子どもが複数欲しい人は、産後はいつから妊娠できるのか気になりますよね。
一人目を出産したのが遅かった方も心配でしょう。
産後の妊娠は生理再開時期が大きく関係していますが、いつ生理が再開するのかは人によって様々!
でも、早く妊娠できる体にしたり、妊娠しないようにすることができます。
この記事では、産後、妊娠できるようになる生理再開時期と、早く妊娠したい人や妊娠したくない人が取るべき対策を紹介します。
目次
母乳育児していると産後の妊娠時期は遅れる
産後の妊娠には母乳が大きく影響します。
母乳が出ている女性の体の中ではプロラクチンというホルモンが働いています。
プロラクチンは母乳を作るのと同時に、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの働きを抑えてしまいます。
エストロゲンやプロゲステロンは排卵が起こるのに必要不可欠なホルモン。
プロラクチンが多く分泌されている間は、エストロゲンやプロゲステロンが働けないので排卵が起こりません。
母乳育児をしていると赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激が毎日何度も脳に送られ、プロラクチンが多く分泌されます。
つまり、母乳育児をしていると排卵が起こらないのです。
母乳育児をしている間は妊娠しない可能性が高いですよ。
産後、妊娠が可能になるのは産後3~12か月目
出産した後、再び妊娠できるようになるのは産後3~12か月目くらい。
これは生理が再開する時期とほぼ同じです。
生理再開は早い人で産後3か月、遅い人で産後12か月くらいです。
生理が再開するためにはエストロゲンとプロゲステロンが必要です。
エストロゲンとプロゲステロンの働きを抑えてしまう母乳を作るホルモン(プロラクチン)が多く出ている母乳育児中の人は生理再開が遅くなります。
ただ、母乳が出ていれば絶対に生理が始まらない訳ではありません。
母乳で育児をしていても離乳食が始まって母乳を飲む量が減ってくるとプロラクチンの分泌量が減少。
エストロゲンやプロゲステロンの働きが盛んになって生理が始まります。
生理が再開するということは、女性ホルモンの働きで卵子が育ち、排卵が起こって、子宮内膜が厚くなっているということ。
出産による子宮のダメージが回復し、体が再び妊娠できる状態になったことを示します。
生理が再開すれば、妊娠確率は高くなります。
パートナーと関係を持つ時は注意してくださいね。
筆者は上の子を母乳メインで育てました。
生後5か月で開始した離乳食が比較的順調に進んで母乳を飲む量が減ったためか、産後8か月で生理が再開。
一方、下の子はミルクメイン(母乳は少しだけ)だったため、産後4か月で生理が再開。
母乳の影響は非常に大きいですね。
生理再開の時期は人によって様々ですし、同じ人でも産後の育児の仕方で変わってきますよ。
生理が再開する前でも妊娠できる
生理が再開すると妊娠確率は高くなると紹介しました。
しかし、実は生理再開前でも妊娠する可能性があるんです。
どうしてかというと、生理は排卵後に起こるから!
生理が始まった日の約2週間前に排卵が起こっていますので、そのタイミングにパートナーと性的な関係を持てば妊娠することも。
多くの場合、母乳で育児をしていても産後8か月くらいで生理が再開します。
つまり産後8か月頃には妊娠する可能性があります。
母乳が出ているから大丈夫、と思わないようにしたいですね。
産後の妊活の注意点
出産後の妊活については、人によって考え方が違いますし、体の状態によっては妊娠したくても難しいケースも。
次のような注意点に留意しながら、次の妊娠を考えてくださいね。
性的な関係を持つのが苦痛ではないか
出産後、性的な関係を持つのが苦痛になるという女性がいます。
これは母乳を出すホルモン・プロゲステロンの働きによってエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が低下していて、性的な行為に体がうまく対応できず痛みを感じることがあるから。
また、育児で心身共に疲れている体では、とてもそのような気分にならないということも。
さらに、産後、子どものことで頭がいっぱいになり、パートナーに対する関心や興味が薄れるという女性もいます。
このように、心身に余裕がない状態では性的な関係を持つこと自体が苦しいですし、万が一、妊娠したら女性の負担はさらに増大!
必ずお互いが心身共に安定した状態になり、妊娠してもいい、と思えるような状態になってから妊活するようにしてくださいね。
子どもを何人産むのか予め話し合いを!
赤ちゃんはとても可愛いですし、一人産むと兄弟・姉妹を作ってあげたいと思うもの。
特に、兄弟・姉妹が多かった方は「もっと産みたい!」と思うかもしれません。
しかし現実問題、妊娠・出産・子育てには非常に多くのお金がかかります。
また、お金だけでなく親の労力も非常に大きいもの!
