妊娠後期の便秘が苦しい!7つの解消法と便秘が出産時に与えうる危険について

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間近にせまる出産に向けて体調を整えたい妊娠後期ですが、お腹が一層大きくなることにより、さまざまなマイナートラブルが増える時期でもあります。

その代表的なものが便秘で、妊娠後期はもちろん、妊娠中は便秘に悩んでいる妊婦さんは大変多いと言われています。

苦痛な便秘が起きる原因は何で、どう解消すれば良いのでしょうか。

また、便秘は出産時や赤ちゃんに悪影響を及ぼす危険はないのでしょうか。

  • 妊娠後期の便秘の原因
  • 妊娠後期の便秘の解消法
  • 妊娠後期の便秘は胎児や出産に悪影響?

今回は上の3つのポイントに沿って、妊娠後期の便秘について解説します。是非、つらい便秘の解消法を実践し、出産に向けた不安は少しでも減らしておきましょう。

目次

妊娠後期の便秘の原因は?出産間際のストレスや、いきむのが怖いのも原因の一つ?!

妊娠中の体のトラブルとして、妊娠初期から出産までを通して便秘はつきものと言います。

その大きな理由の一つに、妊娠することで分泌量が増加する女性ホルモンが、体に水分をため込み便を固くするため、便秘になりやすいというものがあります。

今回はそれ以外に、特に妊娠後期に便秘になる原因として考えられることを4つお伝えします。

1. 大きくなった子宮が腸を圧迫するため

妊娠中、赤ちゃんの成長にあわせて徐々に大きくなる子宮ですが、妊娠後期には一層その大きさは増し、腸を含めたほかの臓器を圧迫します。

子宮によって胃腸が圧迫されることで、食べ物の消化吸収機能が弱まり、便秘を起こしやすくなる原因になります。

また、臨月になると出産に向けて子宮の位置が下がってくるため、胃への圧迫は多少改善されますが、腸への圧迫はさらに強まり、便秘の症状が悪化する場合があります。

2. お腹が大きくなることで運動不足になりがちなため

妊娠後期に入りお腹がますます大きくなると、体を動かす負担も増えるため、どうしても運動不足になりがちです。

運動不足になり筋力が衰えると、排便を促すための腸の蠕動(ぜんどう)運動も弱まってしまうため、便秘を長引かせてしまう原因になります。

3. 出産が近づくストレスや不安で自律神経が乱れるため

ストレスや心理的不安を抱えると自律神経が乱れます。

自律神経というのは、胃腸の動きと密接に関係しているため、自律神経が乱れることによって腸の動きも鈍り、便秘になりやすくなってしまいます。

妊娠後期~臨月にかけては、出産が近づくことにより「いつ産まれるんだろう」「ちゃんと元気な赤ちゃんを産むことができるかな」と精神的なストレスを感じやすい時期でもありますので、それが便秘を悪化させている一つの原因とも考えられます。

4. いきむのが怖くてなかなかいきめないため

妊娠後期に入りお腹が大きくなるにつれて、便を出すときにいきむ行為が早産を促したり、お腹の赤ちゃんに負担をかけてしまうのではないかと、不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。

便意を感じても十分にいきめないことが、便秘の原因の一つになっている可能性もあります。

多少いきんでも出産や赤ちゃんに影響はないと言われていますので、便秘を悪化させるよりは、無理ない程度にいきんで便通を促しましょう。

妊娠後期の便秘解消法7選 ~ 苦しい便秘を改善する食べ物は?ひどい場合は便秘薬も!

妊娠後期に多くの方が悩む便秘は、どう解消すればよいのでしょうか。

苦しい便秘の解消方法を7つ紹介します。

1. 食物繊維の多い食べ物を食べる

便秘がつらいときは、食物繊維の豊富な食材を中心に食べることで、便通を促しましょう。

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、便秘解消のためにはその2つをバランス良く摂ることが重要です。

