妊娠初期は、様々な体の変化に悩まされます。
その1つがおりものの変化です。
いつもと違う水っぽいおりものが出たり、においがあったりすると胎児への影響や流産のリスクが気になります。
どのように対処すればよいでしょうか?
『妊娠初期に水っぽいおりものになる原因は?』
『妊娠中のおりもの量が多くて…流産が心配。』
など、妊婦さんなら誰でも気になることです。
こちらでは、
- 妊娠初期の体の変化
- 妊娠初期の水っぽいおりものの原因
- 初期のおりもののリスク
- 妊娠中のおりものの対処法
など、妊娠初期のおりものについて9つのポイントで解説します♪
目次
妊娠初期の体の変化
初期は、妊娠後4か月までのことを言います。
この時期は、お腹が大きくなるなどの見た目の変化はあまりないものの、体の中は大きく変化しています。
それもそのはず、赤ちゃんを育てるために、体の中は
- 子宮が大きくなる。
- 骨盤が広がる。
- 血液量が増える。
などの色々な変化が起きているからです。
この時期が、妊娠期間の中でも最も大切な時期とされます。
これらの変化は、2つのホルモンが増加することで進みます。
- エストロゲン
- プロゲステロン
と言うホルモンです。
これらは、妊娠中だけでなく、生理が起こる前後でも多く分泌されます。
生理前の不快な症状もこれらのホルモンによって引き起こされます。
妊娠初期のおりものの原因
2つのホルモンの中で、おりものの原因となるのが「エストロゲン」です。
エストロゲンは女性らしさを作ったり、妊娠前は卵胞を育てたりします。
このホルモンの働きの1つが、粘膜を増加させることです。
その結果として、おりものが増える傾向にあります。
おりものが増えると「何かの病気かしら。」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、大多数は、病気などではありません。
心配のないおりものの特徴としては、
- 水っぽい、さらさらしている
- 無色透明、白濁していない
- 少しすっぱいが、異臭はない
などです。このようなおりものは、「水様性帯下」と言われます。
妊娠週数が進むにつれて量が増えていくのが一般的です。
妊娠初期のおりものの役割
上でも述べましたが、おりものが多いからと言って、焦る必要はありません。
初期のおりものは、妊娠のために大切な役割を担っています。
- 外部からの菌の侵入を防ぐ。
- 膣内のpHを保つ。
妊娠中でもおりものがあるのは、普通のことです。
おりものがあることで、膣内の環境が整います。
おりもののにおいが少しすっぱく感じるのも、pHが少し酸性に保たれているからです。
おりものが気になるからと言って、
- トイレットペーパーで何度もふく。
- 除菌シートでふく。
- 石鹸で必要以上に洗う。
- ビデを何度も使う。
など、過剰に対処するとかぶれや感染の原因になってしまうこともあります。
特に、妊娠初期のビデは注意してください。
わたしは、お医者さんに初期の注意事項としてウォシュレットはしないようにと言われました。
ウォシュレットに付着した細菌が膣内に感染して、子宮内にまで広がると流産の原因となることもあります。
おりものの対処法
それでも、放っておくわけにはいきませんよね。
妊娠初期は、つわりや眠気など体調不良が続きます。
それに加えて、デリケートゾーンが不快となれば、ストレスがたまります。
中には、おりものの量がまるで尿漏れのように多い人もいます。
対処法としては、
- 下着をこまめに替える。
- おりものシートを使う。
- 尿漏れパッドを使う。
1番よいのは、下着をこまめに替えることです。
わたしは、下腹部を温めるためにも下着をあらかじめ2枚重ね履きし、おりものが気になった時は、1枚脱いでいました。
外出先でも、すぐにできる対処法です。
おりものの変化に気を付けて!
おりものの量にびっくりする人も多いと思いますが、大切なのはおりものの質をよく観察することです。
いつもとの違いを見つけることで、病気を早期発見することにつながります。
次の視点で観察しましょう。
- 量
- 色
- 粘り気
- におい
- 血が混ざっていないか
- 異物が混ざっていないか
このような変化に気づくためには、下着の選び方も大切です。
肌に触れる部分が、
- 綿
- 白
- 締め付けがない
ものを選びましょう。
おりもので分かる病気のリスク!
おりものに次のような変化があったら、それは病気や感染症が疑われます。
- 白っぽくてポロポロしている。
- 白濁している。黄色く濁っている。
- 悪臭がする。
- 血が混じっている。
これらに加えて、かゆみを伴うかどうかも判断材料になります。
妊娠中に多い!?感染症。
妊婦は抵抗力や免疫力が下がっているため、感染症にかかったり、元々持っている菌が悪さをしやすかったりします。
ウイルスや感染症の知識をもち、変化に対応できるようにしておきましょう。
性器クラミジア感染症
原因はクラミジア・トラコマチスと言う菌です。
自覚症状があまりなく、気づかないまま感染してしまうと、胎児にも影響があります。
出産までに完治させないと危険なものです。
性器ヘルペス
性感染症の1つで、単純ヘルペスが原因です。
鼻や口にできるヘルペスが接触などによって、感染する場合もあります。
陰部に水泡やかぶれが出ます。
こちらも産道感染すると、赤ちゃんが肺炎や脳炎を起こすことがあります。
膣カンジダ症
元々、膣内に生息する真菌が異常に増殖して発症してしまいます。
痒みを伴い、おりものが白くボロボロとするのが特徴です。
おりものはリスクを見極めるサイン!
おりものは分かりにくい体内の状況を知るための大切なサインになります。
妊娠中は、いつも以上におりものをよく観察しましょう。
そして、異常を感じたら、定期検診を待たずに受診をしましょう。
妊娠初期は、月に1回の受診です。
1か月も放置していたら、治りもその分だけ遅くなってしまいます。
自分が不快なだけでなく、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
妊娠初期の感染は、最悪の場合、胎児へ次の影響が考えられます。
- 流産
- 目や皮膚
- 胎児のむくみ
- 肺炎、脳炎
- 肝機能、肝臓
などの異常を引き起こすこともあります。
感染症にかからないために
ウイルスや細菌などの病原体が原因となっています。
うつる原因は様々です。
- 人から
- ペットや家畜から
- 食べ物や飲み物から
妊娠初期に初感染すると胎児への影響は大きくなります。
感染症が疑われる場合は、他の妊婦さんにうつさないように配慮しましょう。
- 手洗い
- うがい
- 唾液や糞尿にふれない
などの予防が大切です。
まとめ
今回は、妊娠初期のおりものについて解説してきました。
伝えたかったのは、次の4つです。
・妊娠初期は体が大きく変化すること。
・初期はホルモンの働きによって、水っぽいおりものが増えること。
・初期は特におりものをよく観察するとよいこと。
・おりものの変化に気づいたら早期に受診すること。
わたしも、初期におりものの量が増え驚きました。
その変化で「妊娠したかな」と気が付いたほどです。
それも、普段からおりものをよく観察していたので気づけたことです。
妊娠を機に、おりものの変化に敏感になると、女性の体の仕組みもよく分かるようになります。
こちらの記事が、初期のおりものについて気になる妊婦さんのお役に立てば嬉しいです。