妊娠後期やつわり中といった食欲が沸かない時期にも、食べやすい野菜として挙げられることが多いきゅうり。
トマトとセットになることも多く、サラダや丸かじりなど、生で食べる野菜としても人気ですよね。
特に夏の暑い日はもってこいです。
または、ちくわの穴にきゅうりを通して切るだけで、簡単に品数を1品増やせるお手軽さも兼ね備えています。
昔は熟して黄色くなった実を食べることもありましたが、味が落ちてしまう事もあり、現在では主に緑色の未熟な状態で流通しています。
そんなきゅうりですが、妊娠中に食べても問題の無い野菜なのでしょうか?
栄養素が低いという噂は本当?
妊婦さんが気になる、きゅうりの効果や栄養素についての情報を、5つの見出しでまとめてみました。
- 世界一栄養素の低い野菜?噂の真偽はこれ!
- 妊婦さんにも嬉しい!きゅうりの栄養素やその効果
- きゅうりは本当にビタミンCを破壊してしまうの?
- 妊娠中に沢山食べたくなるきゅうり。過剰摂取によるリスクは?
- きゅうり自体よりも、味付けの濃さや塩分に注意して
妊娠中にきゅうりが食べたくなった妊婦さんの参考になると幸いです。
それでは解説をしていきます♪
目次
きゅうりは世界一栄養素の低い野菜?噂の真偽って?
ネット上では「ギネスブックに世界一栄養素の低い野菜として認定された」というなんとも不名誉な噂もあるきゅうり。
しかし実際のところ、過去のギネスブックに「生食できる果物の中では最もカロリーが低い」として掲載された事がある、という事実から来ているようです。
妊婦さんにも嬉しい!きゅうりの栄養素や妊娠中の効果
実はきゅうりの成分は、90%以上が水分となっています。
これを聞くと全く栄養なんてないのでは?とも思いますが、調べてみると以外にも数々の栄養があることが分かりました。
- βカロテイン…体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚、髪の毛などの質を保ってくれる効果が期待される栄養素。
- カリウム…ナトリウムの排泄を促す効果や利尿作用があるため、妊婦さんの悩みでもある手足のむくみや、高血圧の予防にもなる。
- ビタミンK…骨を丈夫にし、動脈硬化を防ぐ働きを持つ。
- ビタミンC…水溶性ビタミンの一種で、コラーゲンの合成に欠かせない。また、シミを予防する働きもあり、妊娠中の色素沈着に効果的。
- 葉酸…妊娠初期に主に必要な栄養素で、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らす役割を持つ。
など、決して栄養素が無かったり、低すぎるというわけではありません。
妊婦さんが積極的に摂っていきたい栄養素が入っているのも嬉しい点ですね。
きゅうりは淡色野菜の一種であり、ここで挙げたβカロテインは主にきゅうりの皮に含まれますので、なるべく皮をむかずに食べる事がおすすめです。
また、妊娠中は必要な栄養素が多く、栄養不足はお腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼしかねません。
特に葉酸サプリについては厚生労働省も注意喚起している通り絶対に取り入れるように心がけてください。
葉酸については下記ページで詳しく解説をしています。
葉酸サプリランキング2018~市販vs通販!妊娠中におすすめ葉酸サプリ35選
きゅうりは本当にビタミンCを破壊してしまうの?
調べてみたところネット上では、きゅうりを食べるとビタミンCが壊れてしまう、という説が多く出回っているようです。
実際テレビでもそのように紹介されたことがあり、真実が気になっている方も多いでしょう。
きゅうりにはアスコルビナーゼというビタミンCを酸化させる酵素が含まれており、この事から「きゅうりはビタミンCを破壊してしまう」と言われています。
ですが、正しくは還元型ビタミンCがアスコルビナーゼにより酸化型ビタミンCに変化してしまう、という言い方が正しいです。
以前は酸化型ビタミンCは還元型ビタミンCの半分以下の効力とされており、ビタミンCが大幅に減少する=効力がないという解釈でした。
しかし、還元型ビタミンCが酸化型ビタミンCとなっても、摂取されれば体内で還元型に戻ることがわかり、その結果効力は同等である、という事が実験により判明しました。
これにより、トマトときゅうりの食べ合わせは、トマトに含まれるビタミンCが無効化されてしまうからおすすめしないと言われていますが、上記の事実により、トマトときゅうりを食べ合わせても問題はないと考えられます。
それでもビタミンCの変化をなるべく避けたいという方は、加熱調理や酢を加える事によりアスコルビナーゼの働きを抑えることができますので、調理方法で工夫してみてくださいね。
つまりきゅうりの酢の物は妊婦向きな料理といえます。
関連記事
妊婦はトマトを食べちゃダメ?妊娠中のトマトの栄養素や影響と4つの注意点
妊娠中に沢山食べたくなるきゅうり!過剰摂取によるリスクは?
きゅうりを沢山食べる事が妊婦さんや胎児の健康被害に繋がるという説は現在ありませんので、安心して食べても大丈夫です。
食感が良いだけではなく、クセの無い味なので、つわり中も食べやすい野菜の一つとして活用してくださいね。
カロリーも100gあたり14kcalと低い為、おかずだけではなく間食にもうってつけの食材と言えます。
ギネスに記載された事があるのも納得ですね。
とは言え、水分量も多く体を冷やす効果もありますので、食べ過ぎによる下痢などには注意したいものです。
きゅうり自体よりも、味付けの濃さや塩分に注意して
きゅうりは妊娠初期から中期、妊娠後期にかけても食べられる優秀な食材。
つわりの時に、きゅうりを丸かじりして食べる方も多く、たくさんの妊婦さんの食生活に取り入れられています。
ですが、つい味噌やマヨネーズなど調味料でたっぷり味付けしてしまう人は気を付けましょう。
きゅうり自体があっさりとした味であるため、物足りなくなり味付けを濃くしてしまうと、塩分過多に繋がり、妊娠高血圧症候群となってしまう恐れがあります。
関連記事⇒妊娠高血圧症候群とは?原因や症状と治療方法、4つの予防策
妊娠中は調味料を少なめに付ける事を意識したり、酢の物や浅漬けといったあっさりした味での調理、サラダにする際はカロリーオフのドレッシングでいただく事をおすすめします。
ちなみにきゅうりの浅漬けに醤油をかける習慣のある方がいらっしゃいますが、醤油は塩分濃度の過多に繋がりかねませんのでこれを機に控えましょう。
漬物と妊娠についての記事はこちらで詳しく解説しています。⇒妊婦は漬け物を食べちゃダメ?妊娠中の漬物の影響と4つの注意点
例えばちくわと併せて食べれば、ちくわに味付けがされているので、薄味でも十分美味しく食べられるのでおすすめです。
きゅうりを生で食べるときはしっかり洗ってから!
生の野菜には大腸菌をはじめとした食中毒の原因菌が付着していることも…。
妊娠中は特に免疫力が低下しがちなので、生のきゅうりはしっかり水洗いしてから食べるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
きゅうりに対する誤解などがとけた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
生食に限らず、炒めたり加熱して食べても美味しいきゅうり。
むくみ防止にもなり、胃もたれの際にも食べやすい野菜の一つですので、妊娠中も安心していただきましょう。