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妊婦は雑穀米を食べちゃダメ?妊娠中の雑穀米の栄養素とおすすめレシピ
多くの女性に注目されている雑穀米は「ダイエットになる」「健康にいい」と言われますよね。
でも、正直なところ「雑穀ってなに?」「本当に栄養が高いの?」「どうしてダイエットになるの?」と不思議に思いませんか?
特に、食べ物の質や体重管理に敏感になる妊娠中に食べてメリットがあるかどうか。
知りたいですよね。
実は、妊婦さんには雑穀はあまりお勧めできません。
その理由について、雑穀に関する情報と合わせて次の4つの項目にまとめました。
・雑穀とは主食の米以外の穀物のこと全部
・雑穀から取れる栄養は少なく、胃腸に負担がかかる上に高価
・雑穀のメリットは、彩りの良さと食感、そして献立が増えること
・おすすめ雑穀レシピ「もちきびナゲット」「雑穀サラダ」「雑穀ピラフ」
健康というイメージが強い雑穀ですが、絶対おすすめしたい食材!という訳ではありません。
妊婦さんが知っておきたいことをひとつずつ見ていきましょう。
雑穀米とは主食の米以外の穀物のこと全部
まず、雑穀とはどういうものか調べてみました。
雑穀は穀物のひとつ。
昔はアワ・ヒエ・キビといった粒が小さいイネ科の植物の実を雑穀、マメ類を菽穀、ソバ・キノア・アマランサスなどを擬穀と呼んでいました。
今は、イネ・コムギ・トウモロコシといった主食になる穀物を主穀と良い、主食で食べるイネ以外をまとめて雑穀と呼んでいます。
(参考:日本雑穀協会)
ひとくちに雑穀と言っても、その中身は実に様々!
黒米・赤米・緑米・コムギ・オオムギ・トウモロコシ・キビ・アワ・ヒエなど。
一般的に広く食べられている白米以外、全部、雑穀と言ってしまってOKなんですよ。
雑穀から取れる栄養は少なく、胃腸に負担がかかる上に高価
雑穀が健康にいい、と言われますが、妊婦さんにはあまりおすすめできないのが本当のところ。その理由は次の4つです。
雑穀から得られる栄養は少ない
まず、精白米と雑穀を比べた場合、雑穀の方が食物繊維・ビタミン・ミネラルの量が豊富なのは確かです。
ただし、これは精白米のご飯100gと雑穀のご飯100gを比較した場合!
スーパーなどで「雑穀米」として販売されている商品を見たことがありますか?
十六穀米といった商品がありますが、これは精白米2合に対して20~30gの雑穀を入れて炊くもの。
ご飯全体の量に対して雑穀は微々たる量にすぎません。
もし、炊きあがったご飯2合を全部食べたとしても、口に入る雑穀は20~30g。
どんなに栄養が豊富なものでも、僅かしか食べないのでは意味がありません。
そんなことなら、3度の食事で副菜を1品増やした方がずっと効率的に栄養が取れるというもの。
雑穀が栄養豊富なのは確かですが、実際に食べる量を考えると、特別おすすめできるものではありません。
雑穀でダイエットは難しい
もうひとつ、雑穀にはダイエットできるイメージがあります。
しかし、実は、精白米のご飯も雑穀のご飯もカロリーはほぼ同じ。
精白米を雑穀に置き換えてもカロリーは減りません。
さらに「雑穀はよく噛まないと飲み込めないので、噛む習慣が付いて満腹感が得られる(だからダイエットになる)」と言われますが、これもほぼウソ。
噛み応えがあると言っても、雑穀に肉や焼いたスルメのような固さはありません。
正直な所、精白米のご飯と同じ回数しか噛まなくても問題なく飲み込めます。
噛む・噛まないは本人の意識次第。雑穀にしたから自然に噛む回数が増えたりしないんです。
妊娠中は体重管理が重要になるので「ダイエットになるなら雑穀米を!」と思うかもしれません。
しかし、雑穀にしてもカロリーは変わりませんから期待しすぎないでくださいね。
玄米は不溶性食物繊維が多くて胃腸に大きな負担がかかる
さて、雑穀を精白米のご飯のようにたくさん食べたらどうなるの?
そう思う方もいますよね。
雑穀の中でも、玄米や麦(押し麦など)は簡単にたくさん手に入ります。
これを多く食べれば精白米よりも、ビタミンやミネラルをたくさん取れていい!
玄米や麦には食物繊維が豊富なので、便秘がちな妊婦さんに向いている!
そう考える方がいるでしょう。
でも、待って下さい。
玄米などに多く含まれている食物繊維は不溶性の食物繊維。
便のかさを増やしたり、腸を刺激するタイプの食物繊維です。
このため、既に便秘になっている場合、さらに便が増えてしまって苦しくなったり、便が詰まって動かない腸をムリに刺激するので腹痛を感じたりします。
胃腸が弱っている場合は、大きな負担になるだけで消化・吸収できないことも。
妊婦さんの場合、玄米のように不溶性食物繊維が多い雑穀米は、胃腸に大きな負担をかけるリスクがあるので、おすすめできません。
便秘になっていない方が、胃腸の調子が良い時に食べるのであれば問題ありません。
どうしても食べたい場合は食べてもOKですが、体調をチェックしながら徐々に量を増やす方法で食べてくださいね。
もち麦(大麦の一種)は負担が少ないけれど高価
雑穀の中でもひとつ、食感がよく、味も精白米に似ていて食べやすい上、手に入りやすくて水溶性食物繊維が多い雑穀があります。
それはもち麦。
大麦の一種です。
モチモチとした食感が特徴的なもち麦なら、精白米のご飯の代わりに食べることができ、ミネラル・ビタミンを多く摂取するだけでなく、水溶性食物繊維の働きで腸内環境を整えて便秘解消に役だってくれます。
ただし、残念ながらもち麦はとても高価!
