よもぎといえば、春を感じさせる季節の植物。
団子や餅といったなじみ深い食べ物にもよく使われています。
しかし「授乳中はよもぎNG!」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。
この話は半分ウソで半分ホント。
なぜそのようなことが言えるのか、3つのポイントで詳しく解説していきます!
- そもそもよもぎとは?
- 避けるべきよもぎ3種
- よもぎを使ったおすすめレシピ
知っているようで知らないよもぎの危険性について、この記事でしっかりと学習して、赤ちゃんにも優しい食生活を送りましょう!
目次
よもぎの葉を普通に食べる分には問題なし
よもぎは、日本全国に幅広く生えている植物です。
春になると、道ばた・土手・あぜ道などに生えてきます。
「雑草じゃないの?」と思う人も。
独特の香りが強く、葉の裏に白っぽい綿毛が生えているのが特徴です。
昔から春を感じる食材として、柔らかな若葉を食用にしてきました。
筆者も子供の頃、祖母と一緒に畑のあぜ道でよみぎ摘みをし、草餅を作ってもらっていましたよ。
このよもぎ、授乳中でも食べてOKです。
普通に食べるだけなら問題はありません。
よもぎには、カリウムやカルシウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル類、ビタミンA、ビタミンK、葉酸、食物繊維が豊富に含まれています。
独特の香りと苦味があるので、たくさん食べるのは難しいのですが、春の食卓を彩る食材として料理に添えてみましょう。
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生薬・漢方薬のよもぎは避けよう!
よもぎを普通に食べるのはOKと紹介しました。
実は、よもぎは他にも使い方があります。それは漢方薬です。
漢方薬というのは、いわゆる薬。効果や効能、作用がはっきりしていて、国が認めているものです。
漢方薬はほとんどが複数の生薬を混ぜて作っています。
よもぎは生薬のひとつで、ガイヨウ(艾葉)と呼ばれています。
ガイヨウ(艾葉)は、止血作用や鎮痛作用、女性の生理不順・不正出血・貧血に使われるもの。
このガイヨウ(艾葉)を含んだ漢方の中には、妊娠中や授乳中は使用を控えた方がいいものがあるのです。
漢方は複数の生薬を混ぜて作っているので、ガイヨウ(艾葉)だけが効果・作用を発揮する訳ではありません。
しかし、授乳中に使用した場合の安全性が確認されていないケースがあります。
そのため、生薬や漢方薬を自己判断で使用するのはNG!
授乳中は必ず医師に相談してくださいね。
(参考:武田コンシューマーヘルスケア株式会社、漢方のツムラ)
授乳中でも食べられるよもぎレシピ
「よもぎを食べてもいい」と言われても、いまいちレシピが思い浮かばない人が多いかもしれません。
そんな方におすすめな簡単よもぎレシピを紹介します。
使い道が豊富なよもぎペースト
春になると食べたいのがよもぎの若葉。摘んだら新鮮なうちに丁寧に洗って茹で、ペーストにしてしまいましょう!
作り方は簡単!
たっぷりのお湯を入れた鍋で、約2分間よもぎを茹でます。
塩を小さじ1加えて茹でてくださいね。
茹で上がったよもぎは、水にさらしてアクを抜きます。
ほうれん草を茹でてアク抜きするイメージで!
アク抜きが終わったら、しっかり絞ってフードプロセッサーへ。
滑らかになるまで攪拌しましょう。
もし、フードプロセッサーの刃が回らない場合は、水を大さじ1プラス。
出来上がったペーストは、ラップで包んだり、ジッパー付きの密閉袋などに入れて冷凍しましょう。
厚さ3mmくらいの板状にして冷凍しておくと、簡単に割って使えて便利です。
ペーストの使い方
よもぎは、独特の香りと苦味が強いもの。
使う時は少しずつが基本です。
料理に入れすぎるとえぐみを強く感じて、料理の味を損ないます。
ペーストは数g~10gくらいずつ風味付けに使ってくださいね。
ペーストの使い道は多種多様!
