麦、米に並ぶ世界三大穀物の一つともされているとうもろこし。
野菜として夏場に食べる方も多いのではないでしょうか。
そのままでももちろん、最近はコーン茶というものも人気を集めています。
伊藤園が販売している『北海道とうきび茶』も、香ばしい風味が美味しいですよね。
こういったように甘くておいしいとうもろこしですが、妊娠中に食べても問題はないのでしょうか?
とうもろこしの栄養素や、過剰摂取による注意点などをまとめてみました。
- とうもろこしは穀物でもあり野菜でもある!?
- 妊婦さんはとうもろこしを食べても大丈夫?
- こんなに沢山!とうもろこしの栄養
- とうもろこしの栄養を効果的に摂る調理方法はこれ!
- とうもろこしのひげ茶は妊娠中に飲んでもいい?
とうもろこしを食べたい妊婦さんの参考になりましたら幸いです。
目次
とうもろこしは穀物でもあり野菜でもある!?
名前の由来は唐(中国)から来たもろこし、という事でとうもろこしと呼ばれています。
とうもろこしの栽培の歴史は古代文明までさかのぼり、日本に伝わったのは16世紀頃。
一般的に出回っているとうもろこしは未熟な穂であり、これらを茹でたり焼いたりと手を加えて食すため野菜の定義とされていますが、イネ科であり分類としては穀物とされています。
完熟した種子は粉末状にし、コーンフレークやパン、トルティーヤ、加工を経てコーンスターチなどの原料にも。
今回はよく出回っている野菜としてのとうもろこし・スイートコーンを基準とし、とうもろこしが妊娠に適した野菜なのか検証してみましょう。
妊婦はとうもろこしを食べても大丈夫?
結論から言いますと、妊婦さんがとうもろこしを食べることによって何らかのリスクにさらされることはありません。
ですので、妊娠中も安心して食べても良いでしょう。
ただし、とうもろこしには便通作用がある為、食べ過ぎるとお腹が緩くなる可能性があります。
これはトウモロコシの皮に含まれる、不溶性食物繊維の一種「セルロース」が関係しています。
不溶性食物繊維はコレステロールの吸収を抑えたり、腸内の便のかさを増やし、排泄を促す効果があります。
しかしこれが効きすぎてしまうと、人によっては下痢を引き起こすことに。
よってトウモロコシの食べ過ぎには注意しましょう。
また、トウモロコシは栄養豊富ですが、糖質が高いため妊娠糖尿病の予備軍の方は気を付けたいですね。
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて見つかった糖代謝異常のこと。
妊娠前から糖尿病である場合は妊娠糖尿病には含まれません。
もし妊婦さんが妊娠糖尿病にかかると赤ちゃんも高血糖になり、心臓の肥大や形態異常、巨大児などの悪影響を及ぼします。
最悪流産や胎児死亡にもなりかねません。
そうったことから、やっと授かった大切な命を守るためにも他の食事と合わせてバランスよく摂取することが好ましいです。
こんなにたくさん!とうもろこしの栄養
トウモロコシにはどのような栄養素が含まれているのでしょう?
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- 葉酸
- パントテン酸
- ビタミンC
など、主食にも得るトウモロコシには、ざっと挙げただけでも様々な栄養が含まれていることが分かりますね。
中でも特に妊婦さんにとってメリットのある栄養素を紹介いたします。
ビタミンB群の一つでもある葉酸は妊娠初期の妊婦さんに欠かせない栄養源であり、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げる他、たんぱく質や細胞を作る役割も果たしている為、積極的に摂取していきたい栄養素です。
トウモロコシ1本には142.5μgもの葉酸が含まれています。
葉酸に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参考まで。
参考記事⇒妊娠初期に葉酸は絶対必要!国が葉酸摂取をおすすめする理由と2つの簡単メニュー
また、ビタミンCは肌や粘膜を健康的に保ち、妊娠中の色素沈着やシミの予防、改善にも役立つビタミンです。
美容を重視する妊婦さんには嬉しい栄養ですね。
また、鉄分の吸収も促す作用があるため、貧血になりがちな妊婦さんの嬉しい味方です。
さらにビタミンB6には、胃や腸の粘膜を健康的に保って吐き気を軽減する働きがある為、つわり中に効果的な栄養素です。
そしてナイアシンは妊娠中のお母さんが継続して摂取することで、生後の赤ちゃんのアトピー性湿疹のリスクが下がることが近年論文で発表されました。
次にミネラルでは
- カリウム
- マグネシウム
- モリブデン
などを含み、特にカリウムは利尿作用があるためむくみがちな妊婦さんにもおすすめのミネラルです。
参考記事⇒妊婦にミネラルは必要?摂取量の目安やおすすめ食品と4つの注意点
カリウムは血圧を下げる役割も担っている為、妊娠高血圧症にも効果的でしょう。
妊婦がとうもろこしの栄養を効果的に摂る調理方法はこれ!
茹でて食べる事が多いとうもろこしですが、豊富に含まれている栄養素をなるべく壊さずに摂りたいところ。
茹でる際は水を少なめにし、茹でるというよりは蒸すように調理すると栄養を逃しにくいです。
とうもろこしに限らず、野菜の栄養は煮込むと溶け出してしまいやすいので、煮汁を使わない場合は水を少なめにして茹でるのがおすすめです。
また、とうもろこしには鮮度や栄養が落ちやすいという難点もありますので、買ったらすぐに調理しましょう。
実よりも胚芽に栄養が多く含まれているため、面倒でなければ包丁を使ってそぎ落とすよりも手で毟るように外した方が栄養が無駄になりません。
店頭で選ぶ際は、なるべく皮つきで実の大きさが揃っている綺麗なものを選ぶと良いでしょう。
とうもろこしのひげ茶は妊娠中に飲んでもいい?
香ばしさとほんのりとした甘みが人気のとうもろこしのひげ茶。
ノンカフェインでお腹の赤ちゃんにも害はなく、カリウムを含んでいるためむくみを解消する効果もある、おすすめのお茶です。
とうもろこしのひげ茶は妊娠中も問題なく飲むことができますので、安心してくださいね。
栄養豊富なとうもろこしを食べて、妊娠中も健康的に
とうもろこしもひげ茶も、妊娠中に安心して摂取できるものだということが分かりました。
妊婦さんに効果的な栄養がたっぷり含まれたとうもろこしを食べて、赤ちゃんと共に健康的な妊娠期間を過ごしましょう!