スーパーでは1kgが750円以上。10kgに換算すると7500円以上になります。
精白米10kgが3000円~4500円ですから、倍以上の値段!
精白米2合+もち麦1合という割合で炊くのがおすすめですが、経済的な負担が多いので、雑穀米で栄養を摂るより、副菜を1品プラスする食事の方が妊婦さんにはおすすめです。
雑穀のメリットは、彩りの良さと食感、そして献立が増えること
雑穀をおすすめしないような項目が続きましたが、メリットもあります。
それは、食感を楽しめることと、彩りの良さ、そして料理のバリエーションが増えること。
雑穀には独特の歯ごたえと食感があります。
そして、精白米は白ですが、黒米・赤米・きびなどは色鮮やか。
綺麗な色合いが食欲をそそり、食卓を華やかにしてくれます。
さらに、雑穀を主食ではなく食材と考えておかずにプラスすれば、レパートリーが広がりますよ。
雑穀は、精白米の代わりに食べるものではなく、口にする食材のひとつに加えるのがおすすめです。
おすすめ雑穀レシピ
雑穀は精白米と一緒に炊飯器で炊く、と思いがちですが、おかずにもなります。
3つの料理を紹介します。
もちきびナゲット
【材料】
もちきび 大さじ2
水 大さじ3
鶏ひき肉 100g
塩 少々
★卵 1個
★パン粉 大さじ2
★粉チーズ 小さじ1
【作り方】
(1)もちきびと水を合わせて15分待つ。
(2)(1)を電子レンジで1分加熱。取り出してかき混ぜた後、さらに1分加熱する。
(3)(2)が冷めたら★を加え、よく混ぜる。
(4)(3)を10個に分けて丸め、平たい丸に成形する。
(5)(4)の両面に小麦粉を軽く付け、油で揚げる。
※少し大人の味にする場合は、★に潰したニンニクや、コショウをプラスします。
雑穀サラダ
雑穀サラダは、お好みのサラダに茹でた雑穀を乗せたもの。
サラダに色合いと食べ応えをプラスしてみてはいかがでしょう?
【材料】
五穀米や一六穀米など 20~30gほど
水 400g
お好みのサラダ 適量
【作り方】
(1)雑穀と水400gを鍋に入れて15分静置。
(2)(1)を火にかけ、沸騰したら弱火で20分茹でる。火を止めた後、フタをして10分待つ。
(3)(2)をザルに上げて水気を切り、冷ましてからお好みのサラダにかける。
レタス、キュウリ、ミズナ、セロリ、キュウリ、ダイコン、パプリカ、トマト、ワカメなど。
好きな野菜をミックスしたサラダにかけて、お好みのドレッシングで召し上がってください。
雑穀ピラフ
【材料】
米 1と1/2カップ
雑穀 1/2カップ(お好みでなんでも)
ベーコン 100g
タマネギ 1/4個(みじん切り)
ニンジン 1/4個(みじん切り)
ミックスビーンズ お好みの量
コーン お好みの量
バター 20g
チキンブイヨン 2カップ
【作り方】
(1)バターでタマネギとベーコンを炒める。
(2)タマネギがしんなりしたら、米と雑穀を加えてよく炒める。
(3)(2)にニンジン・ミックスビーンズ・コーンを加えて塩コショウで味を調える。
(4)チキンブイヨンを加え、フタをして強火にかける。沸騰したら弱火にして10分加熱し、火を止めた後、フタをしたまま10分蒸らす。
(5)よく混ぜてから器に盛る。
雑穀をピラフの具材に見立てて使いましょう。
ベーコンがなければ挽肉にしたり、ウインナーを小さくカットしたものでもOK!
冷蔵庫の中にある具材で作ってくださいね。
まとめ
雑穀は健康によく、栄養をたくさん取れるというイメージが強いもの。
しかし、雑穀は一度に食べる量がとても少ないもの。
摂取カロリーも精白米のご飯と変わらないのでダイエット効果もほとんどありません。
玄米や麦のように精白米と置き換えて食べられる雑穀もありますが、不溶性食物繊維が多く、胃腸に負担をかける心配が。
さらに、水溶性の食物繊維が豊富で腸内環境の改善に役立つもち麦は、非常に高価で経済的な負担が大きくなります。
このため、妊婦さんに雑穀はおすすめできません。
普通にご飯を食べて、3食副菜を1品プラスする方が栄養を多く取れる上に経済的です。
雑穀だけで栄養やダイエット効果を得ようとするのではなく、料理を作る時の食材のひとつとして利用してみてくださいね。