朝食に焼いて食べたり、ボイルにしたり、お肉代わりにお料理に加えたりと、何かと食卓に出しやすく便利なウインナー。
ウインナーやソーセージ、ハム等の加工肉食品は使い勝手もよく家庭でもよく使われる食材ですね。
またサラミや魚肉ソーセージはおやつ感覚でそのままでも食べられるので、幼いころからお世話になっていました。
様々な味を楽しめるウインナーやソーセージですが、妊娠中に食べても良いのでしょうか?
味付けがしっかりしたものも多く、塩分や栄養、成分など気になりますよね。
そこで、妊婦さんのウインナーの摂取について、栄養や注意点などを中心に5つの見出しでまとめてみました。
- ウインナーとソーセージは別物?
- 妊娠中に嬉しい栄養素も!気になるウインナーの成分
- 塩分量と高カロリーな点には注意
- 加熱が重要!リステリア菌による食中毒の予防
- 妊娠中にウインナーは食べてもいい物?
妊娠中にウインナーを食べてもいいのか迷っている方は、ぜひ参考にしてください♪
目次
ウインナーとソーセージは別物?
一般的に、ソーセージとは細かく切った豚肉や牛肉などの畜肉と香辛料と練り、それらを羊の腸や豚の腸などといった薄い膜状の袋・ケーシングに詰めて加工したものの総称です。
魚のすり身で作った魚肉ソーセージや、水分量を少なくし乾燥させたサラミやカルパス。
これらも全てソーセージの仲間です。
このように原料や製法の過程によりソーセージには様々な種類があり、その中の一つがウインナーソーセージとされているのです。
ウインナーの発祥地はオーストラリアのウイーンであり、日本農林規格(JAS)の規定は
- 羊腸を使用したもの
- または太さが20㎜未満の物
であり、塩漬けされた豚肉と牛肉と香辛料を練り上げ、羊腸に詰めた後燻製やボイルで仕上げるという過程のもと作られます。
今回の記事では、上記を参考にウインナーの栄養素を中心にまとめます。
妊娠中のウインナーやソーセージの栄養素
ウインナーは美味しい食品ですが、脂質と動物性タンパクを多く含む高カロリーな食品です。
特に多く含まれる栄養素は
- ビタミンB12
- ナイアシン
- ビタミンB1
となっており、特にビタミンB12は葉酸と並ぶ重要な栄養素。
赤血球の形成を助け、妊娠中の貧血を防ぎます。
また、葉酸のサイクルを活性化して葉酸の働きを助けるため、結果として赤ちゃんの神経管欠損症などの先天奇形を予防する効果があります。
葉酸に関してはこちらの記事を参考にしてください⇒葉酸サプリが絶対に必要な3つの理由とたった5つの選び方
またナイアシンは、妊娠中に摂取することで生まれてきた赤ちゃんのアトピー性湿疹のリスク低下に繋がる他、妊娠高血圧症候群の予防に繋がるといわれている栄養素です。
疲労回復効果のあるビタミンB1も同時に摂取できるのが嬉しいですね。
塩分量と高カロリーな点には注意!
ウインナーを食べる上での注意点としては
- 塩分量が高い
- 5本で298kcalと高カロリーである
が挙げられます。
妊婦さんが塩分をとり過ぎてしまうと、妊娠高血圧症候群になる恐れが。
主に頭痛、めまい、むくみといった症状が出はじめ、血液が流れにくくなることで赤ちゃんへの負担にも繋がります。
妊娠高血圧症の予防には、塩分だけではなくカロリーを抑えることも重要ですので、塩分とカロリー双方が高いウインナーの食べ過ぎは注意した方がいいですね。
高血圧症候群に関しては、次の記事も参考にしてください⇒妊娠高血圧症候群とは?原因や症状と治療方法、4つの予防策
結論として、朝食や夕食におかずとして数本なら栄養的にも好ましいですが、一日に何本も食べてしまうのは控えた方が良いでしょう。
また、ウインナーに使用されているのは加工肉であり、日持ちする分添加物の多い物もあります。
・亜硝酸ナトリウム
ボツリヌス菌の発生を抑え、加工肉の発色を良くする効果のある添加物です。
毒性の強いものではありますが、規定が厳しくウインナーなどに使用される亜硝酸ナトリウムはごく微量の為、毎日大量摂取しなければ問題はないでしょう。
・タール色素の一種である合成着色料赤102、赤3などを使用しているウインナー(お弁当用などにみられる赤いウインナー)
合成着色料は胎児の奇形リスクを高める疑いのある添加物です。
日本では使用してもいいとされていますが、一部の国では使用が禁止されている物でもあります。
直ちに影響がある訳ではありませんが、妊娠中で気になる方は商品の成分表を参考に、なるべく無添加であったり添加物の少ないウインナーを選ぶようにするといいでしょう。
魚肉ソーセージやドライソーセージに関しても同様です。
一見低カロリーでヘルシーのように見えますが、加工品だけにやはり塩分や添加物が多い傾向にありますので、食べる量には気を付けたいですね。
加熱が重要!リステリア菌による食中毒の予防
リステリア菌は生乳や生肉、河川や植物など、環境中幅広く分布する細菌。
健常人の発症は稀なものの、免疫力が低下しがちな妊婦さんは食中毒への注意が必要です。
食品を食べてから3~4週間の潜伏期間を経たのち、発熱や嘔吐、頭痛や筋肉痛などといった形で症状が現れます。
リステリア菌が多いと言われている食品は、生ハムやナチュラルチーズや肉・魚のパテなどが挙げられますが過去にウインナーから検出された例もあります。
妊婦さんの場合、健常人よりも20倍も発症リスクが高まってしまう他、母体を通じて胎児に感染すると、早産や流産の原因となる可能性も出てきます。
妊婦さんがリステリア菌に感染し、症状が現れた際の胎児への影響については、
- 自然流産…10~20%
- 早産…50%
- 子宮内胎児死亡…10%
となっており、妊婦さんは特に気を付けなければいけない食中毒の一種と言えるでしょう。
リステリア菌は寒さにも強く、冷蔵庫や冷凍庫といった低温の場所でも生きながらえ、また対塩性もある厄介な菌なのです。
ですが賞味期限に気を付け、しっかり加熱してから調理することでリステリンによる食中毒は予防できますので、安心してください。
特に生ウインナーという記載があるものは必ず加熱調理してください。
また「無塩せきソーセージ」と記されているものも、製造工程で発色剤を使用していないため十分な加熱が必要とされています。
加熱食肉製品と記されているウインナーは生のまま食すことも出来ますが、食品の表示を確認した上で、どの種類のウインナーであれ火を通すのが一番安心でしょう。
生のまま食べられることの多いハムや魚肉ソーセージ、サラミなどのドライソーセージも妊娠中は加熱調理が無難です。
妊娠中にウインナーやソーセージは食べても大丈夫?
妊娠中であっても、ウインナーや魚肉ソーセージを含むソーセージ類、ハムはしっかりと火を通してあれば食べても大丈夫です。
妊娠初期から中期、妊娠後期まで便利な加工肉食品として食べて問題ないでしょう。
ですが、
・高カロリーであり塩分量が高い事を考え、食べ過ぎには注意する事
・食中毒予防のため、しっかりと加熱処理をした上で食べる事
・選ぶ際には添加物の少ない物がおすすめ
上記に気を付けたうえでの摂取が好ましいでしょう。
また、つわりの時期は匂いにも敏感。
いつも以上に肉の臭みを強く感じるかもしれませんのでご注意ください。
ともあれバランスのとれた食卓を心掛けながら、妊娠中もおいしくウインナーを頂きましょう!