妊娠中は粕汁を食べちゃダメ?妊婦の酒粕の栄養素と効果、胎児への影響

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粕汁は、お魚やお肉、根菜類などの野菜が含まれている栄養価の高い汁物料理です。

身体を温める効果があるので、冷えが大敵な妊婦さんには嬉しい食べ物です。

しかし、粕汁にはアルコール分を含んだ酒粕が入っているので、妊婦さんには不向きな物にも思います。

果たして本当に妊婦さんは酒粕を含んだ粕汁を飲んではいけないのでしょうか。

今回は妊娠中に粕汁を食べてもいいのかと悩む妊婦さんに、妊娠中の粕汁の食べ方や注意点などについてご紹介します。

・妊娠中に粕汁を食べてもいいの?
・酒粕とアルコールについて
・酒粕の栄養素と効果
・注意!『胎児性アルコール症候群』の危険性
・妊婦さんでも食べられる!アルコールの飛ばし方

粕汁の他にも酒粕は使われており、魚や野菜を漬ける粕漬けもその一つです。

さらに今人気の「飲む点滴」とも呼ばれている甘酒にも酒粕が入っています。

最近では米麹の甘酒が多くなり、アルコールの入っていない甘酒もあるので、妊婦さんでも安心して飲むことができます。

アルコール成分の入っているものを妊娠中に飲むと、どのようにお腹の赤ちゃんに影響してくるのでしょうか?

それでは順番に解説していきますね。

目次

妊娠中に粕汁を食べてもいいの?

お肉やお魚、根菜類などのお野菜を沢山含んだ粕汁は、栄養価が高い食べ物です。

しかし粕汁には、アルコールを含んだ酒粕が入っているのでアルコールを飛ばさない限り、妊娠中にはお勧めできません。

これは妊娠初期でも中期でも妊婦後期でも一緒です。

また、授乳中に関してもアルコールを含んでいる酒粕や粕汁、甘酒の摂取はおすすめできません。

出産を終え、授乳中の方であっても控えてください。

アルコールは、血液から胎盤に入ってお腹の赤ちゃんへと送られてしまうので注意が必要です。

また、母乳はお母さんの血液から作られますので、当然お母さんの体内にアルコール分があると母乳にもアルコールが含まれてしまいます。

妊娠中の甘酒については下記ページで詳しく解説をしています。

妊婦は甘酒を飲んじゃダメ?!妊娠中の甘酒の影響と4つのポイント | はじめてママ

酒粕とアルコールについて

粕汁には、アルコールを含んだ「酒粕」が入っていますが、その酒粕とは一体どんな物なのでしょうか。

〈酒粕とは〉

日本酒を作る製造過程で出来たもろみを絞って、残った白色の固形物が酒粕です。

酒粕は、麹菌と酵母菌のタブルの発酵パワーで、とても栄養価が高いので身体に良いものとして昔から親しまれています。

〈酒粕のアルコールについて〉

酒粕は、日本酒の製造過程で出来るものなので、5〜8%のアルコールを含んでいます。

妊婦さんや小さな子供が食するには注意が必要です。

酒粕の栄養素と効果

日本の伝統的な発酵食品である酒粕は、スーパーフード並みの豊富な栄養素が入っており、とても身体に良いものとされています。

その酒粕に含まれる栄養素と効果について紹介します。

〈酒粕に含まれる栄養素と効果ついて〉

酒粕には様々な栄養度が含まれています。

主な栄養素は以下の通りです。

タンパク質

五大栄養素の筆頭格でもあるタンパク質は、人間の身体に欠かすことのできない栄養素です。

血液、筋肉や臓器、皮膚、爪、髪などのあらゆる組織を作る働きがあります。

また代謝を促進する働きもあるため、免疫力を高めてくれます。

葉酸

タンパク質や細胞を作るのに必要なDNAの核酸を合成する役割があります。

妊娠初期から摂取することで、お腹の赤ちゃんの奇形リスクを減少させてくれる効果があります。

葉酸については厚生労働省からも積極的に摂取するよう推奨されています。

関連記事⇒葉酸サプリランキング2018~市販vs通販!妊娠中におすすめ葉酸サプリ35選 | はじめてママ

パントテン酸

タンパク質の代謝とエネルギーを生み出す役割で、皮膚や粘膜の健康を維持するためにも働きかけてくれます。

ビタミンB2、ビタミンB6

ビタミンB2:主に皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンで、糖質、脂質、タンパク質体内でエネルギーにする働きをしています。

ビタミンB6:食品中のタンパク質からエネルギー生産をしたり、筋肉や血液が作られる際に働いているビタミンです。

その他にも酒粕には、身体に良いとされる健康効果が沢山あります。

ガン予防や糖尿病予防にも効果的ですし、美肌効果にも優れている優秀な食品なのです。

注意!『胎児性アルコール症候群』の危険性

酒粕には、アルコールが含まれています。

妊娠中にアルコールを飲むと血液中から胎盤を通じてお腹の赤ちゃんへ送られてしまいます。

お腹の赤ちゃんは、肝臓が未発達なのでアルコールを分解することができず『胎児性アルコール症候群』を引き起こすリスクが生じてしまうのです。

〈胎児性アルコール症候群とは?〉

知能障害や顔面中心とする奇形や脳障害が現れる先天性疾患のことです。

妊娠初期の飲酒には、臓器の器官形成に影響します。

妊娠中期以降の飲酒には、脳の障害や出生児低体重児のリスクが高まります。

〈リスクが高まるアルコール量は?〉

ビール1.5リットルに相当する1日60g以上のアルコールを摂取していた妊婦さんから生まれた赤ちゃんには、体重や頭位が明らかに小さかったという調査結果が出ています。

ただし大量に摂取していない人でも、胎児性アルコール症候群の報告が発表されています。

具体的なアルコール数値は分かってはいませんが、長い期間に少しの料理を飲むよりも、短い期間で大量のお酒を飲む方がリスクが高まります。

また、妊娠後期よりも妊娠初期の方が影響が出やすいということが分かっています。

この病気の治療薬は、まだ作られていないので妊娠中にアルコールを飲まないようにすることが、「胎児性アルコー症候群」の一番の予防策になります。

妊娠中のアルコールの影響については下記ページで詳しく解説をしています。

関連記事⇒妊婦はお酒を飲んじゃダメ?妊娠中のアルコールの影響と3つの禁酒対策 | はじめてママ

妊婦さんでも食べれる!アルコール飛ばし方

酒粕にアルコールが入っているからと言って、妊婦さんが粕汁を絶対に食べてはいけないということはありません。

しっかりとアルコールを飛ばせば、妊娠中でも安心して栄養価の高い粕汁を食べて頂くことができます。

〈酒粕のアルコールの飛ばし方〉

アルコールは、78℃以上で加熱すれば蒸発をして成分が無くなります。

粕汁のように長く煮込むものであれば、煮込み時間にもよりますが、調理過程で、ほとんどのアルコールを飛ばす事が可能です。

もし、酒粕そのもののアルコールを飛ばしたいのであれば、水と一緒に酒粕を鍋に入れて沸騰したら直接火をつけて、煮切りをします。

アルコールが消失することで火が自然と消えるので視覚的にも確認しやすいです。

まとめ

粕汁は、身体に良いとされる栄養素が沢山入った汁物です。

しかし、アルコールを含んだ酒粕を使うので妊婦さんにはデメリットな食品になってしまいます。

事前に酒粕のアルコールをきちんと飛ばせば、安心して食べて頂くことができますよ。

粕汁は、身体を温める効果があるので、妊娠中の冷えてしまった身体にも嬉しい一品になりますね!