのうんちの色の変化も気になるところですよね。
野菜ジュースが原因で、赤ちゃんに変わった色のうんちが出てびっくりしたママさんも少なくないようです。
赤ちゃんは消化器官が未発達なので、食べたり飲んだりしたものが充分に消化・吸収されず、そのまま排出されることもあるんです。
そのため、野菜ジュースを与えたら、吸収されなかった野菜の色素に染まったうんちが出ることも珍しくありません。
にんじんやトマトなどの赤い野菜が多ければオレンジ色、また大人が飲む紫色の野菜ジュースを薄めて飲ませたときは、黒っぽい色のうんちが出るようです。
赤ちゃんに手作りの野菜ジュースを!4つのおすすめレシピをご紹介
赤ちゃんには、やっぱり市販品でなく手作りの野菜ジュースをあげたいというママさんも多いことでしょう。
そこで、赤ちゃん向けの野菜ジュースのおすすめレシピ4つをご紹介します。
いずれも材料は適量でOKです。
フードプロセッサーやブレンダ―を使うと簡単にできますが、ミキサーやすりおろし&裏ごしでも作れますよ。
にんじんとりんごのジュース
りんごとにんじんのシンプルなジュースです。
赤ちゃん用なので、にんじんは生ではなく茹でるかレンジで熱を加えたものを使いましょう。
(材料)
- りんご
- にんじん
- 白湯
(作り方)
①にんじんをいちょう切りなどにし、鍋で茹でて加熱します。
②りんごの皮を剥いて芯を取り、いちょう切りにします。
③①と②をフードプロセッサーにかけてドロドロになるまで細かくします。
④③に白湯を入れて薄めてから与えましょう。
にんじんとみかんのジュース
こちらもにんじんとみかんを使ったさっぱりした飲み口のジュースです。
酸っぱいみかんだと赤ちゃんが嫌がるかも。味見をして甘味のあるみかんを使ってくださいね。
(材料)
- にんじん
- みかん
- 白湯
(作り方)
①にんじんをいちょう切りなどにし、加熱し下処理しておきます。
②みかんの外側の皮を剥き、中の白い皮や筋、種も取ります。
③①と②をフードプロセッサーにかけてドロドロになるまで細かくします。
④③に白湯を入れ、薄めてから与えましょう。
ほうれん草とバナナのスムージー
バナナの甘味で飲みやすくなります。ほうれん草は加熱し下処理したものを使いましょう。
小松菜でもOKですよ。離乳食中期から完了期でしたら、粉ミルクではなく牛乳や豆乳、ヨーグルトを使ってくださいね。
(材料)
- ほうれん草
- バナナ
- 粉ミルク
(作り方)
①加熱してあく抜きしたほうれん草を適当な長さに切ります。
②粉ミルクを白湯に溶かしておきます。
③バナナの皮を剥き、適当なサイズに切ります。
③①~③をフードプロセッサーにかけてドロドロになるまで細かくします。
④甘味が強い場合は、白湯で薄めてから与えましょう。
モロヘイヤとバナナのスムージー
赤ちゃんの野菜ジュースを作る上で、必須アイテムといえるバナナ。
甘味があるので、赤ちゃんはゴクゴク飲んでくれますよ。離乳食中期以降は、栄養満点のモロヘイヤもおすすめです。
(材料)
- モロヘイヤ
- バナナ
- 牛乳(豆乳orヨーグルトでも)
(作り方)
①モロヘイヤは茹でておきます。
②バナナの皮を剥き、適当なサイズに切っておきます。
③フードプロセッサーに①と②と牛乳を入れ、ドロドロになるまで細かくします。
まとめ
今回は、赤ちゃんにいつから与えていいのか、また与える場合の注意点とおすすめレシピを4つご紹介しました。
離乳食でビタミンなどの栄養摂取のために、時々野菜ジュースを与えるのは問題ないでしょう。
しかし、市販の野菜ジュースを過剰に与えると、さまざまなリスクが発生する可能性があることを知っておいてくださいね。
また、野菜ジュースを手作りする場合は、消化に悪い生野菜は避けるなどの注意点があります。
赤ちゃんのためにも必ず注意点を守って、安心・安全な飲み物を与えましょう。