「土」という漢字について
音読み:ド、ト
訓読み: つち
画数:三画
姓や名前に用いられる場合には、他の読み方もあります。
「ひじ」「は」「すな」「き」「ただ」「のり」などです。
目次
「土」の意味や由来や成り立ちと特徴
漢字の由来は、「土を盛り上げる」。
成り立ちは、土の神を祀るために柱を立てた象形です。
特徴も、地の上に盛り上げられた土に柱が1本立っています。
意味は、そのまま「つち」を表しますが、広義では「大地、国、人が住める場所」も含まれています。
古代中国から伝わった漢字であり、そのまま日本でも使われるようになりました。
「土」は、人の生死に関わりのある漢字です。
硬い土を掘り返し、田畑にして稲や種を植えます。
それらが育ち実りを成して、人々を生かす糧となるのです。
そして、人生の終焉が訪れたら「土」に還ります。
生の歓びと死の安らぎと、どちらの意味も含む漢字であるため、いにしえより人々に大切にされてきた漢字のひとつであるのです。
土を部首に使用する漢字は多くある
型・・・物事の基準となる意
培・・・養い育てる意
堪・・・もちこたえるの意
在・・・ある、いる、などの存在を表す意。
均・・・つり合いがとれているの意
他にもありますが、「土」を部首に使っている漢字は、土そのものよりも人に関わるものが多数です。
このことからも、この漢字に寄せる人々の思いが汲み取れます。
「土」を使った熟語
部首に使われる漢字同様に、「土」を使用した熟語も多くあります。
代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
二字熟語・・・国土、楽土、焼土、種土、荒土
三字熟語・・・高土間、重粘土、手土産、砂壌土、残積土
四字熟語・・・皇天后土、十九土用、永久凍土、十万億土、身土不二
五字熟語・・・希土類磁石、気候性土壌、縄文式土器、国土強靭化、成帯性土、
六字熟語・・・極楽安養浄土、成帯内性土壌、土類金属元素
「土」を使った熟語は、この他にも、なんと十字熟語まであるのです。
「土」の説明の仕方
口頭で名前を伝える際、どういった漢字を書くのか聞かれる時があります。
例えば、あなたの名前が「土佐子(とさこ)」だとします。
その場合、「土」をどう説明すればよいのでしょうか。
ここで例を挙げてみます。
・「とさこのとは、国土の土です」
・「とさこのとは、土曜日の土です」
・「とさこのとは、土星の土です」
「土」は日常的によく使われる漢字なので、難しく考えずに答えてください。
「土」を使った名前の有名人・芸能人
今泉 雄土哉さん(いまいずみ おとや・キッズモデル)
蔵間 雄土さん(くらま ゆうと・占い師、書道家、彫刻家、画家)
清野 美土さん(きよの よしと・ミュージシャン)
大石 隼土さん(おおいし はやと・カメラマン)
大地 土子さん(だいち とこ・作詞作曲家)
山田 土麻呂さん(やまだの ひじまろ・奈良時代の官吏、舎人親皇の歌を伝誦)
山本 土佐掾さん(やまもと とさのじょう・江戸時代前期の古浄瑠璃の太夫)
久松 土岐太郎さん(ひさまつ ときたろう・江戸時代後期の砲術家)
山地 土佐太郎さん(やまじ とさたろう・大正昭和の実業家)
成瀬川 土左衛門さん(なるせがわ どざえもん・江戸時代後期の大相撲力士)
黒田 土佐子さん(くろだ とさこ・江戸時代中期の女性、沼田藩主黒田直邦の妻)
竹本 小土佐さん(たけもと ことさ・明治から昭和の女義太夫の太夫)
竹本 土佐栄さん(たけもと とさえ・明治大正の女義太夫の太夫)
竹本 土佐広さん(たけもと とさひろ・明治から平成の女義太夫節の太夫)
多治比 土作さん(たじひの はにつくり・奈良時代の公卿)
うつみ 宮土里さん(うつみ みどり・昭和平成の女優)
田中 雄土さん(たなか ゆうと・俳優、声優)
現在では、「土」という漢字が下の名前に使用されることはめったにありません。
名前にするには少し使いづらい漢字であるからです。
しかし過去には、女性にも男性にも用いられていました。
今でも、この漢字を名前に持つ人は少なくありません。
また有名人や芸能人が本名とは別に変名として使用する場合もあります。
それは、この漢字が持つ深い意味に理由があるからです。
「土」を使った名付け候補
杏土(あど)
土羽(とわ)
真土花(まどか)
土香(のりか)
亜土(あど)
莉土(りと)
美土里(みどり)
有花土無(ゆかとむ)
土祇栄(としえ)
土筆(つくし)
麻土(まど)
真土(まなと)
麻土香(まどか)
舞土香(まどか)
桜土里(あおどり)
果土(かど)
土麻里(とまり)
土萌(ともえ)
野土榎(のどか)
野土花(のどか)
「土」は生命の拠り所である
この世には海があり、空があり、大地があります。
その三つの内のひとつである大地を構成している「土」は、人間や動物が生きていく上でなくてはならないものです。
植物が育まれ、人間や動物が糧にする。
「土」は、食物連鎖の始まりと終わりを司っているといえます。
植物から始まった命の連鎖。
人間はその頂点に位置付けられていますが、人間もまた死を迎えると「土」に還るのです。
その狂いなきサイクルから、「土」は古来より神聖なものとされてきました。
生命を育む雄大さを持った大地。
子供が心身ともに大きく育つよう、そして健康と長寿を願って「土」の一字を名付ける。
その親心こそ、母なる大地のような慈しみでもあるのです。
まとめ
今回は「土」にまつわる意味や熟語、実際に使われる名前の例などを紹介しました。
大切なお子さまの名付けの参考にしていただければ幸いです。