ウォーキング、つまり『歩くこと』は健康に良いとされています。
では、妊娠してもそれは変わらないのでしょうか?
答えを先に伝えますと、『良い』です。
しかし、妊娠をしたらホルモンバランスの影響や、赤ちゃんがお腹にいることで、普段とは違う身体になっています。
少し歩いただけなのに、お腹が痛くなったり、下腹部痛が起こったり……。
以前は起こらなかった身体の不調に戸惑うこともしばしば。
では、痛みを感じたらどうしたらいいでしょうか?
歩かないでじっとしていたほうが赤ちゃんのためになるのでしょうか?
妊娠初期に歩くことについて、疑問はたくさんあります。
この記事では、妊娠初期の歩くことに関する疑問と解決策をご紹介します。
この記事でのポイントは4つです。
- 歩くと腹痛、下腹部痛などが起こる原因
- 歩く距離はどれぐらいがいい?時間は?
- 歩くとすごく疲れる原因
- 歩くのが遅くなったと感じる理由
以上のポイントを全て読んでいただければ、妊娠初期の歩くことへの不安が拭えるはずです。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
歩くと腹痛、下腹部痛などが起こる原因
妊娠初期に『歩いているとお腹やお腹の下あたりが痛くなってきた』『腰がなんだが痛い感じがする』
そんな時は、子宮が収縮しているサインです。
俗にいう『お腹が張っている』状態。
腹痛や下腹部痛、腰痛などがこれにあたります。
これが後期になるとお腹が硬くなるのですぐにわかるようになりますが、妊娠初期だとあまり張るという感覚はわかりにくいかもしれません。
見た目にも変化はなく、妊娠3ヶ月頃(妊娠8週~11週)で触ってみてわずかにふっくらしていると感じる程度。
そのため初期の時は、張る=痛みで、子宮が収縮しているという合図だと思ってください。
この腹痛の原因、子宮の伸縮は、妊娠初期は胎盤が未完成なこともあり、よく起こります。
これはごく普通の現象で、伸縮を繰り返しながら子宮は大きくなっていくのです。
ですので、焦ったり慌てたりせずに、下腹部に痛みを感じたら無理はせず、座ったり横になったり、身体を休めましょう。
そうすることで、徐々に痛みは鎮まっていきます。
しかし、強烈な痛みを伴うものは別です。
歩けないぐらいの痛みや、気を失いそうなほどの痛みなど、そんな時は流産や切迫流産になりかかっている危険な状態かもしれません。
激しい痛みを感じた時は、すぐに病院を受診するようにしましょう。
歩く距離はどれぐらいがいい?時間は?
先程も述べたように、妊娠初期は胎盤が未完成で非常に不安定な状態。
またつわりの症状が強くでるため、積極的に運動しようとしてもできない時が多いでしょう。
特にする必要もないので、無理にでも運動をしようと考えなくてもいい時期です。
では、ずっと歩かないでいいのでしょうか?
極論から言えばそうなるかもしれませんが、ずっと家にこもっていると気分が塞ぎがちになりますよね。
妊娠すると、ホルモンバランスの変化の影響やなれない妊娠生活、生まれてくる赤ちゃんへの不安や心配で、普段の時以上にストレスがたまりやすく、ネガティブな思考になりやすくなっています。
ですので、気分転換も兼ねて、ちょっとした散歩をすることをおすすめします。
運動が妊娠時に効果を示すのは中期~後期なので、初期はその時の予習という楽な気持ちで歩くことにしましょう。
歩く時間としては、だいたい30分ぐらいが目安です。
時間も体調に合わせて減らしたりしてくださいね。
距離は、あまり遠くに行くのではなく自宅近くのスーパーや公園などがおすすめ。
その際お腹が痛くなってきたらすぐに歩くのをやめて休憩してください。
そしてもし休んでも痛みがおさまらないようなら、病院を受診しましょう。
なにがあっても慌てないように、外出するときは母子手帳と診察券、タオルなどを持参していくのを忘れずに。
歩くとすごく疲れる原因
妊娠初期は特に少し歩いただけで息切れをしてしまったり、ひどく疲れてしまう場合があります。
これは妊娠によるホルモンバランスの変化が原因となっています。
プロゲステロンという黄体ホルモンの分泌が活発になり、体温を上昇させます。
俗にいう『高温期』が続いているので、だるさが継続し、疲れやすくなるんですね。
眠気を強く感じるのもこの影響です。
この高温期状態ですが、妊娠中期になると落ち着いてきます。
それと同時につわりも落ち着くので、初期と比べるとだいぶ心身共に楽になります。
ですので、妊娠初期は疲れやすいものなんだと割り切り、こまめに休憩をとるように心がけましょう。
歩くのが遅くなったと感じる理由
お腹が大きくなっていない初期でもそう感じる方がいます。
実際のところ、遅くなっているのでしょう。
その理由は色々です。
つわりで体調が万全ではなかったり、お腹に赤ちゃんがいる自覚が生まれているので、無意識に転ばないように慎重に歩いたり……。
ガニ股・すり足になっていて、他人に指摘されて気付いた方も中にはいるでしょう。
無意識に手をお腹に添えていることもあるかもしれません。
でも、気にして早く歩かなきゃ……なんて思わなくてもいいです。
妊娠したら遅くなってもいいんです。
いえ、むしろ遅くなったほうがいいんです。
日本人はせかせかしているとよく言われますが、私もそのとおりだと思います。
妊娠前は常に時間を気にしながら急いで生活を送っていましたが、妊娠を機に、ゆったりとした生活になりました。
全ては『赤ちゃんを健康に育てるため』。
ママになると、無意識にその願いが身体に働きかけ、歩くのを遅くしているんです。
ゆったりとした生活を心掛けていると、転倒の防止に繋がり、精神の安定に繋がっていき……と、いいことばかりです。
妊娠したら、全てにおいてスローライフを送ることが理想ですね。
妊娠初期は無理に歩く必要はありません
ご紹介したように、妊娠初期は子宮の伸縮が盛んにおこなわれているため、腹痛が起こりやすくなっています。
特に運動を推奨する時期でもないので、積極的に歩く、ウォーキングするというよりは、用事のついで買い物をするなど、歩くことはそれぐらいで充分です。
無理は絶対に禁物。『ほどほど』を心掛けて歩くようにしてくださいね。