妊娠初期は、体の変化を感じやすくなり卵巣の痛みを訴える人も多いです。
しかし原因が分からないと、病気や胎児への影響が心配になりますよね。
流産のリスクを想像するだけでも不安で落ち着かなくなります。
突然訪れた卵巣の痛み、対処できることはあるのでしょうか。
『妊娠初期の卵巣の痛みの原因が知りたい!』
『流産のリスクや対処法を知りたい!』
など妊娠初期だからこそ知っておいてほしいことは、たくさんあります。
こちらでは、
- 妊娠初期の卵巣痛の原因。
- 妊娠初期の流産リスク
- 妊娠初期に気を付けること。
- 卵巣の痛みへの対処法
など、妊娠初期の卵巣の痛みについて7つのポイントで解説します♪
目次
卵巣って、どこにあるの?どんな働きをするの?
女性だから、女性の体を熟知しているとは限りませんよね。
妊娠してから女性の体の仕組みを勉強する人も少なくありません。
子宮、卵巣、卵管などの言葉は知っているものの、それぞれの場所や働きを詳しく説明するのは難しいです。
まずは、おさらいしましょう。
「子宮」
- 膣の上、体のほぼ中央、下腹部にある。
- 通常時は6~8㎝
- 子宮の壁の厚みは、1,2㎝
- 子宮は、膣と左右の卵管とつながっている。
- 受精卵が着床するのは、子宮の底が多い。
(以上ウィキペディアより)
驚くべきは、妊娠後の変化です。
通常時は、卵ぐらいの重さです。しかし、妊娠をするとなんと「1㎏」にもなります。
「卵巣」
- 卵子を作るところ。
- ホルモンを分泌する。
- 子宮の左右にある。
- 成熟した卵胞を排卵する。
- 無数の原子卵胞が詰まっている。
(以上ウィキペディアより)
女性が一生のうち排卵できる卵子の数は決まっています。
たくさんの原子卵胞のうち、毎月1つを成熟させ、排卵します。
体外受精をする場合は、排卵誘発剤を利用し、複数個発育させ、採卵します。
「卵管」
- 輸卵管とも呼ばれる。
- 子宮と卵巣をつないでいる。
- 精子と卵子が出会う場所。
- 卵管を通り、4~5日で子宮に到達、着床する。
(以上ウィキペディアより)
卵管は、卵巣と子宮をつなぐ重要な器官です。
受精卵の始まり、初期胚が育つのも卵管です。
卵巣と子宮に異常はなくても、卵管がつまっている場合、妊娠は難しくなります。
不妊治療の手始めとして、卵管造影剤検査をして卵管が通っているかを確認します。
妊娠初期は最も大切な時期!
妊娠初期とは
- 受精卵が着床して
- 妊娠4か月まで
のことを言います。
さらに、生理予定日前後を妊娠超初期とも呼びます。
この時はまだ妊娠が確定しづらい時期。
病院での妊娠判定は、生理予定日1週間以降に行われることが多いです。
なぜかというと、妊娠時期があまり早いと正しい結果が出ないからです。
最近は生理予定日前に検査を行うという、”フライング検査”をする方が増えています。
なぜなら現代の妊娠検査薬は感度がよく、通常生理予定日から1週間後に使うものでも、うっすらと陽性反応を示すことがあるから。
しかしその中には化学流産のように、着床しそうだったができなかった場合も含まれています。
正確な妊娠判断はやはり生理予定日一週間以降。
自分で妊娠検査薬を使用した場合でも、必ず医師の妊娠判定を受けましょう。
そして妊娠初期は、妊娠期間の中でも最も大切な時期とされています。
妊娠初期の流産リスク!
『母子保健テキスト』(母子衛生研究会)でも次のように書かれています。
「妊娠と分かって間もないこの時期こそ、実は最も大切な時期なのです。」
それには、理由があります。
- 胎児の大切な臓器ができる時期だから。
- 母体が摂取した薬の影響を最も受けやすいから。
- 母体からのウイルスの影響を受けやすいから。
初めが肝心なのですね。
この時期からつわりも始まります。
体が大きく変化するのですから、それもそのはずです。
そして、1番怖いのが
- この時期に、流産が起こりやすい。
- 妊娠全体の流産の10~15%が初期に起こる。
- 母体の年齢が上がるにつれて、初期の流産率は高まる。
ということ。
この時期の流産の原因は、ほとんどが「染色体異常」によるものです。
これは受精卵自体に育つ力がなかったことが原因なので、母体はどうすることもできません。
しかし、原因を後から明らかにすることはできないので、流産をした方は自分の行いを責めがちです。
初期の卵巣痛、原因は?
