女性の体は複数のホルモンのバランス変化に敏感に反応します。
その反応のひとつにオリモノがあり、月経周期に合わせて変化します。
この変化と体の悩みが関係していることも!
この記事では、オリモノと月経周期の関係と、妊娠について4つの項目にまとめました。
・オリモノは排卵期が一番多く、生理の時が少ない
・オリモノの役割は体を守ること
・オリモノの量で妊娠を判断するのは難しい
・注意したいオリモノ
女性の体は目に見えない変化に影響されやすく、デリケートな問題を抱えやすいもの。
目に見えるオリモノから得られる情報について、ひとつずつみていきましょう。
目次
オリモノは排卵期が一番多く、生理の時は少ない
オリモノは、子宮や子宮頸部、膣からの分泌物や、老廃物が混ざったものです。
少し酸っぱい匂いがするのが正常で、量も色も個人差があり、月経の周期に合わせて変化します。
月経期:オリモノは少なく、経血に混ざっていて色や匂いが分かりにくい
卵胞期:生理が終わった後の時期。排卵日に向けてオリモノの量が増えていく
排卵期:オリモノが最も多い時期。卵の白身のようなドロッとして伸びるオリモノ
黄体期:排卵後はオリモノの量が減り、生理前日くらいに淡い茶色になることも
排卵期、オリモノの量が増えて不快に感じる女性も多いですよね。
でも、増えるのは自然なことで、多くの女性が同じように感じていますよ。
オリモノの変化は目に見えない体の状態を教えてくれるサイン。
オリモノの量や色は個人差が大きいので、自分の状態を知っておくと月経周期の変化に気付くことができます。
オリモノの役割は体を守ること
オリモノが不快だったり、デリケートゾーンが蒸れたり、痒くなったりして困る、という方もいますよね。
しかし、オリモノは細菌やウイルスが体内に侵入するのを阻止したり、繊細な体を傷付けずに精子をサポートして妊娠を助けるといった、女性の体を守る役割があります。
オリモノの不快感を減らすには、体を締め付けるタイツやタイトなパンツスタイルは避け、通気性のいいコットン素材などの肌着を使うのがおすすめ。
また、匂いが気になっても、石けんなどでゴシゴシと洗いすぎるのはNG!
刺激の少ない泡タイプの石けんで洗い、しっかり泡を流してください。
オリモノは大切な役目を持っていますから、上手に付き合っていきましょう。
オリモノの量で妊娠を判断するのは難しい
一般的にオリモノは排卵期に多くなり、妊娠に向けて精子の受け入れをサポートしたりします。
排卵期が終わるとオリモノは減少していきますが、妊娠した場合はオリモノの量が減りません。
排卵期ほど量が多くはありませんが、赤ちゃんを育てる子宮を守るために粘度が高いオリモノが分泌され続けます。
ただ、増えると言ってもオリモノはオリモノ。
生理のように大量に出るものではありませんし、色が劇的に変わる訳でもありません。
個人差も大きいので、オリモノの量で妊娠した・していないを判断することは難しいので注意してくださいね。
妊娠したかどうかは生理予定日から一週間後くらいに妊娠検査薬を使うのが確実です。
注意したいオリモノ
オリモノの量や色は変化するのが普通ですが、次のような変化があった場合は病気の可能性が!
通常の変化ではないので、必ず産婦人科で検査を受けてくださいね。
白っぽくてポロポロした粉チーズのようなオリモノ
白っぽいおりものは普段のオリモノでもありますが、粉チーズのような、おからのような、ポロポロとしたオリモノが出ることが。
これはカンジダ膣炎という病気の可能性があります。
カンジダ膣炎は、カンジダ菌という常に体にいる菌が増殖してデリケートゾーンの痒みや発疹、痛みが起こる病気。
風邪や疲労、ストレスなどで免疫力が落ちたり、妊娠、通気性のよくない下着などが原因で発症します。
塗り薬で治せますので、オリモノの変化や痒みを感じたら産婦人科で相談してくださいね。
(参考:膣カンジダ|大正製薬)
黄色っぽかったり、緑っぽい色で細かな泡が混ざるオリモノ
風邪を引いた時の鼻水のような、黄色っぽかったり、緑っぽい色のオリモノの場合は、トリコモナス膣炎の可能性が。
これはトリコモナスという原虫が膣内に寄生することで発症する病気で、オリモノの色が変わり、強い悪臭がして、デリケートゾーンがヒリヒリ痛んだり、強い痒みが出たりします。
感染源は多くの場合が男性。尿道や精液に寄生していたトリコモナスが、関係を持ったことでうつってしまうケースがほとんどです。
女性が感染していると分かった場合はパートナーも感染している可能性大なので、一緒に薬で治療するようにしてくださいね。
(参考:トリコモナス膣炎|星光クリニック)
黄緑色の膿のようなオリモノ
ケガをした後に傷口から出てくる膿のようなオリモノで、悪臭があったり、量が非常に多くなったりした場合は、直ぐに産婦人科へ!
膣炎、子宮頸管炎、淋病、クラミジア感染症など、色々な病気の可能性があります。
大切なパートナーにうつす危険もありますし、なにより女性自身が辛い思いをします。
「産婦人科は妊娠のイメージが強くて行き難い」という方もいるかもしれません。
ですが、産婦人科は、産科+婦人科。
婦人(女性)だけの臓器を診てくれる専門科。
気軽に相談してトラブルを治していきましょうね。
(参考:おりものについて|kao)
茶褐色で強い悪臭がするオリモノ
非常に注意が必要なのが、茶褐色で悪臭がするオリモノ。
タンポンを外し忘れている時にも見られるオリモノですが、子宮癌や子宮体癌、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫といった病気の症状でもあります。
生理がなかなか終わらない、と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、長く続く場合は産婦人科で検査を受けてください。
治療が遅れると深刻なトラブルに発展する危険がありますよ。
(参考:おりものについて|kao)
オリモノで体の変化を察知しよう
オリモノは排卵期に量が増え、体を守る役割を果たしてくれます。
不快感が強くなったり、肌着が汚れてしまったりしますが、オリモノは体の状態を教えてくれるサインです。
パンティライナーなどを利用して上手に付き合っていきましょう。
排卵後はオリモノの量が減りますが、妊娠した場合は量が減らず、粘度のあるオリモノが出続けます。
妊娠の可能性をチェックするひとつの方法として覚えておくといいですよ。
ただ、オリモノの状態で妊娠を正確に知ることはできないので、妊娠検査薬でチェックしてくださいね。
もし、粉チーズのようなオリモノや、黄緑色、茶褐色といった色のオリモノ、悪臭、デリケートゾーンの痒みや痛みなどの症状がある場合は、すぐに産婦人科へ!
体からのSOSのこともあるので、オリモノの変化を把握しておきたいですね。