さらに、妊娠・出産・育児によって働く時間を短くしたり、働き方を変える必要が出ることもあって収入が減ることがよくあります。
実際の収入がどれくらいか。
家の購入や保育料、習い事、就学・進学にかかる費用など。
何人までなら親子双方が望む育児ができるか冷静に考えてみましょう。
最初から「産めばなんとかなる!」という考えはお勧めできません。
年齢が高くなればなるほど、妊娠確率は下がる
忘れないで欲しいのは、妊娠確率は年齢が上がるにつれて下がるということ!
避妊せずに性的な関係を持っている場合の妊娠率は次のように変化します。
<年代別妊娠確率>
・20歳前半:30%
・30歳:20%
・35歳:10%
一方で、流産する確率は年齢が高くなるに従って上昇し、一般的には15%程度ですが40歳では20~30%、45歳では30~50%に。
さらに年齢が高くなると妊娠高血圧症候群のリスクが高まったり、胎児に先天性の障害が起こる確率もアップ。
2人目高齢出産になる可能性があるので、何歳くらいで妊活するのか検討してくださいね。
【参考】女と男のディクショナリー
早く妊娠したい人の対処法
色々な事情があって、2人目以降の子を早く妊娠したい人もいますよね。
その方は次のような方法で妊娠しやすい体にしましょう。
ミルクで育てる
産後はプロラクチンが分泌されて母乳が出るようになります。
しかも、赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激によってより多くのプロラクチンが分泌され、母乳がどんどん作られるように!
一方、赤ちゃんがおっぱいを吸わなくなると刺激がなくなり、脳が「母乳はいらないんだ」と認識します。
すると、母乳を作るためのプロラクチンが分泌されなくなり、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が増えます。
エストロゲンやプロゲステロンが分泌されるようになると、体は次の妊娠に備えるようになり、排卵が起こって生理も再開。
早く妊娠したい方は母乳育児をストップしてミルクで育て、早くプロラクチンが止まるようにしてくださいね。
体を充分、休める
妊娠するためには、子宮や産道の傷が治らなければなりません。
さらに、ホルモンバランスが崩れる原因のひとつであるストレスを溜めないようにするのも重要です。
赤ちゃんを育てていると思うように休息時間を取れないかもしれませんが、できるだけ体を休め、傷を治し、次の妊娠に備えるための体力を付けたいもの。
できる限り早く体を回復させ、妊娠できる状態に持って行きましょう。
バランスのよい食事
妊娠するためには、体の栄養状態を良好にしなければなりません。
子宮などの傷を治すための栄養と、内臓の調子を整えるための栄養が欠かせません。
特に葉酸や鉄分など、不足しやすい栄養素をしっかり補うようにしてください。
なにをどれくらい食べればいいのか考える時に参考になるのが農林水産省の食事バランスガイド!
食べるものと量が具体的に図解されているので分かりやすいですよ。
栄養をバランス良くしっかり摂って妊娠に備えてくださいね。
【参考】食事バランスガイド|農林水産省
妊娠したくない人の対処法
子どもの数を制限したり、兄弟・姉妹が欲しくても今すぐは妊娠したくない、という方もいますよね。
その場合は、男性が避妊するようにしてください。
残念ながら、授乳中はピルなどを服用することができませんし、産後直ぐは子宮内避妊具を使用できません。
つまり、避妊するためには男性側が避妊措置を取る必要があるのです。
よく「膣外射精すればいい!」と考える方もいますよね。
しかし、膣外射精しても妊娠する可能性はあります。
妊娠を望まない場合は必ず男性が理解を示し、避妊するようにしましょう。
必ずコンドームを正しく使用するようにしてくださいね。
兄弟・姉妹を何歳差にするのがベスト?
一人目出産後、次の子を何歳差にするのか迷う人も多いと思います。
何歳差にしても一長一短ですし、親御さんの年齢なども関係しますから、自分がいいと思う年の差にするといいでしょう。
年子や2歳差などの場合は、乳幼児の時期が重なって非常に大変ですが、育児がほぼ一度に終わりますし、遊びのレベルがほぼ同じでいいですよ。
洋服やオモチャなどのおさがりも利用しやすいのもメリットです。
3歳差になると、入学・卒業が重なって出費がかさむデメリットがありますが、上の子は「年上」という意識を持ちやすく、下の子は上の子を「手が届きそうな目標」として対抗心を燃やせる年齢差です。
4歳以上離れると、上の子に育児のお手伝いを頼め、頼もしく感じることも。
ただ、年齢が離れすぎると「上の子も下の子も一人っ子と同じ状態で甘えん坊になる」とも言われます。
筆者の子は3歳差です。
私と夫の年齢がネックでもっと早く産みたかったのですが、1人目を帝王切開で産んだこと、上の子の保活、自分の仕事復帰時期、夫の転勤など。
様々な要因が重なって3歳差になりました。
上の子の入学の記憶がまだ残っているうちに下の子が入学になったり、下の子が姉を目標にして努力する姿が見られたり、下の子が上の子の学習の様子を見ていて勝手に色々なことができるようになったり、本気でケンカする姿を見たり。
いいと思う面もあれば、もう少し年の差があった方がよかった、と思うこともあります。
計画通りに妊娠できる訳ではありませんし、何歳差にしてもメリット・デメリットはあるので、考えすぎない方がいいかもしれませんね。
帝王切開で出産した人の妊活の注意点
帝王切開した人は、経膣分娩した人よりも次の妊娠について注意が必要です。
理由は、子宮を切っていること、傷が完全に治るまで時間がかかること、次の妊娠・出産時にリスクが高い妊婦になることです。
具体的に注意しなければならないことを具体的に見てみましょう。
一年以上開けてから妊娠したい
まず、帝王切開で出産した方は、一年以上期間を空けてから次の妊娠をするのが望ましいとされています。
理由は、帝王切開したことで子宮に傷があり、傷が完全に治るまで時間がかかるからです。
もし子宮の傷が完全に治らないうちに妊娠してしまうと、傷が開いて赤ちゃんが子宮の外へ出てしまう危険が!