ホットケーキ、パウンドケーキ、パン、クッキーの生地に練り込む。ポタージュスープやキャロットスープに緑と香りを添えるために、わずかに加える。マヨネーズに混ぜて野菜スティックに付けるなど。
お好みで料理に活用してください。
ただし、50gや100gといった風に、一気に大量に食べるのはNG!
よもぎに含まれているビタミンAやビタミンKは摂りすぎると体に溜まって不調の原因に。
吐き気、脱毛、頭痛、関節痛、貧血といった症状が出るので注意してください。
母親がよもぎを大量に食べると、母乳の中にも多くの成分が入ります。
ビタミンAやビタミンKが過剰に入った母乳を飲ませないようにしてくださいね。
簡単よもぎケーキ
ホットケーキミックスと炊飯器で、混ぜるだけ・火加減無用でよもぎケーキを作れますよ。
<材料>
ホットケーキミックス 200g
バター 100g(常温に戻しておく)
卵 2個
砂糖 20~30g(甘いのが好きな方は多めで)
牛乳 30g
よもぎペースト 5~10g(好みで調節)
<作り方>
(1)常温に戻して柔らかくなったバターを、白っぽいマヨネーズ状になるまで泡立て器でまぜる
(2)(1)に砂糖を加えて練り混ぜる
(3)といた卵を(2)に少しずつ加え、そのつど分離しないようにしっかりまぜる
(4)(3)に牛乳を加えてよく混ぜ、よもぎペーストも混ぜる
(5)(4)にホットケーキミックスを加えてヘラで混ぜ合わせる
(6)(5)を炊飯器に入れて炊飯スイッチを押す(メニュー機能でケーキがあるなら、それを選ぶ)
(7)炊きあがったらクシを刺してみて、中まで火が通っていたら完成
炊飯器は焦げ付かないようコーティングされているので、焼き上がったケーキをスルッと取り出せます。
1/8が一人前。こしあんや粒あんを添えてもおいしいですよ。
よもぎクッキー
春の風味豊かなよもぎクッキーもおすすめ。
<材料>
・バター 50g(常温に戻しておく)
・砂糖 50g
・よもぎペースト 20g
・薄力粉 150g(ベーキングパウダーと一緒にふるっておく)
・ベーキングパウダー 3g
<作り方>
(1)常温に戻して柔らかくなったバターを泡立て器でしっかり混ぜ、マヨネーズ状にする
(2)(1)に砂糖を加えて、しっかり練り混ぜる
(3)(2)によもぎペーストを入れて混ぜ、ふるっておいた薄力粉とベーキングパウダーを加えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜる
(4)型抜きをしたり、直径3cmくらいの丸いクッキーの形に整えたりして、クッキングシートを敷いた天板に並べる
(5)170℃に予熱しておいたオーブンを160℃まで温度を下げ、15~20分焼く
天ぷら
よもぎの葉を天ぷらにするのもおいしいですよ。
よく洗ったよもぎの葉の水気を拭き取り、裏側にだけ水で溶いた天ぷら粉を付けてサッと揚げましょう。
かき揚げに混ぜるのもおすすめ。
天つゆでも、塩でも、お好みで召し上がってください。
まとめ
よもぎは春を告げる季節の食材。ビタミンAやビタミンE、ミネラル類が豊富で、授乳中でも食べられます。
ただし同じよもぎでも、生薬や漢方薬は医師の指示のもとで使用しましょう。
よもぎはペーストにすれば、多くの料理に使用できます。
ペーストをまとめて作って冷凍保存し、数g~10g単位で利用してください。
ケーキやクッキー、パンなどの生地に混ぜて使うのがおすすめ。
なお、葉そのものを天ぷらで食べてもおいしいですよ。
授乳中は、使い方に注意しながら日本の春を感じる食材として楽しんでくださいね。