妊娠中は、女性ホルモンが多く分泌するため、身体が敏感になり、様々なマイナートラブルが起こります。
妊娠前には、鼻血なんか出したことが無かったのに、妊娠してから頻繁に出るようになったという人がいます。
血がいつも以上に多く出てしまうと、お腹の赤ちゃんの影響が気になったり、自身の病気を疑ったりしてしまいますよね。
そこで今回は「なぜ妊娠中に鼻血が出るのか」、その原因と3つの予防策などをご紹介します。
・一般的に鼻血が起こるメカニズム
・妊娠中に鼻血が起こる2つの原因
・鼻血は赤ちゃんへ影響するの?
・頭痛を伴う鼻血は病気かも?
・正しい鼻血の止め方
・妊娠中の鼻血の3つの予防策
妊娠中は、女性ホルモンが分泌することで、身体に様々なトラブルを引き起こしますが、鼻血が起こる原因のひとつもホルモンバランスが影響しています。
鼻血が出でも驚かずに落ち着いて対処できるよう参考にして下さいね。
目次
一般的に鼻血が起こるメカニズム
なぜ鼻血が起きるのでしょうか?
まずは、一般的に鼻血が起こるメカニズムをご紹介します。
鼻血は、鼻を左右に分けている鼻中隔の前方にあるギーゼルバッハ部位という細かい血管が集まっている場所から起こります。
血管が表面に浮き出ているため、少しの刺激でも出血をしてしまいます。
例えば、鼻掃除をしていたり、鼻をかみすぎたりして血管が破れてしまうと、鼻血が起こるというメカニズムです。
鼻血と一緒に、レバー状の塊(かたまり)や黒い塊が出てくることがありますが、これは血餅と言って、鼻血が固まったもので、傷口を修復するために出てくるものです。
特に心配はありませんが、鼻血の量が極端に多かったり、頻繁に鼻血が起こる場合は、他の病気が原因かもしれませんので、病院で診てもらうようにしましょう。
病院で診てもらう際は、必ず妊娠していることを、お医者さんに伝えて下さい。
妊娠中に鼻血が起こる2つの原因
妊娠中は、初期から後期まで、いずれの時期にも鼻血が出やすいので注意しましょう。
では、なぜ妊娠中に鼻血が起きやすいのでしょうか?
原因となる2つの理由をご紹介します。
1.血液量の増加によるもの
妊娠すると、赤ちゃんへ酸素や栄養を送るために血液量が増えます。
妊娠後期には、初期の約1.5倍の量に増えますが、血を止める血小板の数は減っていきます。
そのため、一度出血をするとなかなか止まらずに、ダラダラと鼻血が出続けることがあります。
2.ホルモンバランスの影響によるもの
女性は黄体ホルモンであるプロゲステロンが分泌され続けることで生理が止まり、妊婦となります。
妊娠中期に入ると、卵胞ホルモンであるエストロゲンが分泌され、ホルモンバランスが整えられるのですが、それまでは、プロゲステロンが多く分泌をされるため、ホルモンバランスが崩れてしまうのです。
そうなると、自律神経が崩れ、貧血が起きやすくなったり、顔が火照りやすくなってしまいます。
また、妊娠後期に入ると、ホルモン量が増え、鼻粘膜への血液供給が増えるので、鼻粘膜が柔らかくなります。その状態で鼻を強くかんだりすると出血してしまうことがあります。
鼻血は赤ちゃんへ影響するの?
妊娠中の鼻血は、ホルモンバランスや血液量が増大して起こることがほとんどですので、赤ちゃんへの影響はありません。
ただし、鼻血の原因が、他の病気である場合は、赤ちゃんへの影響が起こる可能性もありますので、鼻血の量が極端に多かったり、頻繁に起こる場合は、病院を受診をするようにして下さい。
頭痛を伴う鼻血は病気かも?
妊娠中は、普段よりも血圧が上がりやすくなっています。
頭痛を伴った鼻血が出た場合は、高血圧症か貧血などの疑いもあり得ますので、いつもと明らかに身体の状態が違うと感じたら、産婦人科の主治医に相談しましょう。
妊娠する前から血圧が高めな人は、妊娠高血圧症候群への注意が必要です。
関連記事:妊娠高血圧症候群とは?原因や症状と治療方法、4つの予防策
正しい鼻血の止め方
鼻血が出た時、みなさんは、どのように鼻血を止めていますか?
鼻をつまみながら、上を向いていませんか?
実はこれ、間違った止血方法なのです。
正しい止血方法は下記の通りです。
〈鼻血の正しい止血方法〉
- ゆっくりと静かに座ります。
- 頭を少し下に向けます。
- 指で鼻の両側をつまんで圧迫します。
- ③の状態のまま、5〜10分安静にします。
いざ、鼻血が出た場合でも冷静に対応できるように覚えておきましょう。
妊娠中の鼻血の3つの予防策
妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、いつでも鼻血が出やすい状態にあります。
鼻血が出ないよう、日常的に予防をしておきましょう。
ここで紹介する予防法は3つです。
1.鼻は優しくかむ
妊娠中は、ホルモンバランスの影響で、免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなります。
鼻水が出ると、チーンと思いっきり鼻をかみたくなりますが、血液量が増えることによって鼻粘膜が柔らかくなり、血管が破れやすくなっていますので、できるだけ優しく、ゆっくりとかむようにしましょう。
また、鼻にウィルスが入らないよう、風邪の流行る時期は、マスクを着用しておくのもお勧めです。
2.鼻をほじらない
鼻血を予防するには、できるだけ鼻をほじらないことも大切です。
とはいえ、鼻の掃除もしていきたいですよね。
そんな時は、子供用の綿棒にベビーオイル塗って、優しく掃除すると綺麗に取れますよ。あまり奥まで突っ込まないように注意しましょう。
3.鼻を触らない
妊娠中は、血液量が増えることで、鼻へも血液供給が増加し、鼻粘膜が柔らかくなり敏感になります。
ちょっとした事で、鼻の細い血管が切れやすくなっていますので、できるだけ触らない事が鼻血を防ぐうえで重要です。
関連記事:妊娠中の鼻詰まり4つの解消法~妊婦の妊娠性鼻炎の原因と注意点
まとめ
妊娠前は全く鼻血が出なかった人でも、妊娠中はホルモンバランスの影響で身体が敏感になり、鼻血も起こりやすい状態に変化しています。
鼻血以外にも、妊婦さんは様々なマイナートラブルを抱え、ストレスがたまりやすくなっている状態ですよね。
少しでも快適なマタニティライフが過ごせるよう、予防できるトラブルは、できるだけ回避するよう日頃のケアを徹底していきましょう!