・不溶性食物繊維が豊富な食材…サツマイモ・ゴボウ・大根・じゃがいもなど根菜類、納豆・豆腐など豆類、きのこ類、プルーンなど

・水溶性食物繊維が豊富な食材…昆布・わかめなど海藻類、アボカド・りんご・バナナ・プルーンなど果物

2.腸内環境を整える作用のある食べ物を食べる

腸内の善玉菌を増やし便をやわらかくする作用のある食べ物を食べることで、便秘の解消につながります。

ヨーグルトなどの乳製品や、きな粉・ゴボウ・納豆・バナナ・ニンニク・はちみつなどオリゴ糖を含む食材が、便をやわらかくする作用があります。

よく、「ヨーグルトにプルーンを入れて食べると便秘に効果的!」と言いますが、ヨーグルトには乳酸菌が豊富で、プルーンは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランス良く含んだ食材のため、便秘解消に効果的な組み合わせだと考えられます。

3. 水分補給をしっかり行う

水分不足も便秘の原因の一つです。

特に妊娠中は、赤ちゃんの成長や羊水に大量の水分が使われるため、水分不足になりがちです。

こまめに水や麦茶などで水分補給を行い、1日1.5リットル~2リットルを飲むようにすると良いでしょう。

4. 油分は摂りすぎに注意し、適度に摂取する

油の多いものは消化しづらく胃腸にとどまるため、食べ過ぎないようにすると良いでしょう。

ただし、油分は便の潤滑剤のように排便を促す効果もありますので、極端に減らしすぎるのも良くありません。

食べ過ぎには気をつけながら、適度に油分を摂取すると良いでしょう。

おすすめの油はオリーブオイルです。

オリーブオイルに含まれるオレイン酸には腸の動きをサポートする作用があるため、便秘解消に効果的です。

5. ウォーキングやマタニティヨガで適度に運動する

運動不足は便秘の原因の一つです。

妊娠後期はお腹が大きくなり動くのが億劫になりがちですが、無理のない範囲で運動をしておくことで、便秘解消はもちろん、出産時そして出産後の子育てに向けた体力づくりにも効果的です。

ウォーキングやマタニティヨガ、ストレッチの他、家の掃除ついでに体を動かすこともおすすめです。

6. 体を冷やさない

体が冷えると腸の動きが低下し便秘を悪化させる原因になります。

体、特にお腹から下の下半身は冷やさないように注意して、腸の動きを良くするようにしましょう。

7. 病院で便秘薬を処方してもらう

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妊娠中はあまり薬に頼りたくないと思う方も多いかもしれませんが、苦しい便秘を我慢すると、精神的なストレスになるだけでなく、お産の進行にも悪影響を及ぼす可能性があります。

便秘がひどい場合や、出産が近づいてもなかなか改善しない場合は、産婦人科で妊娠中でも問題ない便秘薬を処方してもらうと良いでしょう。

便秘は多くの妊婦さんに共通する悩みですので、恥ずかしがらずにつらいときは早めに病院で相談をしてみましょう。

妊娠後期の便秘は出産に悪影響!?便秘がお産や赤ちゃんに与える危険について

妊娠後期に便秘が深刻だと、出産時に良くない影響を与える場合があると言われています。

その影響の一つが、便秘などで腸に便や尿がたまっていると、分娩時の「微弱陣痛」につながる可能性があるということです。

「微弱陣痛」とは、何らかの理由で陣痛が弱いため、分娩に時間がかかりなかなかお産が進行しない症状のことを言います。

微弱陣痛が続きお産の進行が良くない場合は、人工破膜(人工的に破水させること)や、陣痛促進剤の使用を検討することもあります。

また、腸内に便が溜まっていると、分娩時に赤ちゃんと一緒に便も排出されてしまうことがあります。

助産師さんらによってすぐにきれいに処理してもらえますが、赤ちゃんに便の細菌などが感染しやすくなってしまう可能性はあります。

こうした出産時のリスクも考えられますので、妊娠後期の便秘は甘く見ずに、医師への相談や便秘薬の使用も検討しながら、改善できるように努めると良いでしょう。

参考:日産婦誌56巻6号研修コーナー「研修医のための必修知識 / C.産科疾患の診断・治療・管理 / 16.正常経腟分娩の管理」

妊娠後期の便秘はお産にも影響する!しっかり解消して出産に備えよう!

妊娠後期の便秘は妊婦さんに頻繁に起こる症状の一つですが、ほうっておくと出産時にお産の進行や赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。

食物繊維の多い食事や水分補給を意識するなど、自分でできる生活改善と同時に、便秘がつらい場合は早めに医師に相談をすると良いでしょう。

妊娠中でも安全な便秘薬を処方してもらうことができます。

出産までに少しでもつらい便秘を解消して、安全なお産に向けて体調を整えていきましょう。