初期は流産のリスクが高いと聞くと、痛みがあればなおさら心配になりますよね。
では、卵巣の痛みはなぜ起こるのでしょうか。
子宮外妊娠
1番怖いのは、これです。
正式名称は”異所性妊娠”といいます。
卵巣ではなく、卵管や子宮の上部に受精卵が着床してしまうことです。
卵巣の正確な位置を外から確認するのは難しく、また卵管が詰まっているなどが原因です。
まれに起こりうる疾患で、その確率は妊娠全体の1%ほど。
発見が遅れると、卵管が破裂し下腹部に激痛を伴い早急な処置が必要になります。
排卵痛
医師による”妊娠判定をしていない”場合です。
排卵日がずれていて、妊娠していなかったというパターンです。
排卵する際に、若干の痛みを感じる人もいます。
着床痛
子宮や卵管、卵巣は、下腹部に集まっています。
妊娠をすると子宮が大きくなるので、それぞれの位置を外から把握するのは難しいこと。
卵巣の痛みかと思ったら、それは子宮に受精卵が着床したことによる痛みだったということもあります。
上記で述べたように卵巣は左右どちらにもあるので、左右どちらに痛みを感じるかはそれぞれ。
ちなみに、わたしは着床痛を下腹部右側にかたよって感じました。
「チクチク、いてて。」という感じです。
生理痛
生理は時に不順になります。
生理が遅れていて妊娠かとおもったら、生理痛だったということもあります。
逆に生理前の痛み(PMS)かと思ったら、妊娠していたという人もいます。
つまり、生理前の痛みと妊娠による痛みはそれほど違いがないということです。
卵巣嚢腫
「らんそうのうしゅ」と読みます。
普段は自覚症状がなく、妊娠や子宮ガン検診を機に見つかることもあります。
悪性だった場合はガンですので、摘出などの手術が必要になります。
卵巣の痛みを感じたら!対処法は?
「子宮外妊娠」や「ガン」などの怖い言葉が並びましたね。
ますます心配になってしまったかもしれません。
これらを回避するには、次の対処法が有効です。
- 妊娠を自己判断しない。
- 生理予定日を1週間過ぎたら、医者に診てもらう。
- 定期検診、人間ドックに行く。
- 性病感染に気を付ける。
まとめると、異常を感じたら、普段からかかりつけの婦人科に行くということ。
子宮外妊娠もガンも早期発見がカギです。
また、妊娠もできるだけ早く判定を行うことが大切です。
何度もお伝えしますが、初期は1番大切な時期。
さらに大切なのは、
- 妊娠の仕組みを理解する。
- 初期の流産について知識をもつ。
- 臓器の位置を把握する。
ことです。
わたしは、不妊治療をしていたので、事前にこれらの知識がありました。
流産に終わったこともありましたが、知識があったことで比較的冷静になれました。
臓器の位置は、通院した際に、お腹を見ながらお医者さんに教えてもらうとわかりやすいです。
卵巣と卵管の働きを知ろう!
子宮については、赤ちゃんの育つ場所なので、知識が多い人も多いでしょう。
しかし、妊娠するためには卵巣と卵管がとても大切です。
卵巣は、卵子を育てている場所です。
卵巣は2つあります。
人によっては1つが機能していないということもあります。
すると、妊娠の確率は2分の1になります。
卵管は、精子と卵子が出会うところです。
非常に細く、何等かの原因で詰まったり、ねじれたりすることがあります。
原因の1つは、性病感染によるものです。
以前感染して治療した場合でも、それが原因で卵管がせまくなっている、通らなくなっているということもあります。
妊活しているなら、検査を!
妊娠したいと思っている人は、子宮のコンディションを整えるだけでなく、卵巣や卵管の基本検査を行いましょう。
卵巣に痛みを感じる場合は、妊娠の有無に限らず、自分のからだを知るチャンスだと思ってください。
かかりつけの産婦人科を作っておくことも大切です。
わたしは、妊娠に至るまでに、6つもの産婦人科にかかりました。
これは極端な話ですが、自分に合う病院を見つけるのは、難しいものです。でも、女性の体は非常にデリケートです。
1つの器官に異常が生じると、それぞれがつながっているだけに、問題は複雑化します。時間はかかっても原因を追究することがカギです。
急がばまわれですね。
まとめ
今回は、妊娠初期の卵巣の痛みについて解説してきました。
伝えたかったのは、次の4つです。
・卵巣、卵管、子宮の位置や働きを確認しておくことが大切なこと。
・卵巣痛の原因は、子宮外妊娠やガンなど非常に怖いものがあること。
・卵巣に痛みを感じたら、早期受診がカギとなること。
・妊活をしている人は、早目に卵巣、卵管のチェックが必要なこと。
わたしは、不妊治療を行って、子宮内ポリープを発見し、手術しました。
それ自体が不妊の原因ではありませんでしたが、自分のからだを大切にするよいきっかけとなりました。
卵巣に痛みを感じたら、それは何らかのサインです。
この記事が妊娠初期の卵巣の痛みが気になる方のお役に立てば嬉しいです。