また、赤ちゃんがお腹に居る間は問題無くても、陣痛が起こって子宮が強く収縮した時に傷が開く危険も!
傷がどれくらいの期間で完全に塞がるのか個人差はありますが、一年間は待った方が良いですよ。
もし、一年以内に次の子を妊娠した場合は産婦人科でその旨を伝え、妊娠中と出産時に万が一のことが起こっても対処してもらえるようにしておきましょう。
帝王切開で出産したことが不妊に繋がるケースも
帝王切開で出産した方の中には、子宮の傷の治りが悪く、結果、不妊になってしまうケースがあります。
手術の際に切開した子宮の傷(切開創)の治りが不完全であると、その傷口から微量の出血が続き、それが子宮内に溜まって妊娠を妨げるのが原因で、このような病態を“帝王切開術後瘢痕(はんこん)症候群“と呼んでいます。
帝王切開の傷が治りきらず出血が続くと子宮内に血が溜まり、精子の通過を妨げたり、受精卵がうまく着床できない原因になります。
もし、帝王切開で出産した後、妊活を開始してから1年以上妊娠できなかったり、月経が終わっているはずなのに出血が続いたりする場合は、一度、産婦人科で診てもらいましょう。
帝王切開の傷を整形したり、子宮内に溜まった血を取り除いて次の妊娠を試みることになります。
次の出産をどうするか医師と相談を
帝王切開で出産すると、次の出産も帝王切開と言われるのが一般的です。
筆者も上の子を帝王切開で出産し、下の子の出産時には「何週目であっても陣痛が来たら帝王切開するから臨月になったら気を付けて」と言われ、予定日より17日早く帝王切開となりました。
帝王切開で出産した経験がある人はリスクの高い妊婦になります。
なぜなら、前回の帝王切開の傷の状態によっては子宮破裂の危険があり、妊娠中や出産時に母子共に命が危険になることがあるから!
特に陣痛が起こると子宮に強い負荷がかかり、傷が開いて子宮が裂け、大量出血を起こすと共に、胎児が子宮の外へ出てしまう子宮破裂の危険があります。
このため、医師はリスクが低い帝王切開を勧めるのです。
しかし、帝王切開の傷の位置や胎児のサイズ・姿勢、妊婦の体の状態などの条件が整えば経膣分娩(VBAC)も可能です。
ですから、帝王切開で出産した方も最初から経膣分娩を諦める必要はありません。
医師とよく相談し、出産時の状態に応じて出産方法を選ぶといいですよ。
まとめ
産後直ぐは母乳を出すためのホルモン・プロラクチンの働きにより、排卵や生理が起こらないので妊娠しません。
母乳が出ている間は妊娠しにくいのですが、赤ちゃんが母乳を飲む量が減ってくるとプロラクチンが減って生理が始まる可能性が高まります。
生理再開の時期はは産後3~12か月と人によって様々。
生理再開は再び妊娠できる状態になっている合図です。
ただ、生理開始前に排卵が起こっているので、生理前でも妊娠することがあるので注意してくださいね。
早く妊娠したい人はミルク育児をしながら体を回復させ、バランスのよい食事で栄養状態をよくしましょう。
逆に妊娠したくない人は男性の避妊を徹底してください。
産む子どもの数はよく相談し、何歳差の兄弟・姉妹にするか考えてみてください。
何歳差になっても一長一短なので、家庭の事情に合わせて妊活するといいですよ。
ただ、帝王切開で出産した方は、子宮の傷が完全に治ってから妊娠しなければ子宮破裂などのリスクが高まるので一年くらいは期間を空けたいもの。
妊娠・出産についてよく医師と相談するようにしてくださいね。