妊娠中は口にするものの質が気になりますよね。
ただのお茶でさえ、胎児に影響がないか心配になるもの。
この記事ではカフェインが少ないともゼロとも言われる玄米茶の特徴と、2つの注意点についてまとめました。
・玄米茶はリラックスできるお茶
・カフェインが少なく1日10杯くらいは安心して飲める
・カテキンの抗酸化作用はあっても薬ではないので過剰に期待しないで
・ビタミンは含まれているけれど栄養は食事でしっかり取って!
香ばしさを楽しめる玄米茶について、ひとつずつ見ていきましょう。
目次
玄米茶はリラックスできるお茶
玄米茶はその名の通り、玄米を使ったお茶。
玄米と言えば発芽に作用するアブシジン酸が人体に有毒なので「大丈夫?」と不安に思う人がいるでしょう。
しかし、玄米茶に使われる玄米は煎っているので、大丈夫。
安心して飲めますよ。
玄米茶とは、番茶と煎った玄米をほぼ同量ずつ加えた緑茶の一種です。入っている玄米は、煎った茶色い米粒状のものと弾けさせてポップコーン状にしたものの2種類がありますが、茶色い米粒状の玄米が多く入っているものほど風味がよく高級な玄米茶です。
番茶が含まれているのでお茶独特の渋みはありますが、そもそも番茶は味がさっぱりしていて飲みやすいのもの。
煎った玄米の香ばしさも楽しめ、さらにテアニンという香りの成分がリラックス効果をもたらしてくれます。
玄米茶は、安価で家庭向きの身近なお茶。
味覚が変わったり、特定の食べ物や匂いが苦手になったりする妊娠中でも口にしやすいものです。
玄米茶はカフェインが少なくて妊婦さんにおすすめ
麦茶以外のお茶はカフェインの量が多く、どうしても飲むのがためらわれてしまいますよね。
しかし、玄米茶はカフェインがかなり少ないのが特徴です。
<100mL中に含まれるカフェインの量>
紅茶:30mg
煎茶:20mg
烏龍茶:20mg
ほうじ茶:20mg
玄米茶:10mg
(引用元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)|文部科学省)
カフェイン0ではありませんが、紅茶の1/3、煎茶の半分のカフェインなので、気軽に飲んでOKですよ。
カフェインは、日本に摂取基準がありませんが、海外では目安となる量が示されています。
<欧州食品安全機関(EFSA)>
大人では、カフェイン摂取量が3 mg/kg体重であれば急性毒性の懸念はないとし、これから、体重70 kgの大人であれば、1回当たり200 mgのカフェイン摂取であれば健康リスクは増加しないとしています。また、習慣的なカフェイン摂取に関しては、妊婦を除く大人では1日当たり400 mgまでであれば健康リスクは増加しないとしています。
妊婦及び授乳婦については、習慣的なカフェイン摂取に関し、1日当たり200 mgまでであれば、胎児や乳児の健康リスクは増加しないと評価しています。
(引用元:カフェインの過剰摂取について|農林水産省)
日本人の体格差や内臓機能を比較すると、日本人の場合は1日に150mg以内に抑えるといいと考えられます。
つまり、玄米茶なら1日に10~15杯くらいは飲んで大丈夫ということに!
(お茶1杯を100~150mLと考える)
カフェインはゼロではないので無制限に飲んでいい訳ではありませんが、それほど神経質に考える必要はありません。
カテキンの抗酸化作用はあっても薬ではない
玄米茶が持つ嬉しい作用に、ポリフェノールであるカテキンが持つ抗酸化作用があります。
体の中の活性酸素を抑えてくれ、老化が抑えられたり、細胞が傷付くのを防ぐ作用を期待して飲む方も居ます。
他にも、血中コレステロールを低く抑えたり、脂肪の吸収を抑えるといった効果が報告されています。これらが本当なら、玄米茶を飲まない理由はありません。
妊娠中は少しでも体を大切にしたいもの。薬が飲めないので、体に良い成分は積極的に摂りたいですよね。
ですが、いくら抗酸化作用があるといっても玄米茶はお茶。薬ではありません。
玄米の効果を過剰に期待しないようにしてくださいね。
ビタミンは含まれているが栄養は食事でしっかりと!
よく「玄米茶はビタミンが豊富で美肌効果がある」などと言われます。
確かに、玄米茶には、ビタミンB6、葉酸、ビタミンCが含まれています。
ですが、玄米茶1杯当たりに含まれている量は微々たるもの。
<玄米茶の栄養成分>
エネルギー 0kcal
タンパク質 0g
炭水化物 0g
脂質 0g
水分 99.9%
ナトリウム 2mg
カリウム 7mg
カルシウム 2mg
マグネシウム 1mg
リン 1mg
銅 0.01mg
ビタミンB2 0.01mg
葉酸 3μg
ビタミンC 1mg
「高い健康効果が得られる!」と断言するほどの濃度ではありません。
例え玄米茶を10杯飲んでも、妊婦さんが1日に取りたいビタミンCの量(110mg)を充足できるほど十分な量を取れるわけではありません。
玄米茶を飲んだからといって安心せず、栄養素は必ず食事でしっかり取ってくださいね。
妊娠中に飲める嬉しいお茶
玄米茶は香ばしさが楽しめる、カフェインが少なくて妊婦さんが安心して飲めるお茶です。
香り成分が豊富でリラックス効果が得られる他、カテキンの抗酸化作用やビタミンによる健康に良い効果も。
ただ、玄米茶はお茶であって薬ではありません。
効果を過剰に期待せず、栄養は食事でしっかり取ってください。
妊娠中でも気楽に口にできる安価で家庭向きの飲料。
そのくらいの気持ちで飲んでみてください。